あらすじ
中国で発生した謎の疫病──それが発端だった。急死したのちに凶暴化して甦る患者たち。中央アジア、ブラジル、南ア……疫病は急速に拡がり、ついにアウトブレイクする。アメリカ、ロシア、日本……世界を覆いつくす死者の軍勢に、人類はいかに立ち向かうのか。未曾有のスケールのパニック・スペクタクル。大作映画化。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
マックス・ブルックスによるゾンビ小説。
世界ゾンビ大戦の終結から10年、その戦争を生き抜いた人々にインタビューした証言録という体裁で物語が進む。上巻は感染の発生から大規模な戦争へと移行し、人類がどんどん追い詰められていく様子がリアルに描かれている。
戦争を生き抜いたということで軍人中心で物語が進んでいくが、世界中の様々な立場の登場人物により、重層的に物語が紡がれていく。ある地域で重要な出来事や発見があり、それを受けて別の地域では、というかたちの展開はややもすれば単調になるきらいはあるが、設定が程よく練られ、飽きることなく読み進めることができる。
人類が戦争に勝ち、復興に向けて着実に歩んでいる時点でのインタビューということで、先の展開はある程度読めるが、それでもなかなかハラハラする展開が用意されていて、下巻での戦争終結に至る流れに興味をそそられる。