あらすじ
日常の生活、風俗習慣から、民話、伝説にいたるまで、近代国家への途上にある日本の忘れられた側面を掘り起して、古い、美しい、霊的なものを求めつづけた小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)。彼は、来日後、帰化して骨を埋めるまで、鋭い洞察力と情緒ゆたかな才筆とで、日本を広く世界に紹介した。本書には、「影」「骨董」「怪談」などの作品集より、代表作を新編集、新訳で収録した。
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Posted by ブクログ
作者である小泉八雲先生が残した作品集から選び抜かれた作品がまとめられた今作。日本の19世紀の日常の生活や民族習慣、民話や伝説さらには怪談など様々なものが描かれている。
怪談話には、聞いたこともある話がたくさんあり、そのモチーフや最初になった作品なのかな、とも思えた。
また、「日本人の微笑」はとっても興味深い作品であった。これは、小泉八雲が感じた日本の習慣や良いところ、国民性を描いているエッセイみたいなものだった。その中で欧米の価値観である人権の意識や資本主義が導入されると日本人の伝統的な価値観が失われ、貧者への圧倒的な義務を課す社会となるだろう、と予言しており、実際にそのような社会になっている今の日本を鑑みると、ほんとにすごい洞察力をもった作者なのであろう。
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和解 京都
衝立の女
死骸にまたがる男 大宿直村(おおとのい)
弁天の同情 京都 大通寺
鮫人の恩返し 近江の国石山寺 瀬田の長橋 三井寺
守られた約束 播磨の国加古の村 富田城
破られた約束
果心居士のはなし 信長 清水寺 近江八景
梅津忠兵衛のはなし 出羽の国横手
漂流 焼津新屋地区 紀州の九鬼 荒坂 金毘羅さま 小川の地蔵さま
骨董 伯耆の国黒坂村 幽霊滝
茶碗の中 江戸本郷の白山
常識 愛宕山
生霊 江戸の霊岸島
死霊 越前の国
おかめのはなし 土佐の国 名越
蝿のはなし 京都島原街道寺町通
雉のはなし 尾州の国遠山の里
忠五郎のはなし 江戸の小石川
土地の風習 九州
草ひばり こおろぎ
耳なし芳一のはなし 下関海峡 赤間が関
おしどり 陸奥の国田村の郷 赤沼
お貞のはなし 越後の国新潟の町 伊香保
乳母ざくら 伊予の国温泉郡の朝美村 西芳寺
かけひき
食人鬼 美濃の国
むじな 東京の赤坂通り紀ノ国坂
ろくろ首 甲斐の国 信濃の諏訪
葬られた秘密 丹波の国
雪おんな 武蔵の国
青柳のはなし 越前の国
十六ざくら 伊予の国和気郡
安芸之助の夢 大和国の十市
力ばか
鏡の乙女 南伊勢の大河内明神 信州の鳥井の池
弘法大師の書 高雄山 五台山 美福門 皇嘉門
心中 灘町 妙興寺
日本人の微笑
赤い婚礼
停車場にて 福岡相撲町 熊本
門づけ
ハル
きみ子
人形の墓
悪因縁 江戸牛込 新幡随院の墓地
因果ばなし
焼津にて