あらすじ
日露戦争前夜、厳寒の八甲田山中で過酷な人体実験が強いられた。神田大尉が率いる青森5聯隊は雪中で進退を協議しているとき、大隊長が突然“前進”の命令を下し、指揮系統の混乱から、ついには199名の死者を出す。少数精鋭の徳島大尉が率いる弘前31聯隊は210余キロ、11日間にわたる全行程を完全に踏破する。両隊を対比して、自然と人間の闘いを迫真の筆で描く長編小説。
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Posted by ブクログ
元道民として冬の時期は「雪を舐めるな…」といつも言ってるけど、これを読んだらマジで雪はおっかねえと思った。中盤兵卒達が寒さで幻覚を見たり狂って凍った河に裸で飛び込む描写など文字通り寒気を感じた。自然の厳しさだけではなく、戦時中の階級差、そしてリーダーの在り方としても考えさせられる作品。仲間の屍を乗り越え生きて完踏した聯隊も日露戦争で戦死したというところに非情を感じた。骨太でこの作家のほかの作品を読みたくなった。
Posted by ブクログ
5連隊の話はYouTubeで見て知っていましたが、31連隊のことはこれを読んで初めて知った。結局雪山に入ってない人達が勝っただ負けただ言ったり、遭難のきっかけを何度も作った人が一番大きな銅像建てられてたり、読み終えたときは渋い顔になってしまった。
Posted by ブクログ
会社からリーダー研修の課題として読んだ本。確かにこういう場面社内であるよな、自分だったらどうするべきか?と考えつつも当時の時代背景を鑑みると神田大尉に同情してしまう。
Posted by ブクログ
まさに対照的。
比較することでわかりやすく浮き彫りになるよね。
とはいえ終了後はどちらも暗い未来。
なんでそんなことなるかなってなる時代だったんだな。
神田、山田、両名は生きてたら
どんな扱いを受けていたのか。どちらも恐ろしい。