あらすじ
日常の生活、風俗習慣から、民話、伝説にいたるまで、近代国家への途上にある日本の忘れられた側面を掘り起して、古い、美しい、霊的なものを求めつづけた小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)。彼は、来日後、帰化して骨を埋めるまで、鋭い洞察力と情緒ゆたかな才筆とで、日本を広く世界に紹介した。本書には、「影」「骨董」「怪談」などの作品集より、代表作を新編集、新訳で収録した。
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小泉八雲といえば、怪談話の蒐集だけが有名ではあるが、実はそれが総てではない。此処に紹介されている話の多くは「怪談」ともいえない「ちょっと不思議な話」が多くある。
江戸時代。蔦屋重三郎の耕書堂の店先に展示されている本の数を、絵やドラマなどで確かめると、せいぜい20種類にも満たない。毎月様変わりして行ったとしても、せいぜい100作ぐらいが毎年の刊行著作だったろう。
そのうち、黄表紙滑稽本以外の著作はどれくらいあったのだろうか。
人は常に物語を欲している動物である。
ちょっと怖いけど、なんかスッキリしない、なんか悲しい、なんか心があったまる、なんか腹立たしい、そんな話を聞いて、人はなんか心を整えていったのだろう。人伝に聴いてきた「物語」が、耕書堂の店先の「外」に、無数にあった、はずである。
小泉八雲は、それを蒐集した。
本書は『影』『日本雑記』『骨董』『怪談』『天の川物語その他』『知られぬ日本の面影』『東の国より』『心』「仏陀の国の落穂』『霊の日本にて』から小説とエッセイにわけて刊行順に従って幾つかを載せている。『知られぬー』からがエッセイである。エッセイと言いながら、不思議話に絞って編集されているようだ。全48篇。全て外国で刊行された。
ひとつひとつがとても興味深く、
ひとつひとつにコメントしていると、
恐ろしく長文になる。
でも、幾つかはコメントしたくて堪らない。
以下は私のメモのようなものである(長文ごめんなさい)。
「鮫人の恩返し」(『影』)
琵琶湖の辺り。男が、竜宮でヘマをして追われた鮫人を保護した。男は女人に懸想し、大金が必要になった。その事を話すと、鮫人はサメザメと泣き涙が宝石となった。男は喜び、もっと泣けという。鮫人は怒らず、浜辺に連れていってもらい故郷を懐かしみ泣くと、竜宮から迎えがきた。鮫人は喜び帰り、男も妻を娶った。
⸺丹後に近い近江国の話ではあるが、あの有名な浦島噺とも違う。浦島別バージョン?道徳的な教訓はあまりない。物事には原因があり、結果があるということは納得する。
「守られた約束」(『日本雑記』)
⸺死んで約束を守るという話のひとつ。出雲国の話で、歴史上人物がウヨウヨ出てくる。悪名高い経久が、実は「その人は無法で残忍な男であったが、他人の誠実を愛する心には敬意を忘れなかった」と文中で評価されている。その記述だけで、いろいろ考えさせる。こんなん、長編でないと、やっちゃいけない物語でしょ。
「破られた約束」(『日本雑記』)
⸺これはかなり怖い怪談話。しかも何故か寝取られた女は、男ではなく罪のない女の方へ向かうという法則にさえ則っている。最後の一言が効いている。
「梅津忠兵衛の話」(『日本雑記』)
⸺不思議な話。最後の1行。「この物語の書かれた当時、(その男の子孫は)まだ出羽国に生きていた」。遠野物語に似た、人伝噺がなんと多かったことか。
「幽霊滝の伝説」(『骨董』)
⸺なんと言っても最後の1行の衝撃!!教訓噺といえばそうなのだけど、その報いならば余りにも酷い。聴いた人たちは、そのように囁きあったことだろう。けれども、世の中には、こういう話がままあるのだ。
「茶碗の中」(『骨董』)
⸺八雲は古い読み本の中に、小径の先の絶壁のように途中切れの作品を発見する。それを紹介した。そのこと自体が、いろんな想像を膨らませてくれた。
「常識」(『骨董』)
⸺珍しく「謎解きミステリ」である。
「生霊」(『骨董』)
⸺生き霊の存在を、江戸時代(つい最近!)の商家の手代も主人も生き霊当人さえも、当然のように信じている。千年近く信じられていたのならば、どうして現代は信じられていないのだろう。それとも、形を変えて、現代も信じられているのだろうか。
「死霊」(『骨董』)
越前代官が死んだ後、部下が共謀し代官が不正をして藩の財を獲ったと虚偽の報告をした。突然女中に代官の霊が乗り移り、全てが明らかになる。
⸺全くもって怖くない話である。スカッとする話である。「(女中は終わると)2日2晩、死んだように彼女は眠った(取り憑いていたものが離れると、取り憑かれた者にひどい疲労と深い眠りが襲ってくるのである)」と、八雲は解説している。とっても親切。
「雉子のはなし」(『骨董』)
⸺全くもって理解不能な話。夫婦のうち、男も突然サイコパスになるし、女の行動はヒステリックだし、地頭の判断は頭の良い判断とは思えない。また、これが「物語」として成立しているのが理解できない。
「土地の風習」(『骨董』)
⸺これは、「怪しいことは疑ってかかる」知り合いの禅僧から聞いたとして、書かれている。実際に八雲が聞いたのかどうかはわからない。旺盛に八雲は聞き込みしていたし、極めて短文だし、聞いたのは事実なような気がする。だとすると、ゾゾゾゾとするのである。
「草ひばり」(『骨董』)
草ひばりという、鈴虫に似た虫が死んだ。女中がサボって餌を与えなかったからである。大きさは、蚊ほど。値段は12セント(現代貨幣価値千円)。
⸺これ、創作なのか?事実のようにも思えるが、蚊のような鈴虫がいるとは思えない(調べたら本当にいた!)。まるで、古代からの記憶をなぞるような恋歌を毎夜奏でるらしい。最期は自分の脚を齧ってまで歌を歌っていたらしい。小説集と思っていたのだが、最後にこの話で締めるのが凄い。
「耳なし芳一のはなし」(『怪談』)
⸺この話は有名だし、『怪談』も有名なので、あまりコメントしたくないのではあるが、実はこの秋から冬にかけて、眠る前の愉しみにて「芳一」を3回もaudibleで聴いてしまった。
今回「原作?」を初めて全部聴いて、少しも怖くないことに気がついた。何故なんだろう。とつらつら考えるに、芳一が最初から最後まで、ひとつも怖がっていないし、ひとつも不幸になっていないからだろう。「平家物語」の唄と楽曲を、最も聴いて欲しい人々に演奏できて、涙と喝采を貰っていたのだし、耳をちぎられても、彼は結局一言も痛いとは言っていない。しかも耳が聞こえなくなったわけではなかった。しかも、彼の名声は、このことより更に高まった、そして金持ちになったと末尾に書かれることになった。琵琶法師として、此処までの名誉なことがあろうか。
実は、最も哀れなのは、最後まで聴くことができなかった、平家のお歴々(幽霊)だったのだろうと思うのである。
ただ、危険が迫っているのに、無責任にも寺をあけ、尚且つ最後耳に念仏を弟子が書き忘れているところを点検さえできなかった御住職の最終盤の「かわいそうに、芳一」「かわいそうに、かわいそうに、芳一!」という畳み掛ける言葉のみの謝罪が、結局は芳一を有名金持ちにしたのだから、世の中皮肉なものである。
「お貞のはなし」(『怪談』)
⸺このはなしが『怪談』に入っていたのか!6割方は、佐藤正午「月の満ち欠け」。いや、佐藤正午が八雲の話を参考にしたのか?恋する女の生まれ変わりの話である。佐藤正午の場合、たくさんの「仕掛け」を入れ込んだけど、八雲の話は至極単純。でも最後は大きく違った。めでたく結婚できたら、女は全てを忘れてしまったのである。
「むじな」(『怪談』)
⸺『怪談』は有名話ばかしと思っていたら、この題名は知らなかった。読んでゆくと「のっぺらぼう」だった。なあんだ、よく知ってる。ところが、これが東京赤坂通りの紀ノ国坂の話であることを「原作」読んで初めて知った。ラストは勿論蕎麦屋の主人のアレであるが、最後の一文は知らなかった。原作は読んでみるもんだ。
「力ばか」(『怪談』)
⸺『怪談』は短文の話こそ、良いものがあるような気がする。この「りき」という、頭の巡りが悪い男は八雲の近所にいたらしい。蚊帳を焼いて自宅を一軒燃やした時も近所の人達は力に親切だったらしい。暫く見ないでいると、力は死んだらしい。その後のことは何処から創作なのか。兎も角、悲しい終わり方である。
「鏡の乙女」(『天の川物語その他』)
⸺ここに出てくる鏡が興味深い。基本、井戸から鏡が出てくるのは珍しくはない。その謂れを明らかにするのは難しい。
よって、物語にして無理質理説明したのだろうが、一応筋が通っているのが興味深い。
即ち、奈良時代、百済制作の鏡であり、斉明天皇から代々受け継がれ、平安時代保元の乱で井戸に落とされたという。多分本当は、平安時代の渇水を鎮めるための祀りのために献納された可能性の方が高いだろうが、室町時代のこの頃ではそういう謂れはなくなっていたのだろう。ただ、鏡自体は、この頃でも未だ霊験新かな力を持っており、洪水を予見したりするのもそのひとつ。
そういう謂れの文書が300年経って、八雲のもとに届いたのだと思うと感慨深いものがある。
「弘法大師の書」(『知られぬ日本の面影』)
⸺所謂、弘法大師伝説の聞書である。というわけで、この『面影』からはエッセイではあるが、編者の意図は未だ『怪談』の続きを紹介しているのかもしれない。面白いのは、この話をしてくれたのが真鍋晃(「ばけばけ」では吉沢亮が演じている)であること。彼を「友人」と言っている。因みに、『面影』は、ハーンが八雲になる前に書かれた初めての日本についての著作である。因みに、『面影』は一冊の本として別に買っているので、これ以上はコメントしない。
「駐車場にて」(『心』)
巡査を殺して脱走した犯人が捕まり、熊本駅に護送されるを聞いた八雲はそれを見物する群衆の1人となった。八雲は衆人暴動や犯人が暴れることさえ予想していたが、意外なことが起きる。捕まえた巡査が、殺された巡査の幼な子に犯人の顔を見せたのである。幼な子は泣きじゃくる。そして犯人は泣いて子供に謝った。そして、衆人も巡査も泣いた。ここに、八雲は「日本の魂」を見たのである。
⸺「すべてを理解し、すべてのことに感動し、悔恨と恥じらいに満足し、人生の困難と人間性の弱さとをすなおに深く経験しているがゆえに、怒りではなく、ただ罪に対する大きな悲しみを抱いている大衆がいたのである」
八雲は、幼児だからあり得たことだと分析する。そして、そういう日本人は外国人と違うと言ってくれた。そして、そういう日本人を愛してくれた。
「哀れ」というキーワードや、日本人の判官贔屓という性格を知ってか知らずか、私は八雲の分析はとっても鋭いと思う。現代ではこういうことは起こり得ないけど、怒りで炎上している大衆が、一転もし変化するとしたら、やはりこういう事に似た場面に遭遇する時ではないだろうか?もしかしたら、最近では、その典型例が兵庫県知事選挙だったのかもしれない。しかし、それは不幸な典型例だった。
そして体験に基づいたエッセイであっても、極めてドラマチックに筆を進める八雲の文は凄いと思うのである。
「人形の墓」(『仏陀の国の落穂』)
⸺八雲の家に住み込んでいた子守の身上話らしい。4人の兄弟を残して、両親が一年のうちに亡くなる。その時はもうひとつ「人形の墓」を建てなければもう1人亡くなると信じられているという。しかし結局、金が無くて建てなかった。実際に、そうやって大黒柱の兄を亡くし、そして家は絶えたらしい。その後、八雲がその娘(11歳)にしたことは、なんと優しいことか。是非、これは朝ドラでもやってほしい。
⸺⸺八雲は松江に1年と8ヶ月だけ居た。寒気のため生来の弱視がますます悪化することを恐れたらしい。勧められて熊本に移転。しかし、これは失敗だった。案外寒く、気風が荒く、外国人慣れしていて敬意が払われなかったからか?と解説者は考える。もう一つは、ちょうど松江に着いた頃(明治23)、教育勅語発布年、22年は明治憲法発布年だった。自由民権は後景にいき、排他的な国権主義へ移行しつつあったと解説者は言う。そして、神戸へ、そして東京へ。そして旺盛な著作を毎年ものにするのである。
熊本にあった漱石邸はお屋敷であるが、八雲邸は日本に一般的にある小さなあずま屋だったと、2年前熊本に行ったとき私は見た。
八雲はさまざまな日本に移り住み、多くの場所へ(倉敷にも来ている!)旅をした。そして、日本のことを常に褒めた。今や、彼の見た日本は滅んだ、彼の言は誉めすぎだ、という人が多くいるらしい。
しかし、私はざっと読んだだけだが、彼の描き出した日本は未だ残っているし、誉めすぎとも思えなかったのである。
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朝ドラばけばけ、楽しんでいます。
八雲の怪談はとても切なく、そして、日本人らしく、もしくはそれ以上に日本の情緒を細やかに表現されており、とても美しいと感じました。
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小泉八雲が外国人だったと最近になって知った。
内容は日本なのに文体が訳書なところが、「外国人が日本を舞台にして作ったゲームに感じる違和感」に似て趣があるというか、独特で面白い。
私は「茶碗の中」が特に好き。
ミステリー的な面白さがありながら、丁度続きが気になるところで尻切れ蜻蛉…前につんのめるような感覚。茶碗の中の男が何者なのか、何が目的なのか…何も分からないまま。
今の時代「分からなさ」を「分からなさ」のままにしておくことはあまり歓迎されず、明快であることが大きな価値基準とされている。それはそれで良いのだが、こういった「どうにも消化できない澱」というのは忘れ難く好ましい。
電灯の届かない不気味な暗渠をまざまざと見せつけられる機会は、現代において貴重なものだと思う。
もちろんあの続きを自由に空想するのも面白い。
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作者である小泉八雲先生が残した作品集から選び抜かれた作品がまとめられた今作。日本の19世紀の日常の生活や民族習慣、民話や伝説さらには怪談など様々なものが描かれている。
怪談話には、聞いたこともある話がたくさんあり、そのモチーフや最初になった作品なのかな、とも思えた。
また、「日本人の微笑」はとっても興味深い作品であった。これは、小泉八雲が感じた日本の習慣や良いところ、国民性を描いているエッセイみたいなものだった。その中で欧米の価値観である人権の意識や資本主義が導入されると日本人の伝統的な価値観が失われ、貧者への圧倒的な義務を課す社会となるだろう、と予言しており、実際にそのような社会になっている今の日本を鑑みると、ほんとにすごい洞察力をもった作者なのであろう。
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何度読み返しても素晴らしい。上田和夫の訳も好きだ。「影」「日本雑記」「怪談」などの短編集から選ばれた作品集である。英国人だった八雲は妻の節子から怪談話を聞き、それを英文の本にまとめた。その意味で彼は小説家ではなく翻訳家であって、ほとんどの話に出典があり、他の作家の話を文章に書き起こしているものも多い。有名な「耳なし芳一の話」も元ネタはあるが、似た話は西日本に多く残る昔話で柳田國男は徳島の「耳切り団一」の話として書いていた。私が好きな話は、未完で終わるが故に謎と恐怖が最高潮のままで余韻を残す「茶碗の中」と微笑む日本人の謎について語るエッセイ「日本人の微笑」でしょうか。
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怪談だけではなく、外国人から見た日本人についての考察も書かれており興味深かった。〝日本人の微笑〟を読み、現在の日本人を見て彼は何を思うだろうか?と…。
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怪談話と日本論、48の話しをまとめた1冊。
怪談話では「耳なし芳一」、「雪女」など1度は聞いたことのある話が多数存在。
日本論では作者の古き日本に対する鋭い考察と共に良し悪し含め、日本への深い愛情を感じられる。
現代の日本が昔に置いてきてしまった古き日本への哀愁を掻き立てられる。
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古き良き日本を記録した八雲の業績の素晴らしさを実感した。江戸の人々は狐狸妖怪と隣り合って生きていた。そして、八百万の神々とも生きていた。前半は、不可思議な出来事に畏敬の念を抱いて語り継がれた話。有名な「耳なし芳一」が八雲によって保存されたことを再認識した。『日本人の微笑』の中で引用された鳥尾子爵の論文は、今の日本人に忘れられた、日本人のあるべき姿のような気がしてならない。編集の妙もあろう。結びの『焼津にて』は、八雲の言わんとしていることが凝縮されていたように感じた。機会を作って八雲の作品を読もうと思う。
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有名なお話から、そうでないお話まで網羅らされている。
アイルランド出身とは思えないほどの堪能な日本語ではある(訳者が実に上手い)が、ベースはやはりヨーロッパ人だなと思われる記述が見られる。
個人的には作品の真ん中ぐらいの278ページ「心中」あたりから、 ラフカディオハーンならではの感想が入ってくるのが、非常に面白く感じる。
それまでは、忠実に昔話を再現しているが、ハーン自身の心情も組み込まれている。
とくに『日本人の微笑』におけるイギリス人と日本人の比較は、当時の日本人がどういう存在であるかを知ることができる貴重な資料のようにも感じる。
日本人として生き、日本の中にいると、当たり前のように感じてしまい、流してしまうものをあえて取り出し、それに対して追求する姿が、読み物としてもとても面白い。
まるで「電信柱がある」のが普通になっている日本人からすると、指摘されて気がつくところにも似ている。
とはいえ、色々な話を集めているので、そちらがメインとなる。
短い文章の中での展開の速さと、簡潔な言い回しが、小説を創作する上での理想的なテンプレートになるような展開の仕方であった。
英語で書かれたものを翻訳した場合、これだけスタイリッシュに余計なものを省き、さりとて、その状況が浮かぶような表現の仕方というものは、決してできなかったであろうと思われる。
と思っていたのだが、実際に書かれていたのは、英語だったらしい。
この訳している上田和夫氏も相当な方でなければ、この表現はできないだろう。
その意味では小泉八雲として、口頭伝承として伝えられ、消えてなくなりそうな日本の物語たちに、改めて息を吹き込んで下さったこと。
翻訳にありがちな、ぎこちなさを、一切感じさせなかった上田和夫氏に対して、 心からの感謝を述べたい。
理性的な合理主義な世の中にあって、何とも不思議な一見、原因結果の繋がらないような世界がある。
その世界においても、全くの無秩序ではなく、怨恨、約束の裏切りなど、一定の法則が描かれる時「一切、関係が無い!」「そんなのは妄想だ!」と、簡単には切り捨てられない霊魂の世界を自然と感じさせる。
全てが単なる空想で妄想でありもしないことであれば、これだけ伝承として残ることはなかったであろう。
何かしら、そうした事件が起こらなければ、実際に言い伝えられることがないからである。
アニメ『日本昔話』を改めてしっかりと見たくなった。
Posted by ブクログ
小泉八雲文学忌、八雲忌
さてと、今年の新潮文庫の100冊に何故か
小泉八雲集。
きちんと分類された短編集で、久しぶり再読の短編もあり、全くの未読も多々あり。
印象的な作品は、日本人の微笑について書かれたもの。決して、日本人の微笑を卑下することなく
悲しみも微笑で表す繊細な状況を理解している。
せっかくなので、再読しなくて良いように覚書多めとなりました。
「影」1900年(明治33年)
今昔物語や御伽百物語に題材をとる。
⚪︎和解(京都)
困窮した若侍は妻を捨て、新たな妻と伝地へ向かう。やがて別れて戻ると、そこは屍の家となっていた。
⚪︎衝立の乙女(京都)
恋い慕った衝立の絵の女が、現実にやって来る。
⚪︎死骸にまたがる男
離縁された男の復讐心により、死んで待ち受ける女。陰陽師の指示は「死骸にまたがること」であった。
⚪︎弁天の同情(京都・大通寺弁天堂)
良縁を願う女のため、弁天の導きで生霊との邂逅が起こる。
⚪︎鮫人の恩返し(近江の国)
鮫人を助けた者は、涙の宝石による恩返しを受ける。
「日本雑記」1901年(明治34年)
奇談集。『雨月物語』や仏教百科全書、『夜恋鬼談』などを題材とする。
⚪︎守られた約束 播磨国
義弟とともに出雲の国へ帰ることを約した男。
果たせぬまま切腹し、霊となって約束を守る。
“男心と秋の空”という表現があり、女心よりも古い用法であったらしい。
⚪︎破られた約束
死後もなお夫を束縛しようとする妻の怨霊。
⚪︎果心居士 京都北辺
信長家臣・荒川、果心居士の地獄絵図を奪うため殺すも、殺せず。絵は白紙となってしまう。
⚪︎梅津忠兵衛のはなし 出羽国
若く強い侍・忠兵衛は、赤子を預かる。重くなる赤子を守り抜いたことで、氏神から礼を受ける。
⚪︎漂流 随筆「ここかしこ」より
焼津からの船で漂流した者たち。
その中で生き残った男の話。
「骨董」1902年(明治35年)
怪奇文学作品。日本各地に伝わる伝説・怪談を収める。
⚪︎幽霊滝の伝説 鳥取
肝試しに滝壺へ。賽銭の代わりに赤子の首が投げ込まれる。
⚪︎茶碗の中 未完 江戸・白山
茶碗に浮かぶ生霊。飲み干して敵討ちとなるのか。
⚪︎常識
博識な和尚の説よりも、猟師の経験に軍配が上がる。
⚪︎生霊 江戸・霊岸島
才覚ある若い手代を、その能力ゆえに憎む主人の妻。やがて暖簾分けでめでたし。
⚪︎死霊 越前国
代官の死後、下役の悪事を霊となって暴く。
⚪︎おかめのはなし 土佐
死後も生きたままのように、夜ごと夫の元へ通う妻。
⚪︎蝿の話 京都・寺田通り
孝行娘が蝿となって戻ってくる。
⚪︎雉子のはなし 尾州・遠山
死んだ姑と思われる雉子を夫が殺す。
助けた妻が幸せになる。
⚪︎忠五郎のはなし 江戸・小石川
足軽・忠五郎が毎晩通った女は、実はガマであった。
⚪︎土地の風習
死んだ檀家が木魚を叩くという。
⚪︎草ひばり
コオロギ科の虫。餌がないと自分の足を食べる。
「怪談」1904年(明治37年)
『夜恋奇談』『仏教百科全書』などを題材とする。
⚪︎耳なし芳一 下関
八雲代表作。琵琶法師・芳一の身に起こる怪異。
⚪︎おしどり 陸奥国
仲睦まじいおしどり。雄を殺したために、雌の恨みを買う。
⚪︎お貞のはなし 越後
病死した婚約者の生まれ変わりを待つと誓うが、別の嫁を取り不幸が続く。
旅先で生まれ変わりを見つけるまでの執念。
⚪︎乳母さくら 伊予
病の子の身代わりを願い、乳母が桜の木へと転生する。
⚪︎かけひき
死後の怨念と、死の直前の怨念が入れ替わる。八雲作品の中でも有名な一篇。
⚪︎食人鬼 美濃国
村人の死体を食らう僧侶。
⚪︎むじな 赤坂
お堀ではなく、お女中の顔が。蕎麦屋で再び顔が!
⚪︎ろくろ首 九州・菊池
山中の庵にて、首が飛び回るタイプのろくろ首。
⚪︎葬られた秘密 丹波
箪笥に隠された恋文を、処分させたいと願う死霊。
⚪︎雪女 武蔵
吹雪の夜の雪女。年寄りは殺し、若者と結婚する。
⚪︎青柳のはなし 能登
山中で出会った美女・青柳と結婚。
⚪︎十六さくら 伊予
陰暦1月16日だけに咲くという桜の話。
⚪︎安芸之助の夢 大和
一瞬の夢の間に23年の治世。実は蟻の国の出来事。
⚪︎力ばか
「良い家に生まれ変わりたい」と願い書いた“力ばか”。言葉の通り、困った生まれ変わりに。
「天の川物語 その他」1905年(明治38年)没後
『アトランティク・マンスリー』に掲載された作品
⚪︎鏡の乙女 南伊勢
悪竜に囚われた井戸の中の鏡の精。これを助けた神官に、乙女は恩返しをする。
「知らぬ日本の面影」1894年(明治27年)
八雲による日本滞在初期の印象記。随想・考察を収める。
⚪︎弘法大師の書
弘法大師にまつわる逸話を集める。
⚪︎心中
日本人の心中についての考え方。来世を恐れず、現世の情を優先する日本人の在り方。
⚪︎日本人の微笑
日本人の微笑が持つ意味を考察。宗教的な煩わしさがなく、西洋文明への同化に疑問を抱きつつも、西洋道徳への憧れは持たない。
「東の国より」1895年(明治28年)
日本滞在記の一冊。習俗や事件を題材とする。
⚪︎赤い婚礼
日本の心中事件を描く。幼なじみ同士の線路自殺。
「心」1896年(明治29年)
日本人の精神や生活感情を描いた随想集。
⚪︎停車場にて
犯人の後悔、日本の警察の涙、日本人の子供に対する愛情。
⚪︎門付け
盲目の田舎女が三味線を弾き歌う。
自らの境遇を不幸とは思わない姿。
⚪︎ハル
日本の女性は、夫の決定を超人的に無視するように育てられている。
⚪︎きみ子
母と妹を助けるため芸者となり、好きな男からも身を引く。最後は阿弥陀に迎えられる。
「仏陀の国の落穂」1897年(明治30年)
東洋思想や日本の民間信仰に材をとる随想集。
⚪︎人形の墓
不幸が続く少女の話。家族が二人続けて亡くなると、墓は三つ作らねばならない。
「霊の日本」1899年(明治32年)
日本の霊的観念や仏教的因果をめぐる随想集。
⚪︎悪因縁 牡丹灯籠
有名な牡丹灯籠の怪談を題材とする。
⚪︎因果ばなし
死にゆく奥方が、若い女の乳房を掴んで離さない。どんなことをしても離れぬ執念。
⚪︎焼津にて
焼津での思い出。お盆にまつわる話。
Posted by ブクログ
【一言感想】
曖昧なモノゴトに対して目を向けていくと
感性が成長していく
恐怖の裏にある日本古来の道徳観や教訓、文化、情念などが含まれる怪談に興味を持ったギリシア人から帰化して日本人となった小泉八雲氏が記録・世界に紹介したものの中の代表作を収録された一冊
小泉八雲氏は西洋の利己的な側面が強いことを嫌っていたらしく、物質主義に傾倒しすぎると自分や他人を型に嵌めたがってしまい、感情に対しては薄情となり、道徳観や幸福感も低下してしまうと本書の中でも指摘をしていました("日本人の微笑")
曖昧なモノゴトに対して目を向けていくことで、一つの型に当て嵌めようとはせずに、捉え方の幅を持たせていくことで、感性が磨かれていき想像性が磨かれ素朴な出来事に対して喜びを感じることに繋がるのかと思います
目に見えるモノゴトに対して重きを置くのではなくて、目には見えないモノゴトにも注意を向けていくことも大切では無いのかと本書を読んで思いました
怖がらせるだけの"怪談"は今となっては娯楽の一つでしか無いけれども、日本独自の感情や考えが込められている日本古来の"怪談"を読むのはなかなか面白かったです
Posted by ブクログ
私たちからしたらわりと当たり前な、例えば鏡に魂が宿るようなことを事細かに説明されるのが不思議な感覚。うんうん、そうだよと思いながら読み進めつつ、唐突なポンドヤード法にびびる。
1話数ページなので読書リハビリに良かった。
気に入った話はいくつかあるけれど、現代怪談と違って「いまいち由来や因縁がわからない」「唐突にバイオレンスをお見舞いされる」もの、または「深い情念(主にロマンチックな)から悲劇的な結末を迎えてしまう」ものが自分の好みかも。
現代怪談は小難しくていけない。
Posted by ブクログ
小泉八雲の本を読むと
言い知れぬ女心が、殿方たちを恐れへと
誘っていたのかな。。。
などと、人の心の恐怖へ誘われるけど。。。
本当は日本女性の純粋さ
想い人を遺して先立つ哀れさ
儚い約束を信じて旅立つ哀れさ
その切ない念が小泉八雲を通じて
悲しい運命の女心が切々と綴られていたのが
なんとも心が締めつけられる思いだった。
時代背景から心中が多かったこと。
その理由もこの本から知ることができた。
だから、明治以降の文豪たちの作品には
叶わぬ恋ゆえの悲哀が多いのかな。。。
小泉八雲さん
日本は随分と変わりましたよ。
現代の日本人を、どう書き残してくれるかな。。。
どんな神々の音楽を聞くことができるかな。。。
Posted by ブクログ
朝ドラばけばけの主役になる前に読む。怪談を集めるのが好きだったのはわかる。ろくろ首や耳なし芳一がどういうふうに英語文化圏に紹介されたのかをみれます。日本人は不思議にも思わない表情に着目した比較文化論’’日本人の微笑’’の出来が出色
Posted by ブクログ
和解 京都
衝立の女
死骸にまたがる男 大宿直村(おおとのい)
弁天の同情 京都 大通寺
鮫人の恩返し 近江の国石山寺 瀬田の長橋 三井寺
守られた約束 播磨の国加古の村 富田城
破られた約束
果心居士のはなし 信長 清水寺 近江八景
梅津忠兵衛のはなし 出羽の国横手
漂流 焼津新屋地区 紀州の九鬼 荒坂 金毘羅さま 小川の地蔵さま
骨董 伯耆の国黒坂村 幽霊滝
茶碗の中 江戸本郷の白山
常識 愛宕山
生霊 江戸の霊岸島
死霊 越前の国
おかめのはなし 土佐の国 名越
蝿のはなし 京都島原街道寺町通
雉のはなし 尾州の国遠山の里
忠五郎のはなし 江戸の小石川
土地の風習 九州
草ひばり こおろぎ
耳なし芳一のはなし 下関海峡 赤間が関
おしどり 陸奥の国田村の郷 赤沼
お貞のはなし 越後の国新潟の町 伊香保
乳母ざくら 伊予の国温泉郡の朝美村 西芳寺
かけひき
食人鬼 美濃の国
むじな 東京の赤坂通り紀ノ国坂
ろくろ首 甲斐の国 信濃の諏訪
葬られた秘密 丹波の国
雪おんな 武蔵の国
青柳のはなし 越前の国
十六ざくら 伊予の国和気郡
安芸之助の夢 大和国の十市
力ばか
鏡の乙女 南伊勢の大河内明神 信州の鳥井の池
弘法大師の書 高雄山 五台山 美福門 皇嘉門
心中 灘町 妙興寺
日本人の微笑
赤い婚礼
停車場にて 福岡相撲町 熊本
門づけ
ハル
きみ子
人形の墓
悪因縁 江戸牛込 新幡随院の墓地
因果ばなし
焼津にて
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怪談が有名な著者だけど、日本人観・日本文化観は日本人として頷けるところが多かった。
悲しいこと、辛いことがあっても、他人にはつとめて笑って見せるその何とない仕草。
急速に変わっていく現代でもみられるこの仕草、八雲が指摘しているような、文化や価値観、日本人の根底から根付いた反応。
これが廃れるのは、おそらくもっと先だろう。
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2016年、32冊目は、小泉八雲。主に、隙間読書で読んでいたもの。
明治23年、39歳で来日したラフカディオ・ハーン。彼が記し、日本を欧米に紹介した作品の、音楽で言うベスト盤的もの。
小泉八雲と言えば、「耳なし芳一」と言われるような、民話などに根ざした怪談系の前半。日本(人)の精神性、宗教感や風習、等を独自検証を交えた後半といった印象。
近代化の中で、その後の高度成長期によって、現在では、絶滅危惧種と化した、彼の心を動かした「日本的」なもの。その復興、復活を声高に言うつもりはありません。しかし、歴史の流れを切り取ったものとして、西洋人ではなく、現代人に紹介したものと考えて読むコトも出来ます。
そして、巻末の解説で彼の幼少期のコトを初めて知りました。彼の根底にあるのは……。それを思うと、深みが増します。
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背筋がぞっとする作品は勿論、摩訶不思議や儚い美しさ、無情、侘、寂、道徳観まで、余韻を残す色彩豊かな48作。怪談のイメージが強かった作者でしたが良い意味で裏切られました。印象的な作品を簡単に。
「衝立の乙女」
一生のあいだ“無情なこと”をしない男など滅多にいない、という皮肉のきいたラスト。
「破られた約束」
男を愛しすぎたゆえに歪んだ怒りの矛先。凄惨な描写は恐ろしいの一言。
「梅津忠兵衛のはなし」
武士たるもの二言なし。約束を順守した律儀な武士に授けられた世代を越えた不思議な力。
「常識」
大切なのは、生きる知恵と確かな常識。IQの高さと信仰心の高さは二の次である。小気味良く効いた毒。
「雪おんな」
監視するために近付いたのか、それとも…?
「心中」
地獄絵図を横切る白い亡者たち。その表情は絶望だけではない。
「日本人の微笑」
謝罪の時、死を前にした時でさえも笑顔を見せる日本人。西洋にはない、と断言した不可解な“微笑”のルーツは何なのか。かつて八雲が来日した際に見た全てを包み込むような柔らかい日本人の微笑を、現代を生きる私たちは残せているのでしょうか…。
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はじめてちゃんと読んだ小泉八雲。明治の日本に骨を埋める外国人。他の作品も読みたくなる。日本人がもっと日本人らしかった面白い時代、外国人には日本人がどう見えたか。ペリーに同行した人の話とか本になってないんかな、関係ないけど読んでみたくなった。
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子供の頃、アンソロジーでちょっとだけ読み、
大人になってからはグーテンベルク21でテキストファイルを購入し
――で、一冊ぐらいちゃんと……と思い立って買ってみた。
複数の作品集からピックアップした選集という感じの本で、
怪談・奇談の他、日本文化に関する随想を収録。
なかなかの読み応え。
日本人男女の心中(lovers' suicide)に
強い関心を抱いていたらしいことが興味深い。
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短編集なので、合間合間に読みやすかったです。
"耳なし芳一"以外、詳しく知らなかったし、少し解釈しにくい部分もあったけど全体的に楽しめました。
昔は仏教がメインだから和尚や坊さんが今より別格な扱いに感じた。施餓鬼という言葉もはじめて知った。亡くなった人の霊や魂を信じているところが日本らしい考え方だなと思った。
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↓以下、印象に残ったもの↓
・死骸にまたがる男
・果心居士のはなし
・蠅のはなし
・むじな
・ろくろ首
・雪おんな
・人形の墓
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小泉八雲のら名前は知っているが、実際に手に取ったことがなく、初めて読んでみた。
海外の目線ならではの日本の怪談の不思議、ひいては日本文化自体の不思議を平易な内容で描かれている。日本人としては日本を見つめ直すきっかけになりそうな作品集。
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昨年12月の寒い日に松江を旅行して小泉八雲の記念館を訪ねた時の印象が残っていてこの本を読みました。小泉八雲と言えば怪談、というイメージ通りの短編の数々(特に「破られた約束」「幽霊滝の伝説」は怖くて、気の毒でした)、それに今は亡き昔の日本人のイメージ(たとえば「日本人の微笑」で自害する老武士が印象的でした)、そういったものが思っていたよりもずっと豊かな印象を残す本でした。
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日本大好きな小泉八雲(ラフカディオ•ハーン)さん。
1890年39歳のときアメリカ雑誌社の通信員として横浜に上陸。その後島根での生活を通して知った、日本の怪談、民話、文化、生活習慣、様々なものに深く心奪われる。
日本人女性と結婚。
日本に帰化し、日本で生活した14年間を英語教師として過ごす一方で、日本の怪談や日本文化などをアメリカ向けに紹介する本を書かれる。
約130年前来日した八雲さんは、日本をどんな風に紹介し、日本での生活をどんな風に感じていたのか興味津々で手に取った。
小泉八雲集は、ほぼ日本の怪談や奇談の作品集。
有名な日本の怪談もいくつかあり、雪女、耳なし芳一、ろくろ首など改めて読んで、こんなお話だったんだぁとちょっと驚いた。
「日本人の微笑」は八雲さんの論文で、
正直、理解できない箇所もたくさんあったけれど、その中でも印象に残ったのは西欧と日本の微笑むタイミングや意味や習慣の違いから、日本人が誤解され解雇や殺人につながってしまった事件があった事。八雲さんが日本をどれほど愛して理解しようと努力されていたかが伝わってくる。
日本を愛してくれてありがとうと伝えたいな。
あと、すごく不思議だったのは、
好きな人に恋焦がれ、想いが報われず病になり命を落とす幽霊はほぼ女性だったこと。
これって、女性の恨みは恐ろしいってことなのかなぁ…(・・?)うーん、不思議。
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知ってる知ってる
この怪談
映画「怪談」の原作だったのか。
浅田次郎のエッセイに
海外旅行で読むべき本は小泉八雲の本
とあったので読んでみた。
理由は忘れたけど、なんとなくわかるような気がした。
昔の日本人が持っていた
男女の愛の深さや
執念、因果、精神的な強さなどが表現された短編。
現代の日本人には理解できないだろうな
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怪談があまりにも有名で、民話や日本人、日本文化の論考が集められた本だったことにまず面食らった。年譜も興味深い。ギリシャに生まれ、米その他転々とし、日本に帰化。松江で結婚したものの1年余しか暮らしておらず、熊本、神戸、東京に移った。もともと一つ所にじっとしていられない性格のようだ。東大の英語講師を勤め、後任が漱石だったらしい。2020.5.5