【感想・ネタバレ】奪われた集中力――もう一度〝じっくり〟考えるための方法のレビュー

あらすじ

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■今もっとも注目を集めるジャーナリストの一人、ヨハン・ハリの邦訳最新作
「薬物と依存症」「うつ病と不安症」に続き、現代最大の「文明病」に挑む

■世界100万部、隣国韓国で25万部の大ベストセラー
豊かな時間を取り戻したい、すべての人の必読書

以前に比べて仕事も読書も集中できない。
でも、スマホは片時も手放せない。
――なぜ、こんなことになってしまったのか?

現代人全員が、何かしら頭を悩ませている「集中力の喪失」はなぜ生じているのか?
世界各地の専門家や研究者250人以上に取材し明らかになったのは、私たちの集中力はただ失われたのではなく「奪われ」ていること、そして必要なのは個人的な努力にとどまらず、社会全体で「取り戻す」取り組みであるということだった。

仕事ではマルチタスクに追い立てられ、休日はSNSとショート動画に費やしてしまう、だけど本当はじっくり集中して、豊かな人生を取り戻したい、すべての人の必読書。

■社会全体の注意力が危機にさらされていることについて、ヨハン以上に深く、包括的に考えている人をほかに知らない。……本書を手に取り、腰を落ち着けて、集中して読んでほしい。 ――ナオミ・クライン(『ショック・ドクトリン』著者)
『ニューヨーク・タイムズ』ベストセラー、『フィナンシャル・タイムズ』『ニューヨーク・ポスト』ほか各紙の「ベスト・ブック・オブ・ザ・イヤー」に選出!

【目次】
イントロダクション メンフィスを歩く
第1章 原因1――速度、スイッチング、フィルタリングの増加
第2章 原因2――フロー状態のマヒ
第3章 原因3――身体的・精神的疲労の増加
第4章 原因4――持続的な読書の崩壊
第5章 原因5――マインド・ワンダリングの混乱
第6章 原因6――あなたを追跡して操作する技術の台頭(その1)
第7章 原因6―あなたを追跡して操作する技術の台頭(その2)
第8章 原因7―残酷な楽観主義の台頭
第9章 もっと深い解決策の最初のひらめき
第10章 原因8――ストレスの急増と、過覚醒を引き起こす仕組み
第11章 素早い対応が求められて疲弊する――これを逆転させる方法を思いついた職場
第12章 原因9・10――食生活の乱れと汚染の悪化
第13章 原因11――ADHDの増加と向き合い方
第14章 原因12――子どもの監禁(肉体的にも精神的にも)
結論 アテンション・リベリオン(注意力の反乱)
注意力を向上させるための取り組みをすでに始めている団体
謝辞/原注/訳者あとがき

【著者プロフィール】
ヨハン・ハリ (Johann Hari)(著)
1979年生まれ。英国出身のジャーナリストで、世界的ベストセラー作家。これまでの著書は38の言語に翻訳されている。最初の著書『麻薬と人間 100年の物語』(邦訳、作品社、2021)をもとにした映画『ザ・ユナイテッド・ステイツ vs. ビリー・ホリデイ』はゴールデングローブ賞(ドラマ部門)主演女優賞を受賞し、アカデミー賞主演女優賞にもノミネートされた。第二作『うつ病 隠された真実』(邦訳、作品社、2024)も話題を呼び、『ニューヨーク・タイムズ』『サンデー・タイムズ』のベストセラーに選ばれた。「依存症とうつ病」をテーマにしたTEDトークの動画は8000 万回以上再生されている。「肥満と痩せ薬」を扱った次作『Magic Pill』も作品社から刊行予定。

福井昌子 (ふくい・しょうこ)(訳)
大学卒業後、企業勤務等を経て、現在翻訳家。訳書として『7つの安いモノから見る世界の歴史』、『アダルトグッズの文化史』、『麻薬と人間 100 年の物語』、『値段と価値』、『オルガスムの科学』(以上、作品社)、『子どもの権利ってなあに』(エルクラブ)、『植民地朝鮮における日本の同化政策』(クオン)、『ヘイトクライムと修復的司法』(明石書店)、『相互扶助の経済』(みすず書房)、『ライス回顧録』(集英社、共訳)、『彼女はなぜ「それ」を選ぶのか?』(早川書房)などがある。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

ネットで結構話題になっていたので買ってみたり。
何というか、こういう内容が話題になる時点で「集中できない」というのは多くの人が抱える課題なんだろうなぁ、とか。(もちろん僕もそんな一人だが…)

社会構造、SNS、仕事の在り方…。
ありとあらゆるものが、「ニード(需要)/スピード(速さ)/グリード(欲望)」のサイクルを加速させようとする。成長と消費は兄弟だからだ。
だから可能な限り、その消費社会から距離を置いて、自分の大切なものを見つめなおすしかないんだけど、それが果たして出来る人間がどれだけいるのだろう…という。

僕もここ5年くらいで急に集中できなくなり、(他人よりはマシだと思うけど)どうしたもんかなーとか思っていたけど、やはり個人で出来るのは一歩一歩集中できる環境に自分を置いていくしかないよなぁ。
逆に言えばそれが個人の限界で、どこかで団結することが必要…というのはまぁ真理だね。ただそれがどれだけ難しいか…という話なんだけど。

0
2025年12月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

集中力を失っているのは個人の責任ではなく、環境により奪われている。
ダイエットしたくても、ジャンクフードで溢れている環境ではダイエットに苦労するように、
アプリを開発する会社は、そのアプリが閉じないように開発を進めており、その術中にハマってしまっている。
また、スマホだけでなく、ストレスによる影響についても記載、


まずは、PC側outlookの通知機能を切りました。

0
2025年12月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

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ほとんどの人が、典型的な一日のうちの一時間で、一度も邪魔されずに仕事ができることはないという。

こうした状態が何ヶ月も続くと、自分が何者で何をしたいのかを理解する能力が混乱に陥ってしまう。人生で何をしたいのかがわからなくなってしまうのだ。19
――――――――――――――――――――――――――――――
ぼくは友人たちと、「ワイヤード」という言葉が持つ二つの意味について話しあった。これには、躁、つまり精神的に興奮している状態という意味と、ネットにつながっている状態という二つの意味がある。

ぼくには、この二つの定義が結びついて対になっているように思えた。ぼくは「ワイヤード」でいることにうんざりしていた。22
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人は自分が自由であり、自ら選択をして、何に注意を払うかを選択する複雑な知力を持っていると信じている――だが、それはすべて神話に過ぎない。

あなたとあなたの集中力は、人生で経験したすべての強化[学習あるいは条件付けを通じて反応を維持し、強めること]の総和でしかない。62
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ぼくらは、自分が接する声の質感を内面化するものだ。

どのテクノロジーを使うのか、注意することだ。時間の経過とともに、自分の意識がそのテクノロジーと同じようになってしまうからだ。100
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元グーグルエンジニアのジェームズ・ウィリアムズは、何百人もの一流の技術設計者の聴衆を前に、簡単な質問をした。「みなさんが設計している世界に住みたい人は何人いますか?」。会場は静まり返っていた。聴衆は周りを見回した。誰も手を挙げなかった。135
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画面から離れて友だちや家族と会うことを提案するボタンのない理由がわかる。そういう機能は、ぼくらが最大限画面を見ているようにする代わりに、誰かと直接会う時間を最大化するだろうからだ。140

やつらはぼくらの気を散らせる必要がある。よりたくさん稼ぐために。141
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本当に議論しなければならないことは、どのようなテクノロジーが、どのような目的で、誰の利益のために設計されたのかについてだ。143
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もしたくさんの人が怒って長い時間を過ごしているとしたら、文化が変わり始める。

そうなると、トリスタンがぼくに言ったように「憎しみが習慣になってしまう」。145
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仕事や人間関係から切り離されて、リツイートという甘い当たりくじを求めるようになってしまうのだ。147
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トリスタンは、ぼくらが目にしているのは「人間の集団的ダウングレードと仕組みのアップグレード」だと考えている。156
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多分誰でも経験があると思われる資本主義の代替となるあり方は、サブスクリプションだ。174
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企業が既存の消費者を説得して消費量を増やすことである。もっとたくさん食べてもらうとか、睡眠時間を削らせることができれば、経済成長の源泉を見つけたことになる。今日の経済成長は主にこの二つ目の選択肢によるものだと彼は考えている。

新しい市場がない限り、同じ時間でぼくらにより多くのことをさせなければならないのだ。

もしすべての人が脳と身体が必要とするだけ睡眠をとる生活に戻ったら、「経済システムに激震が走ることになる。だって、このシステムは睡眠不足の人びとによって成り立っているんだから。」302
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アテンション・エコノミー129
監視資本主義140
ネガティビティ・バイアス145
過覚醒193
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2025年11月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

・感想
多くの現代人が集中力を失ってしまったと自認している現代。
その原因には何があるのか?そして失った集中力を取り戻すための方法などを分析し、今できる解決策を提示する本。

集中力が失われているのはそれが「奪われている」からであり、では一体何がどの目的のために奪っているのか?と言う
切り口から様々な文献を紹介しつつ対策を提示している。
結局は社会や大企業相手になるので個人で出来ることは限られている。
でもそうなると国家権力による「規制」でしか対処できない。

私は国家からの干渉、規制は必要最小限であるべきだというややリバタリアン傾向のある思想の持ち主なので、作者の統制主義的な考えにはあまり賛同できないんだよなー。
野放しにしている現状を憂慮する気持ちもわからんでもないけど…。
後半は気候問題の話になってるし、基本的に作者はこのまま資本主義で突き進むことは人類や地球に悪影響なので「脱成長」しましょう、と言うことなのかな?と受け取った。

わからんでもない。

大企業が利益のために消費者の「可処分時間」を取り合っているのは当然理解できるけど、でもそれは企業だけじゃない。
SNS特にショート動画なんて広告収入目当てに貧民同士がお互いを食い合ってる状況だと思ってる。
「奪う側」にまわらないと「負け」てしまう。

高価なものを身につけて、高価な場所で遊んで、美しい外見を手に入れて有象無象のニンゲンから羨望の目で見られるためには何はなくとも「カネ」が必要になってくる。
カネを手に入れるには資本主義の生み出したシステムに全力で乗っかるのが手っ取り早い。
そのくそくだらないモノでしか満たせない自尊心、自己肯定感をまず捨て去った方がいい気もするけどそれも難しいだろうな。

加速主義とまではいかないけど、突き進んだ先も見てみたいなと言う気持ちもあるわ。

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2026年10月09日

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