あらすじ
闇に葬られた軍艦事故の恐るべき真相、「戦艦武蔵」の極秘設計図紛失事件の後日譚、悲しくも痛ましい沖縄決戦の秘話……。戦記文学に定評のある著者が、正史にのらない埋もれた戦争の真実を掘り起して、巨大な戦争の陰の部分に生きた人間たちのドラマを追求する戦争秘録小説集。「艦首切断」「顛覆」「敵前逃亡」「最後の特攻機」「太陽を見たい」「軍艦と少年」の六編を収録。
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Posted by ブクログ
3,4回目か。ちょうど、今頃に読むと、先人が悲惨な国情に伴い、命を捧げた時間に少しでも近づけ弔意の首を垂れることが出来たらと。
7編は長短あれど、重さはいずれ劣らぬ力作、熱く、するフド委痛みで突き刺さってくる。臨場感はとてつもなく、読み手の周囲の時間が停まったかのような想いを抱かせてくれる。
中身をそらんじられるほどに熟読した「艦首切断」は圧巻。吉村氏のペンはいつもながら、その場に居ないのになぜにこうまでと息をのむ想い。
下手な戦争追悼番組や政府の域が掛った様な追従モノより、中学生に読んでほしい・・難しくてもこうして日本の軍は新た貴重な命を散らして行ったのだと。
Posted by ブクログ
素晴らしかった!
泣きながら読みました。
特に、『艦首切断』と『顛覆』(本書どおりの漢字がでなかったけれどてんぷくです)は感極まって一気に読むことができませんでした。
シンプルながらも的を射た表現が想像力をかき立てます。
大変よい本でした。
Posted by ブクログ
徹底した調査に基づく記録文学の短編。大自然との戦いを描いた「艦首切断」「顛覆」は圧巻! 「敵前逃亡」「太陽を見たい」でやるせない気持ちになり、「最後の特攻機」の不条理...。「軍艦と少年」は『戦艦武蔵』の後日譚。240頁ほどだが心にずんっとくるどれも素晴らしい作品。
Posted by ブクログ
タイトルのとおり、正史から抹殺、あるいは無視された人々の物語。
どうやら著者のノンフィクション系の作品が好きなようだと思うようになった。いくらでも読めるし、読みたい。純文学系の方の作品はちょっと取っ付きにくいが。