【感想・ネタバレ】さぶのレビュー

あらすじ

小雨が靄のようにけぶる夕方、両国橋をさぶが泣きながら渡っていた。その後を追い、いたわり慰める栄二。江戸下町の経師屋、芳古堂に住みこむ同い年の職人、男前で器用な栄二と愚鈍だが誠実なさぶの、辛さを噛みしめ、心を分ちあって生きる、純粋でひたむきな愛と行動。やがておとずれる無実の罪という試練に立ち向う中で生れた、ひと筋の真実と友情を通じて、青年の精神史を描く。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

山本周五郎は初読。刺さった。

なんでタイトルが栄二ではないのか、解説を読んで少し納得。鈍臭いさぶではなく、日の当たるところにいた栄二が受難を克服し、人として成長していく物語であるからこそ読み応えがあった。
善良すぎるさぶにもいいことありますように。

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2025年10月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

五瓣の椿とこれは好きで何度も読み直しています。えーちゃんかっこいい。若くて青臭いところもまたいい。さぶは真面目で優しくて思いやりが深いところがいい。初読では最後のどんでん返しで驚きと感動を味わえます。ぜひ一度読んでみてください。

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2023年04月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

秀作。
時代物だけど、現代にも通じる人間劇。
出来すぎた人のいいさぶ。こんな人はありえない。少し前の価値観を感じる。多様化する今、若い人が読んでも良いと思うだろうか。

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2022年11月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

最初と最後で12年くらい経過してるんだけど、さぶが相変わらずで泣き笑い。表紙は最初の良いシーン、小雨の両国橋。この表紙もぐっとくるけど、私が読んだ文庫の表紙は(平成17年版)何と栄二がバーンと描かれてる。
検索してみて欲しい!タイトル「さぶ」なのに、栄二!もう栄二の話だし、表紙栄二やし、さぶはちょびちょびしか出てこないし(笑)でも題名が「さぶ」だからさぶが気になる。つっこみどころ満載のさぶ。途中、だまされたり、死んだりするんじゃないかとひやひやしながら読み終えた。
この栄二メインのカバー装画を担当した池上遼一さんは独断でさぶではなく栄二を描いたのだろうか。山本周五郎さんがOKしたのだとすると、それもすごい。
内容にもたくさん感想あるんだけど、長くなったのでこの辺で。

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2025年03月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

時代小説に苦手意識持ってたけど、読んでよかった。
栄ニタイプもさぶタイプも現代でも、生きてると損するのは、変わらずだな。
そしておすえタイプの女、昔からいたんだな。
栄ニとさぶの男の友情物語としては美しいけれども、そこに厄介な女が絡んでたんですね、という、そんな私の大敵みたいな女が絡んでて、おもしろかった。

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2022年04月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

そういえば……「山本周五郎賞」は良く聞くけど、山本周五郎さんの作品をちゃんと読んだことはなかったなー、と手に取る。
「赤ひげ~」の作者くらいにしか印象がありませんでした。
これもブグログでどなたかがお勧めされていた本。
紹介してくれた方々に感謝。

江戸時代。
一人前の職人になるために共に奉公をする英二とさぶ。
英二は男前で賢くて腕も度胸もあるが、対照的にさぶは見栄えも悪く愚鈍で小心で腕もパッとしない。
ある日、英二は得意先で盗人の濡れ衣を着せられ、怒りのあまりに暴れてしまい、人足寄場送りとなってしまう。そして……。

小難しく、説教臭い話なのかなと思いましたがそんなことはなく、とても読みやすくておもしろくて、ほとんど一気に読んでしまいました。
さすがは大衆文学。
最後は少し驚かされましたが、嫌な終わり方にならずに良かった。
 
タイトルは「さぶ」ですが本書の主人公は英二です。
英二の目を通して「さぶ」を表す、とかではなく、あくまで英二の物語であることに少々落胆しました。
なぜなら自分はどちらかと言えば「さぶ」側の人間だからです。
なぜタイトルを「さぶ」にしたんだろう?
そこに意味があったのだろうか。

ここからレビューを追加します。
あの場面をもう一度読みたいな。あそこはどうだったろう。と、パラパラ再読しました。
やっぱり名著。惹き込まれます。あとをひきます。
かなりのネタバレにもなるので、未読の方は絶対に読まないでください。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
解説にもあるとおりこれは、主人公英二の受難と再生の物語。その過酷な過程を通じて再生をはたした彼は、人間として厚みを増すこととなります。
 
英二は長く「この首にかけても」と復讐を誓い、そのことだけにとりつかれてしまうが、時が癒していきます。
人足寄場送りになった人たちとの交流が癒していきます。
英二は自分の才覚で人足寄場で中心的な存在となり、多くの人に慕われるほどになります。
そこにさぶの存在はありません。
しかし、人足寄場で事故に遭い、死にかけたときに彼が呼んだのはさぶでした。
「助けてくれ、さぶ」と。
「さぶ、助けてくれ」と。
普通であれば「おっかあ、助けて」とでも言うところでしょう。
幼いころに家族を火事で亡くした彼が最後の最後に呼んだ者は、さぶでした。
うすのろで、あほうで、能無しで、気が弱くて、英二も心の中でよく罵倒しているさぶです。
英二に対して異常なまでの献身ぶりをみせるさぶ。
彼の心の中ではさぶは、絶対に揺るがない味方。一本の太い柱となっているのでしょう。
英二の再生の手助けとなるのは先に述べたとおり、時と人足寄場で出会った人々です。
しかし、さぶというしっかりした足場があったればこそ、だったのではないでしょうか。
いずれは再生したとしても、少なくともさぶの存在が英二のそれを早めたのは間違いないでしょう。
 
わからないのは英二の妻となるおすえのことです。
よくもまあ……。
最後の最後まで秘密にできたものです。
彼女はじぶんのせいで過酷な目に遭う英二をどう見ていたのでしょう。
それでも、と願う女心なのでしょうか。
愛しい男を得るために、愛しい男を奈落へと落とし、口をつぐむ。
もしもそれで英二が再生をはたせずに的外れな復讐にはしり、火付けや、人を殺めてしまったりしたなら。
彼女はどうしていたのだろう。
そうはならずにほんとうに良かった。

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2022年01月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

不器用だけど実直でどこまでも優しいさぶと、イケメンで器用で賢い栄二の友情物語です。
無実の罪で拘留され、罪人が住まう人足場に送られた栄二が、さぶをはじめ様々な人と関わることで成長し、立ち直る姿が丁寧に描かれていました。
いくら賢くても、人は一人では生きてゆけないのです。
とてもいい話でほっこりしたけれど、最後、栄二の無実の罪にかかわった真犯人には驚きました。
私だったら許せる、かなあ・・・ちょっと納得できないかも。なので☆は減らしてしまった。。

話の中心、というか主人公は栄二だけど、タイトルはさぶ。なんかわかるな。

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2025年11月30日

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