あらすじ
中学教師苦沙弥先生の書斎に集まる明治の俗物紳士達の語る珍談・奇譚、小事件の数かずを、先生の家に迷いこんで飼われている猫の眼から風刺的に描いた、漱石最初の長編小説。江戸落語の笑いの文体と、英国の男性社交界の皮肉な雰囲気と、漱石の英文学の教養とが渾然一体となり、作者の饒舌の才能が遺憾なく発揮された、痛烈・愉快な文明批評の古典的快作である。
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Posted by ブクログ
読書中ながら感想文です。【内容】主人・苦沙味先生の友人に迷亭という人物がいます。迷亭はあたかもあったことのあるが如く嘘を言ったりする法螺吹きで、明るい性格で、暗い性格はありません。その迷亭が蕎麦の食い方が面白かったです。まずは蕎麦を一気に掬(すく)い上げて、麺汁(めんつゆ)に下の方だけつける。そしてそのままツルツル、っと喉に飲み込む。飽くまで飲み込むであって、くちゃくちゃ噛んでから飲み込むわけではないのです。マニアックな食べ方のもので、これが蕎麦の美味しい食べ方。迷亭はこれでむせてしまって、同じ食べ方を二度三度しませんでした。【感想】僕は蕎麦の食べ方を自分も試してみたい!と思いました。たしかに下痢になる恐れはありますよね。でも人が乙な(ちょっと変わっている)食べ方をしていると自分も乙な食べ方をしてみたい!とも思ったのです。僕は下痢になってもならなくても、試してみる価値はあるものやと思っていて、美味しい食べ方には食いつきたいとも思いました。ただ食事を済ますよりも、「ああ、一工夫した食べ方で、いつもとは違う味がした〜!」とも思いたいのです。更に言えば、人と会食した場合においても、この蕎麦の食べ方をしてみたいのです。それによってちょっと変わった人という意味で味のある人ともなるでしょう。