【感想・ネタバレ】特捜部Q―キジ殺し―のレビュー

あらすじ

いったいこの書類はどこから送られてきたんだ? いつのまにか特捜部Qのデスクに置かれていた20年も前の事件の書類。18歳と17歳の兄妹が惨殺された事件だが、その後犯人は自首して服役中。つまり未解決ではない。なのになぜ未解決事件を調査する特捜部Qに?興味を抱いたカールとアサド、それに新メンバーのローセは再調査に取り組むが、当時の容疑者たちはいまや有力者に……ますますパワーアップ!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

デンマークの警察小説、特捜部Qシリーズ第二弾。

いつの間にか置かれていた資料には、数十年前に解決し、犯人も収監中の兄妹殺しのことが。調査を開始するカールとアサドだったが、捕まらなかった者たちの存在を知る。

うーん、疾走感とハラハラ感は前作の方が上か。カールたちの捜査パート、ホームレスの女性のパート、逃げ切り社会的に成功した三人のパートの視点があるが、逃げ切った三人のパートが胸糞すぎて…捜査パートも、前回ほど犯人をじわじわ追い詰めるものでもなく。
更には、ラストもそこまで爽快感のあるエンディングではないので、総じて一作目が良かったなと。次作はガラスの鍵を受賞したとのことで、楽しみにしている。

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2025年04月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読んでいる間、ずっと眉間にしわを寄せていたと思う。
そのくらい嫌な事件。
最初から最後まで暴力的な、救いのない話だった。

寄宿学校時代の友人グループ。
男子5人女子1人といういびつなバランスで、学友や教師たちを性や暴力で蹂躙していく。
しかしそのバランスが崩れたとき…。

まず男同士のつながりが気持ち悪い。
深い友情とは無縁の自己中同士なのに、互いの欲望を満足させるためにつるみ、学校を卒業して20年たった今も、その容赦ない暴力への嗜好を満足するためにつるんでいる。
金持ちだから、そして暴力に関しても容赦ないから、敵はいない。
ただ一人、仲間の前から姿を消した唯一の少女・キミーを除いては。

男たちは探偵を雇ってキミーを追いかける。
キミーは見つからないように姿を隠しながら、男たちの動向を探る。
ところが、いつの間にか追う者と追われる者が逆転して、キミーが男たちを追い詰める。

キミーの抱える心の闇と、哀しい事件、喪失については同情を禁じ得ない。
けれど、たった一人の信じられる友であったティーネに対して行ったことは、許されることではない。
たとえ自分の命と、命より大切なものを守るためであったとしても。

そして、カールの絶体絶命の時にキミーが現れてすべてがひっくり返るのだけど、どうしてそううまくいくのかがちょっとわからなかった。
だって相手は武器を持っていて、だからカールは絶体絶命だったはずなのに、狩の武器を携帯している男3人に対してキミーの登場だけで逆転できるもの?
何か読み落としたかな。

特捜部Qという組織は、一名増員もしたことだし、しばらくは安泰だろうけれど、アサドの秘密が明らかにはなっていない。
カールは、別居中の妻や同居している義理の息子との関係は直接ストーリーに影響を与えないのなら、退場願っていいのでは。
無駄に煩雑。

それよりも、捜査中の大けがの後遺症で肢体不自由になった元部下をうまくストーリーに絡めて事件を解決に導いていくほうがスマート。
どうせ捜査中の大けがの真相もそのうち解明しなければならないのだから。

で、主人公のカール・マークの上司がマークス・ヤコプスンなの、混乱するって前作の感想で書いたのに、今度は同じ警察の中にマーク・ヤコプスンとは無関係のヨハン・ヤコプスンが出てくるの、やめて~。

最後にキミーについて。
彼女は誰からも本気で愛されたことがない人生だったけれども、愛することはできた。
それが唯一の救いだと思った。

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2024年08月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

今回も陰惨な事件でございます。
しょっぱなから誰かが必死で逃げているんですが、誰なのかわかんないんです。
でも、これが事件に関わっている事はわかっているので、どういう風に絡んでくるんだろう?と 常に頭の片隅に不穏な感覚を覚えたまま読み進んで行く事になる訳だ。
特捜部Qには、多くの未解決事件があるが、今回は、解決済みになっているはずのものを再捜査させようと誰かに誘い込まれる形で始まる。
上からの圧力もかかり、中止に追いやられるが、それがカールに火をつけた。
カールの性格、分かる分かるw 私もそういうとこあるわwww
やるな!って言われるとやりたくなる。やれ!って言われるとやりたくないw
カール達が追い詰めて行く対象者は、社会的地位を確率している人物達で、人々を見下し、何をしても良いと思っている、とにもかくにも嫌な奴らなのであるが、頭もいいだけに、綺麗に事後処理をしているので、証拠が足りない。
やることは山ほどあるのに、人手は足りない。
まぁ、でも、あの人がそういう事であんなことしてくれたお陰で、あの人の部隊を使えるようになるんだけれども。
いやぁ、寄宿学校って、そういう世界なんですね。まぁ、全てがそうとは言わないのは分かっているけれども、「特別階級」を重視する人々がいるのは分かってる。
今作からカールチームに加わったローセも、これまたいい味出してまして、
カール・アサド・ローセの3人のやりとりが、陰惨な事件を追いかけていく中での、ホッとできる所。
ローセのカールの人相の伝え方とか、それは笑うしかないwww
カールごめん!
この事件とは別件で、カール達が襲われ、アンカーが亡くなり、ハーディが寝たきりになった事件に関して、ハーディが気付いた事については、シリーズ通して謎解きをしていく形になるんだろう。今は、まだ、そちらについては問題提起されただけ。
別々と思われていた事件の共通性をみつけ、証拠固めて、追い詰めたと思ったら、
冒頭のあのシーンが やってきた。
やーん。逃げられるの!?でも、このシリーズ続いてんだから、逃げられるんだよね!?という、おおよそ物語とは関係のない理由で助かると信じながら読み進める。
これ、リアルタイムだったら(続きがまだ出てない時だったら)もっと心臓に悪かっただろうなぁと・・・。ある意味、読む時期が今で良かったなぁと思いました。小心者なんで。
結局、過去の事件で、殺害を犯したのは彼女だったわけだけれども、彼女をそうさせたのは彼らだった。とにかくとんでもない奴ら。奴らを破滅させる事が出来るのは彼女だけで、彼らはそれを恐れていた。そして・・・
いっきに過去の事件がまとめて解決しましたよね・・・
そして、この先、彼らによる事件はなくなった。それだけが救いなのかしら・・・

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2023年03月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

特捜部Qシリーズ第二作。

時々読書の神様は意地悪なことをする。
閉鎖的な学校での暴力がエスカレートし、殺人に至る。
そして復讐、という似通った主題の作品を立て続けに読むことになってしまった。

とはいえ、主人公の刑事のタイプが全く違うし、
学校と行っても子供の学校と大人に近い学校と舞台も異なっていたので、
とくに混乱したりすることはなかった。
簡単に言えば、こちらの作品の方が暴力的で、しかも唾棄すべき加害者たちということかな。

とりあえず、自分が気に入っているアサドがアシスタントを続けていたのが良かった。
あいかわらず資料集めでも、聞き取りでも活躍してたし。
さらにもう一人特捜部のメンバーが増えたものの、
もてあましているカール警部補。
新しい特捜部はまだまだ大変だ。
美人の精神科医との関係も進まないし。

それと、
カール警部補の仲間を死亡と重傷にいたらしめた事件の解決はあるのだろうか。

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2018年08月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

映画4作観ていて『キジ殺し』が過去の犯行も現在の犯行も1番理解できなかったのだけれど、原作を読んで評価が変わったのでまた観たくなりました。面白かったです。
こちらも復讐になるのだけれど、復讐者も過去には一緒になってやらかしてるのでうーんというのは拭えず。でもキミーの心情が丁寧に描かれるので映画よりは良いです。
特捜部Qの新メンバー・ローセはアサドと同じくらい突拍子もない。でもアサドもローセもかなり有能だし、これくらい濃いキャラでないとカールには対抗できないので良いです。カール、飛行機恐怖症だったのか…。
ラストの大立ち回り凄い、映画こんなんだったっけ?カールが物凄く病んで次作まで引きずってるのは覚えてるけど。
ハーディとアンカーとカールの事件、いつか解決するのかな。メインの事件の後ろで少しずつ捜査が進められるといいです。
恩田陸さんの解説、一ファンの熱もあり、アンデルセン童話の国デンマークの分析も面白かったです。確かにアンデルセン童話は痛い。一瞬混同していたけど、検索したら「赤い靴」「スズの兵隊」「パンを踏んだ娘」もアンデルセンでした。幼心に、赤い靴に心を痛めていました。スズの兵隊は切ない。

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2022年09月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

残酷すぎる。
特捜部のカールやアサド、ローセの軽妙なやりとり、そして活躍に救われるけど、それにしても悪魔のようなキミーも、不幸な生い立ちに少し可哀想と思ってしまった。最後が酷すぎる。

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2021年12月01日

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