あらすじ
仁科の地獄からのメッセージにより、天宮詩織の過去を知ってしまった谷口は呆然とします。詩織の恋敵・児島君子はさらに追い打ちをかけるように、詩織が三隅が死亡した事件に関わっていることを彼に告げます。そして深夜、何も知らずに谷口の家を訪れた詩織の目に、とんでもない光景が飛び込んできます――――――
国営放送で記者をしていた父の意志をつぎ、テレビ業界に飛び込んだ詩織は、数々の困難を乗り越えて人気キャスターの座まで登り詰めました。三隅の事件が契機で追いこまれた彼女が、「まだやり残したことがある」と谷口に告げて向かった先は――――――
電波の闇を暴く物語、堂々完結です!
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Posted by ブクログ
いろいろテーマがあるんだけど、結局は「業」なのよ。それも「女」の。
どんどん強敵が出てくる女子プロレス漫画と言っても過言ではない。
最後が綺麗すぎて泣ける。
Posted by ブクログ
細野不二彦先生の大作完結です。
私はこの作品を、天宮詩織が家族への愛憎に身を焦がしながら栄光への階段を登り、そして最後に破滅するサスペンスものだと認識しています。
父理一のようにジャーナリズムの理想を追い、母さおりのように自らの城を手に入れるために戦い、そして最後は自ら果てる。詩織の生き方にはその両親の人生と理想が強く反映されています。
両親の生き方を受け継ぎ、両親の思いや考えを感じ取り、そして最後には自ら命を絶ちます。彼女は、自ら命を絶つことで、今は亡き両親に寄り添い、彼らの感じた悲しみに寄り添い、それを共に分かち合います。そしてその先に、死の間際に父理一が夢見た、家族三人の温かい光景があるのではないでしょうか。
難点を上げるとするなら、最後のビデオ公開の際にジャーナリズム的動機(父由来)だけじゃなくて母への愛憎も描いて欲しかったなあと思いますし、その意味でビデオと集団自殺の真相は少し弱かったと感じます。
後はサスペンスとして纏めたために、本城律子等の序盤中盤のキーパーソンが脇に追いやられた感が強かったことでしょうか。せっかくだから後日談で補完して欲しいところでした。
最後に、最終ページの一つ前の見開きは、漫画史に残るような、本当に美しいシーンだったと感じます。
また、細野先生にこのような作品を書いていただけたらなと思います。