あらすじ
豪奢な邸宅に住み、絢爛たる栄華に生きる謎の男ギャツビーの胸の中には、一途に愛情を捧げ、そして失った恋人デイズィを取りもどそうとする異常な執念が育まれていた……。第一次大戦後のニューヨーク郊外を舞台に、狂おしいまでにひたむきな情熱に駆られた男の悲劇的な生涯を描いて、滅びゆくものの美しさと、青春の光と影がただよう憂愁の世界をはなやかに謳いあげる。
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レオナルド・ディカプリオ主演の映画公開をきっかけに初めて本作を手に取るという人もおられるでしょう。いくつも翻訳が重ねられている本作ですが、個人的には『ライ麦畑でつかまえて』の邦訳でも知られる、この野崎孝訳をおすすめします。語り手の一人称が「ぼく」であること、そして適度にしゃちほこばった文体が、いかにもお金持ちの青春小説らしくて魅力的。
目も眩むような大富豪たちの栄華の裏にある、それぞれの虚栄と慢心。それらが交錯し、最後はギャツビーもろとも、多くの人間が破滅の一途を辿ります。それでも最後、物語の語り手であり、自らも大切な知り合いを数人失ったニック・キャラウェイがこれまでの出来事を振り返り、改めて世界と向き直そうとする姿勢には、普遍的な青春のきらめきが見られることでしょう。ラスト二文が特に秀逸。
「こうしてぼくたちは、絶えず過去へ過去へと運び去られながらも、流れにさからう舟のように、力のかぎり漕ぎ進んでゆく。」
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Posted by ブクログ
わたしの大好きな書籍の一つです。
ギャツビーは失った愛を、好きな女性を取り戻すために人生の全てを賭けました。そしてその夢を、彼の命が消えるまで追い続けていました。
その女性が本当はそこまで彼に追わせる価値のある女性でなかったとしても…彼は追い続けていました、
幸せだったのかどうかは、彼にしかわかりません。
でも、彼の中には打算ばかりのわたしたちが無くしてしまったなにががあります。
今でもこの小説の一節一節を読むたびに胸が痛くなります。
本当の傑作です。
Posted by ブクログ
世田谷の駒澤にある「snow shoveling」のblind book「美しき、光と影」というキャッチコピーに惹かれ、手に取った。
ギャッツビーの夢、見かけ上の栄光と、それと対局にある彼自身の精神の闇、不安定さを感じさせられ、まさに「美しき、光と影」を感じた。
生前は、多くの人を家に招き盛大なパーティをしていたギャッツビー、しかし彼の死後、葬式には、彼の父と語り手のキャラウェイ、そして書斎にいた男しか来なかった。
愛するデイジーすら訪れなかったのである。
見かけ上の煌びやかさ、華やかさにはなんの意味もない。周りに人がいることが、必ずしも、人望があるということではないのだと気付かされた。
良い時に寄ってくる人ではなく、自分自身が困難な時、辛い時にもそばに居てくれる人を大切にしたいと思ったし、思いもよらぬ人が自分を大切に思ってくれていることもあるんだなと思った。
彼は、彼の夢であるデイジーを手に入れることができないまま、悲劇的に人生の終わりを遂げた。それでも彼は、もしもう一度機会があったとしたら、この結末をわかっていたとしても
同じ道を歩むような気がする。
そんな彼の情熱は少しばかり羨ましい気持ちにもなる。