あらすじ
賢司は入社二年目の“リーマン”。仕事は順調、彼女もいるのに、なんだか冴えない毎日。そんな時、高校の同級生・凌一がインディーズブランドを旗揚げした。気の合う仲間と作りたいものを作る――そんないい加減なことでいいのかよ!? そのくせ、足は彼らの仕事場に向かい、曖昧な会社生活をリセット、本格的に手伝うようになるのだが……。ミシンのリズムで刻む8ビートの三島賞受賞作!
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Posted by ブクログ
鈴木清剛さんの書く小説は好きなのです。
たとえ文章のリズムが肌にあわなくても、人称による視点にブレがあっても、好きなのです。
表現される以前にあるもの。完成された作品ではなくて、作者の目に映る世界の景色といったものが、(きっと錯覚も多いのだけど)ぼんやりと見えてくることがあって、同世代によるものなのか知らないのですが、とても共感できるのです。
文章を褒めなかったのは、私のわずかばかりの誠実さのためです。もちろん、個人による感想としてですが、うそはつきたくはなかったのです。
Posted by ブクログ
すっきりと嫌味のない表現で、それでいて独特で、共感しながら読めた。
人間には種類があって、学生時代の友達が、全然住む世界が違って見えたり、自分はどの世界の人間なのか考えたり、
分かる気がした。
物語は、結局、そういう若者の考えることの断片を切り取ったようなもの。短くて読後感が良い。
Posted by ブクログ
どこか溢れすぎていて、別のどこかが欠けている人たち
“こっち側”と“あっち側”
映画と違うのは登場人物たちのセリフがしんと染みこんでくるとこ
実はカツオが一番カッコイイと思ってる
Posted by ブクログ
思い立って再読。単行本としては1998年の発行。
サラリーマンをやめた健司とインディーズブランドを立ちあげた凌一たちとの交流がテーマ。
やはりとてもおもしろかった。矢沢あいの『ご近所物語』なども思い出した。
あとがきは映画監督の行定勲が書いていて『GO』のあとで映画化されていたことも知った。
さらっと読めます。文庫は362円と廉価。
Posted by ブクログ
昔、付き合っていた彼が読んでいたなあと思って、買ってみた本。そこまで期待はしていなかったけれど、なかなか面白かった。リーマンの不思議な休暇。インディーズブランドのお手伝い。
Posted by ブクログ
行き着く先がどこかも分からず、とりあえず、適当に進路決定、出発進行。行き当たりばったり、「そんなんでいいのかよ」と自問自答を繰り返してばっかり。堂々巡りの果てに、気が付いたら元の場所に戻ってきてる。「夢」を追いかける物語のようだけれど、夢よりももっと漠然としたものを掴みたいのかどうかも分からず、手探りだけとりあえずしてるような、どうしようもない物語。
Posted by ブクログ
印象に残らないが、読み終わるまで止まらない。
おもしろくなかったのかと、問われれば、おもしろかったと答えるだろう。
物語が体を駆け抜けていった。
Posted by ブクログ
自分が当初想いを固めていたものが、自分以外の他人と関わると、それを守ることに変わっていく。
ある意味人間的であり、それは個人的に否定的だ。
やりたい事があるなら、やりたいようにやればいいんだ。
どうなろうが、下ったとこにも道はあるんだから。
やった後に、あの道がよかったと思うなら、戻ればいいんだ。
でも、あの時、進んでいなければ、戻る道も出来ていないんだ。
Posted by ブクログ
20年ほど前に刊行されたことを考えると、作中の僚一の存在は、現在と比べて多少の違いがあるように感じます。
当時は、半端者でありながら多少の憧れを持たれつつパンクな存在としてまた、エキセントリックな存在として受け入れていられたと思いますが、
いまの時代は、半端者としてなんの価値も産み出すことのできず、自己嫌悪も自己責任も追わない時代の放浪者みたいな存在になってしまうのではないでしょうか?
刹那的な青春の断片、とあとがきでありましたがいい意味でも悪い意味でも、それ以上でもそれ以下でもない小説だと思いました。
タイトルは秀逸です。
Posted by ブクログ
高校の図書室で発見
タイトルもジャケットもかっこいーと思って読んだ。
ロックミシンは8ビートきざむような音がするからロックミシンっていうんだよというでたらめ言ってたけど、そこからタイトルのロックンロールミシンがきてると思ったらやっぱかっこいーって思ったw
かなり薄い本だった記憶が。
見てないけど映画にもなってたみたいね!
Posted by ブクログ
軽い感じで読める。
解説読む限り映画にもなってるのか…。
知らないなぁ。
二年目のサラリーマンが感じることなんて大体こんなもんなのかなという定番のお話。
でも場面の繋ぎ方で読後感は軽快。
三島賞受賞作。
Posted by ブクログ
読みやすい!!
でも別に「おもろい!!」「深い!!」とかではない。
読んだ後は、気が楽になる。
行定さんの解説?がよかった。
映画もっかい見ようかしら
Posted by ブクログ
わりといい学校を出て、スーツを着ながらコンピューターを華麗に操るプログラマー近田があるとき退社。
むかし親友だった、金髪ピアスにタトゥーも入っている遼一が、3人の仲間と立ち上げたインディーズのファッションブランドに巻き込まれていく。
近田の彼女ユミコや遼一の仲間の椿とカツオ。なんだかどこにも帰れない近田のさまざまな心理描写が、ミシンの刻む8ビートとともに入ってくる。
世界って何だろう。ひとつの世界で生きているけど、自分とは別の世界なんてあるのかないのかよくわからん。
世界の隙間で揺れ動いているような感じって誰にでもあるんだと思う。おれにはない。 けいた
Posted by ブクログ
入社二年目。
自分はこのままサラリーマンでいいのか。
まだまだ迷う。
インディーズブランドを立ち上げた友人を手伝うが、そこにも居場所を感じられず。
結局は自分は自分でいいのだと進んでいく。
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ジャケ買い(?)してしまった本。
映画にもなってるみたいですね。
すぐ読んでしまいます。
日常の話です。
夢をもってる人は読んでみるといいかも。
Posted by ブクログ
サウスケの2nd albumが発売されて、収録曲の「僕らの行方」のもととなったと聞いたので、買ってみた。
いろんなとこ探し回って、結局地元で、購入した。笑
Posted by ブクログ
行定勲の解説はこの作品のことをうまく言っているなあ、と感心。「この物語のもう一つの特徴は、「平行線をたどる」ところにある。最後まで何も変わらないし、始まらないし、終わらない。凌一、賢司、椿、カツオ、四人の人間関係も同じだ。言いたいことがあるのに言えない。好きなのに好きだといえない。椿は凌一のことを思っているのに、なぜか賢司に頼り、賢司はとっくに心の離れた恋人に別れを告げることさえできない。このダメな感じ、逃げる感じ、切ないようなもどかしい気持ち。」三島由紀夫賞受賞作ということで、そういう断片を期待して読んだら、どこにもなくってがっかりでした。