あらすじ
騎士道物語を読み過ぎて妄想にとらわれた初老の紳士が、古ぼけた甲冑に身を固め、やせ馬ロシナンテにまたがって旅に出る。決定的な時代錯誤と肉体的脆弱さで、行く先々で嘲笑の的となるが…。主人公ドン・キホーテをはじめ登場する誰も彼もがとめどもなく饒舌な、おなじみセルバンテス(1547-1616)の代表作。新訳。(全6冊)
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Posted by ブクログ
『ドン・キホーテ』はシンプルに読み物として面白い本です。
その中でも最初の1冊目は特に面白い。
冒頭の序文はとっつきにくいが本文に入ってしまえばすこぶる読みやすいです。
思わずくすっとしてしまうようなユーモアあふれる文章が続いていきます。
とりあえず1冊目を読んでみてそれで続きが気になるなら2冊目以降へと進んでいく。
それくらいの気持ちでまずは十分なのではないでしょうか。
大ボリュームに威圧されて1冊も読まないというのは本当にもったいないです。
1冊目にこそドン・キホーテの面白さのエッセンスが凝縮されています。
おまけに世界的に有名な風車の冒険にもしっかりとお目にかかることができます。
これを味わうだけでも十分すぎる価値があるのではないかと私は思います。
Posted by ブクログ
超有名な古典文学だが、読んでみると意外と軽く読めるものだった。
正直読む前はうっすらとドン・キホーテという人物はさぞや立派な騎士なのだと勝手に思いこんでいたが、読んでみるとただの狂人の騎士ごっこだし周りに迷惑かけるしで笑える場面が多く意外だった。
「ドン・キホーテ」以前の騎士道物語に対するセルバンテスの思いというか、同じような作品が乱立されていることに対するアンチテーゼ的な作品でもあるのかなと感じた。
もっと重い作品だと思っていたので読破するのにそれなりの覚悟をしていたのだがこれならサクサク読めそうで続きが楽しみ。
Posted by ブクログ
「ー」
名前は有名であるが、読んだ者は少なかろう作品。
主人公の本名がドン・キホーテでないことすら知らなかった。騎士道に関する本をたくさん読み、自分もそのような騎士になりたいと思ったおじいちゃんの話。途中で、同じ村の男を部下として引き連れる。
本で読んだ騎士のようになるために、多くの者と戦う。しかし、その相手は、ドン・キホーテに悪意がない者たちばかりであった。一方的に攻撃された側はたまらないであろう。そして、たまに勝つからより問題は深刻になる。
2巻も1巻のように続くのであれば、読破するのはしんどそうだ。
Posted by ブクログ
友人とソース(※ソース原理におけるアイデアを実現するためにリスクを負って最初の一歩を踏み出した個人)とエゴで物事を進めるということの差について語っていた。
その友人から勧められた本がこの本だった。
これは自分のエゴなんじゃないか?という時に「いいんだよ!エゴでも!」と思いたいときもあるんじゃなないかな?そんな私にお勧めだよ、と言われて、手渡された。
彼は「羨ましい」と感じたそうだ。
私は「幸せなだろうなぁ」「勤勉な人だな」と感じた。いや、勤勉であるがゆえに突き詰めたところに達し、結果、人に左右されない幸せを手に入れたのだろうなぁ、が正解か?
最初から最後まで自業自得のトラブルさえも「修行」という快感に変えられる強さ。これに対してはうらやましい、というよりは尊敬に値すると思う。
ちなみに、私の周りにドン・キホーテみたいな人がいたら本当に嫌だ。迷惑、すぐ逃げる。サンチョの嫁の立ち位置だったら即効離婚案件。ああ恐ろしい。
別の視点では作者の立ち位置が面白い。自分で自分に突っ込む手法が古典の世界でも行われていたことにびっくり。
時代背景とか全然わからないけれどラノベ感、あるよね。
Posted by ブクログ
文学史上最強の思い込みヒーロー!
可笑しい。ドン・キホーテの行くところ、トラブル続きである。それはもっぱらドン・キホーテの、自分は遍歴の騎士であるという思い込みの強さにある。時には話に乗ってくれるけれど、ヤバイと思ったら容赦無く主人にツッコミを入れるサンチョとは良いコンビ。しかしどこの誰から指摘されても、どんな酷い目にあっても、ドン・キホーテは自分を変えない。騎士の使命にしたがって、旅を続けていくのである。
騎士物語を読みすぎて、現実とフィクションの区別がつけられなくなった。もしかしたら、現代にもいるかもしれない。自分の周りで何かが起きたら、すぐさま過去に読んだ物語の出来事や人物を語り出して止まらないドン・キホーテ。自分の持ち物や愛馬を、物語のヒーローのアイテムのように思い込み、自信満々で進んでいくドン・キホーテ。これはとある最強ヲタクの珍道中では、と思うと途端にドン・キホーテが愛おしくなる。
Posted by ブクログ
古典読書。今の日本でドン・キホーテと聞いて文学作品を思い浮かべる人の割合はどのくらいなのだろう。一割いればいいくらいかな。自分も人のことをあまり言えないけど。
あらすじは何度か耳にしていたし教養のための本でもないから読むのは楽。解説で何度も触れられるがこの本は中世の騎士物語を風刺しているところに面白さがあるので本家の方も読みたい。
ドン・キホーテ予想以上に常識外れで追剥みたいなことを騎士道のもとに正当化していて被害者の方に同情する。しかしどこか憎めないところもある。
全六巻と先は長いが話は複雑でないのでゆっくり読もうと思う作品。聖書の次に世界で読まれている本と言われているので読破したい。