あらすじ
耕作放棄地が農地の10%に及び、土地持ち非農家は120万戸とも言われ、農地の荒廃が進んでいる。なぜ農地は無秩序化してしまったのか? その要因を歴史的に検証するとともに、農地問題がいかに農業全体の非生産性に結びつくかを解説。その上で、市民参加型の土地利用を軸にした大胆な構想を提示する。日本農業への緊急提言の書!
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Posted by ブクログ
新聞や雑誌、テレビ、ラジオで騒がないと、
本当にいろいろ知らないままでいたことに気がつきました。
農家は50年で半減していて、GDP比は10分の1になっている。
自宅は農家ではないので、農地基本台帳というものがあることも知りませんでした。
日本の農業を再生する道を考えたいと思いました。
Posted by ブクログ
農地管理の無秩序により日本農業は崩壊するという意見を述べた本。有益だが,処方せん部分の最終章があまりに急進的で,実現性に首を傾げてしまった。
【特に印象的だった点】
明治の地租改正を経て,優秀な農業者は近隣の土地を買い集めて地主となり,村のリーダーとなって農村秩序を維持した。
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重工業化により,地主は都市へ出て不在地主化。村の秩序が乱れて小作争議頻発等
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満州事変以降の戦時体制のもと,地主・小作人含めて「農業会」が組織化され,相互扶助・協働化が進められた。
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農業会体制は,事実上JA体制に。農業会的秩序維持機能が引き継がれたのが,戦後の集落機能
票田として農業者を考えると,政治家にとっては,少数の大規模農家より多数の零細兼業農家のほうが望ましい。
優良農地の農外目的への転用は,所有権の濫用。戦後民主主義は,権利主張の面では成功したが,自治の面では失敗
日本の稲作の効率化の伸びは,減反開始後鈍っている。アジアはどんどん伸びて,追いつかれそう。
半世紀前に開発されたコシヒカリが広く作付されているというのは,農業技術停滞の現れ