あらすじ
中学教師苦沙弥先生の書斎に集まる明治の俗物紳士達の語る珍談・奇譚、小事件の数かずを、先生の家に迷いこんで飼われている猫の眼から風刺的に描いた、漱石最初の長編小説。江戸落語の笑いの文体と、英国の男性社交界の皮肉な雰囲気と、漱石の英文学の教養とが渾然一体となり、作者の饒舌の才能が遺憾なく発揮された、痛烈・愉快な文明批評の古典的快作である。
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Posted by ブクログ
ずっと読んでたけど全然読み終わらなくて、結局1ヶ月くらいかかってしまった。
全体的にはコメディ調で、とんちの聞いた話が多い。笑った。
吾輩は猫であるが書かれた時代が丁度西洋化が結構進んでいたこともあってか、西洋化への批判も書かれていた。
西洋の思想は日本のこれまでの思想とは正反対だから受け入れ難いっていう意見は、福沢諭吉はじめこの時代のインテリはよく考えていたんだなあと思った。
もう西洋思想にどっぷり染まってしまった今だからこそ、従来の日本の考え方顧みることも大切だし、それを取り入れた方が生きやすくなりそうだ。
それに加えて個性の話もあった。私の考えがちょっと足りてないけど、今の個性ってどうなってるんだろうって考えた。
1番最後の話は心をえぐられた。
『坊っちゃん』を読んだ時も思ったけど、やっぱりチェーホフの『桜の園』みたいに、喜劇の皮を被った悲劇を描く。『吾輩は猫である』の最後も、悲劇といえば悲劇だけど、もしかするとそうではないのかも知れない。
最後の自殺の話。結局最後は自殺に帰結する。私もそう思う。夏目漱石も、こんな後ろ暗い考えを持っていたのは、ちょっと意外だった。『こころ』とかはそうかもしれないけど、イメージ的に、国民的な文学者だから、なんとなく。
その考えの先を描いた作品はあるのだろうか。
私にとって、その考えは真理でしかなかった。でも、人の文章でそれを観ると、悲しくなった。
1番最後の結末も悲しくて、うちの猫に顔を埋めて匂いを嗅いだ。
本人にとっては救済でも、はたから見れば悲しい。
はたから見れば喜劇的でも、本質は悲しい。
ぐちゃぐちゃで、よくわからない。
まだ人生経験が浅いから、わからない。これからずっと考えていくことなのかも知れない。
Posted by ブクログ
苦沙弥先生と彼の書斎に集まる迷亭、独仙、寒月、東風の会話がとにかく面白い。明治時代の作品であるというのに何度吹き出したことか。
近代化に向かっている明治日本、日露戦争の勝利に浮かれる日本を冷めた目でみている漱石の思い。
金権主義への批判、知識人(漱石)の孤独、個人主義への不安。
面白さの中に、そういった風潮への批判を訴えたこの作品。
さすが漱石です。
Posted by ブクログ
途中難しくて話についていけないところがあっても、ラスト付近の『呑気に見える人々も心の底を叩くとどこか悲しい音がする(曖昧)』の一文でとても切ない気持ちになる。
苦沙弥先生や寒月くんや迷亭さん、いつも楽しく盛り上がっててもそれぞれにそれぞれの人生で泣いたり悩んだりもしてるんだろうな。そしてその個人にしかわからない部分にはいくら仲良し同士で盛り上がってても、他人が入り込めない壁が、どうしても人間と人間の間にはあるよね、と思う。
とはいっても苦沙弥先生たちみんな面白くてあの雰囲気とても好きだし、猫の皮肉めいて見てるところも好き(笑)
夏目漱石氏の小説3冊しか読んだことないけど、これからもっと読んでみたくなった。