あらすじ
「オープンスカイ」(=空の自由化)の世界的潮流でアジア各国が空港を整備し飛躍するなか、日本は致命的な後れを取った。羽田空港は頭打ちの国内線中心。米航空会社に占められ新規参入枠がない成田空港は、「アジアの玄関口」の座を周辺諸国に奪われて久しい。鳴り物入りでオープンした関西国際空港をはじめ、全国津々浦々99の空港のほとんどが火の車だ。その補?のため毎年5000億円もの税金が垂れ流し。そんな航空行政の呆れた実態を緊急告発。
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Posted by ブクログ
日本の空港政策が如何に杜撰なものだったか、そして、空港整備特別会計というどんぶり勘定の予算によって、現在もその杜撰さを巧妙に誤魔化している現状についても、非常によくわかりました。
空港を作ることが目的化した結果、本当は需要などほどんどない地域にも関わらず、恣意的な需要予測でどんどん空港が作られ、この狭い日本に100近くも空港があるというのは非常に驚きでした。
そして、そのほとんどの空港で経営が破綻しており、一部の優良空港の利益と税金で補填しないとやっていけないのだという。
また、そうした地方空港が足かせとなって、羽田空港の国際化が進まないとか。
つい最近もエルピーダメモリの経営破たんがありましたが、これもずっと昔に破綻しているべきものを保護してしまった故に傷口を広げてしまったのだと思いますが、今の日本の空港事情についても同じことが起きるのではないかと思われます。
市場原理が働かないところに成長はなく、保護をしていてもいつかは倒れてしまうだけ。
本書は、空港の話ですが、きっと色んな産業で、このようなことが起きているのだろうと容易に想像できるところが恐ろしいですね。。。
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
「オープンスカイ」(=空の自由化)の世界的潮流でアジア各国が空港を整備し飛躍するなか、日本は致命的な後れを取った。
羽田空港は頭打ちの国内線中心。
米航空会社に占められ新規参入枠がない成田空港は、「アジアの玄関口」の座を周辺諸国に奪われて久しい。
鳴り物入りでオープンした関西国際空港をはじめ、全国津々浦々99の空港のほとんどが火の車だ。
その補填のため毎年5000億円もの税金が垂れ流し。
そんな航空行政の呆れた実態を緊急告発。
[ 目次 ]
第1章 静岡空港「開港延期」の裏事情
第2章 オープンスカイという逆風
第3章 成田空港の呪縛
第4章 泥沼の関空経営
第5章 赤字「空港」の支え「空整特会」
第6章 激変する世界の空
第7章 生き残り策
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
Posted by ブクログ
日本の複雑な航空業界の現状について知ることができる1冊である。
なぜ日本の空港はアメリカの方向性に従わなければならないのか。
千両大戦後の米国支配に大きく影響されている、日米構造協議の対日解放要求のためである。
飛行場を立てることで誰が儲かるのか。
空港整備特別会計により、政府と地方自治体両方である。
会計は不透明な内容で、財源は利用者からの離着陸料である。
海外からの需要が高い首都圏の空港が、地方空港の赤字を賄うために、
国際化が進められていない。
可能性が生かせず、アジアの他国から取り残されてしまうかもしれない日本の空港の状態がわかった。