あらすじ
〈わたしたちは、おそらくこれまでのどの時代の人間も知らなかった「人間」を知った。では、この人間とはなにものか。人間とは、人間とはなにかをつねに決定する存在だ。人間とは、ガス室を発明した存在だ。しかし同時に、ガス室に入っても毅然として祈りのことばを口にする存在でもあるのだ〉
「言語を絶する感動」と評され、人間の偉大と悲惨をあますところなく描いた本書は、日本をはじめ世界的なロングセラーとして600万を超える読者に読みつがれ、現在にいたっている。原著の初版は1947年、日本語版の初版は1956年。その後著者は、1977年に新たに手を加えた改訂版を出版した。
世代を超えて読みつがれたいとの願いから生まれたこの新版は、原著1977年版にもとづき、新しく翻訳したものである。
私とは、私たちの住む社会とは、歴史とは、そして人間とは何か。20世紀を代表する作品を、ここに新たにお贈りする。
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Posted by ブクログ
休職から復職した今のタイミングで読めて良かった本。
もともと読もうと思ったきっかけは瀬戸内国際芸術祭2019で出会った山下麻衣+小林直人「世界はどうしてこんなに美しいんだ」という作品だった。
大好きな瀬戸芸の作品を通じて、このような文学作品に出会えて良かったと思う。
アウシュヴィッツという極限の中で、フランクルが1人の心理学者として自分を含めた人々をある意味淡々と率直に描写しているのがとても印象的だった。
「アウシュヴィッツ」と聞くとどこか、遠い場所で、私たちと関係ないことのように思えるけど、アウシュヴィッツにいた人々達は私たちと何も変わらない一人の人間なのだと、読んでいて改めて感じたし、だからこそフランクルが綴る言葉は私たちの胸にずっと入ってくるのだと思う。
どれだけつらい環境であっても、私たちはどのような態度をとるのかを選ぶ権利はあるし、世界の美しさに感動することだってできる。
平時にそれを知っても「そんなことか」と思ってしまうかもしれないが、絶望の淵に立った時、世界が白黒に見えたとき、フランクルが証明してくれたこの事実は私たちにとってかけがえのない希望になると思う。