あらすじ
どんなに前向きに生きようとも、誰しもふとした折に、心が萎えることがある。だが本来、人間の一生とは、苦しみと絶望の連続である。そう“覚悟”するところからすべては開けるのだ――。究極のマイナス思考から出発したブッダや親鸞の教え、平壌で敗戦を迎えた自身の経験からたどりついた究極の人生論。不安と混迷の時代を予言した恐るべき名著が、今あざやかに蘇る。〈心の内戦〉に疲れたすべての現代人へ贈る、強く生き抜くためのメッセージ。
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Posted by ブクログ
この本が新刊として書店に並んだ時に購入しましたが、当時はとても難しく思えて理解ができず、
読めませんでした。最終章が発売された事をきっかけにようやく読めました。
この世はそもそも地獄、だから時折感じる幸せが天国、生きているうちに天国は味わっている。
どんなにもがいても、どんなに抗っても、
所詮人生は大河に流れる水の一滴に過ぎない。
もうこの2つだけでどんなに心が救われたことでしょう。
取り返しのつかないくらいの後悔があり、
落ち込む時期もありましたが、そもそもここは地獄だったのか、と思った瞬間から霧が晴れました。
どんなに泣いても後悔しても私の人生は大河の一滴に過ぎないんだ。
自分の悩みを高い空の上から見下ろした感覚です。
当時は私も若かった(笑)ので理解出来なかったことも歳を重ねたお陰でとても深く読み込めたように思います。歳を重ねると言うことは、
素敵なことかもしれません。
Posted by ブクログ
「人間はただ生きているというだけですごいのだ」という言葉は、戦後の混乱の時代を生き抜いてきた著者だからこそ実感を持って語れる言葉だと思う。私のようにのほほんと生きている人間にはなかなかそのように考られない。
一番心惹かれたのは「私たちは死んで地獄へ堕ちるのではない。人はすべて地獄に生まれてくるのである」という言葉。これは究極のプラス思考ではないだろうか。自分がいま置かれたところが地獄だと考えれば、あとは上を目指すだけなのだから。
これに関連して、「極楽はあの世にあるのでもなく、天国や西方浄土にあるのでもない。この世の地獄のただなかにこそあるのだ。極楽とは地獄というこの世の闇のなかにキラキラと光りながら漂う小さな泡のようなものなのかもしれない。人が死んだのちに往く最後の場所では決してない。 」という言葉もこの世を生きていく希望となり得る。
深い言葉が数多く綴られた素敵なエッセイであった。