あらすじ
キリスト教が心なら、ハプスブルク家は背骨である。ヨーロッパの「宗家」ハプスブルク家の盛衰。王家の中の王家、超国家的な支配原理で陽の沈まない帝国を築いたハプスブルク家。カール5世、マリア・テレジア等の闘争と政略の700年を通しヨーロッパを考える。(講談社現代新書)
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Posted by ブクログ
世界史ではハプスブルグ家は、よく出てくるが、その系譜はわかっていなかった。
少し古い本なのかなと思っていたら、読みやすいし、わかりやすい。一通りではあるが、大筋が分かったような気がする。
ハプスブルグ展に行こうと思っていることもあり、もう少し勉強して理解を深めたい。
Posted by ブクログ
私にとって謎の一家、ハプスブルグ家について知りたいと思いこの本を選んだ。ついでによく一緒に語られる謎の集団、神聖ローマ帝国についての本「図説神聖ローマ帝国(河出出版書房)」も並行読みした。これは正解だった。おそらくこの本だけだと神聖ローマ帝国が謎過ぎてあまり理解できなかったと思う。2冊を同時に読むことによって中世からのヨーロッパ史がよく理解できた。ハプスブルグ家という内側から見ているので、この本を読むと宗教改革やフランス革命など歴史上の大事件を当事者感覚で味わう面白さがあった。また現在の東ヨーロッパ諸国の問題を理解する上でも興味深いことが多い。人物像などはかなり作者の主観が入っていて、公正な記述ではないように思われるものもあるが、素人でも読みやすい内容にはなっている。ただ、難しい熟語がぱらぱら見受けられ、「吝嗇家」「薨去」など読めないものもあり、もっと簡単な言葉で書けるだろうという不満はところどころあった。一家としてカトリックを信奉しながらも、戦争と結婚を巧みに折り合わせて、勢力を拡大し、そして歴史舞台から消えたハプスブルグの物語は映画「ゴッドファーザ」の国家版といった感があり、趣深い。