あらすじ
幕府の御番医という栄達の道を歩むべく長崎遊学から戻った保本登は、小石川養生所の“赤ひげ”と呼ばれる医長新出去定に呼び出され、医員見習い勤務を命ぜられる。貧しく蒙昧な最下層の男女の中に埋もれる現実への幻滅から、登は事あるごとに赤ひげに反抗するが、赤ひげの一見乱暴な言動の底に脈打つ強靱な精神に次第に惹かれてゆく。傷ついた若き医生と師との魂のふれあいを描く快作。
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Posted by ブクログ
1964年発売
時代物だからではなく
少しも古くささを感じない。
それどころか
出てくる人々の人也が
今現在でも通じる
常識と情を持ち合わせており
少しの違和感も無い。
ページ的には少しも多くない本なのに
一人の若い医師がしっかりと
成長していく様が生き生きと書かれており、
鬼籍に入ってもなお
名の残る作家の表現力は
素晴らしいと改めて感動した。
Posted by ブクログ
新出去定先生は貧しい人を無償で診療するけれど、それが徒労だとわかっていてやっているところが本物だなと思うし、リアル。こういうことを続けている人は、人助けがそんなに簡単なことじゃないことをわかってやってると思う。
貧しい中で一家心中未遂を起こしてしまう人の「みんな生きて苦労しているのは見ていられても死にそうなのはどうして見ていられないのか。このまま生きていて生きる苦労が軽くなるというのか」というせりふ、世の中に色々な苦しみがあるのに見て見ぬふりで何もしない大勢に対する鋭い批判、つきささる。
慈善に対する色々な面を感じる作品だった。