あらすじ
被害を拡大させた政府・東電・自治体の判断の誤りとは?メディアの誤解とは何か? いまなお続く避難・除染の本当の悲劇とは? 畑村委員長はじめ、政府事故調の中心メンバーだった3人の著者が、膨大な調査報告書をベースに、報告書に書けなかった独自の視点も入れ、事故の核心に迫る!! 原発再稼働、進まない除染の問題にも一石を投じる書。
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Posted by ブクログ
普段はこの手の本は読まないんだけど,やはり避けては通れないか,と.何が起こったか,を偏ることなく判りやすく解説してくれており,当時,新聞を毎朝読みながら,でも頭の中では全く整理のつけられなかった事故の進展が,よく理解できた.
第6章「福島事故の教訓をどう生かすか」については,著者らの私見によるところが大きいものの,除染や原発再稼働の問題も含めて極めて真っ当な内容である.
当時,菅首相の行動については世間では批判一辺倒だったのに対し,何故そこまで叩かれるのか,自分は理解できなかった.確かに最近の彼の行動を見ていると,そうなる原因を彼自身が作っているような気はするのだが,少なくとも事故対応については本書にもあるとおり,そんなにひどくはなかったのだろう.
何かがうまくいく,ということは,すべて綱渡り的であるんだろうな.事故や失敗は防げないので安全,安心はあり得ない状態で,危険から目を背けず,危険を危険として認めるところから始めなければならない,というのは全く正しいが,なかなか出来ないことだな.