あらすじ
欲望渦巻くテレビ界。その片隅で倒産寸前の芸能事務所に、ひとりの謎の女が現れた。彼女の名は天宮詩織。北海道のFM局でアナウンサーをしていたが、テレビの世界で実力を試したいと考えて上京し、事務所社長の鯨岡平助と会う。だが、かつてはアイドルを多数輩出し、芸能界で敏腕を発揮した鯨岡も、今は所属タレントに見放され、借金取りに追われていて…
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Posted by ブクログ
北海道のFM局アナから、ニュースーキャスターを目指して上京してきた天宮詩織の物語。
芸能界、ヤクザや新興宗教などを絡めて、楚々とした見た目のヒロインが、暗い過去を抱えながら図太く切り抜けていくのが良い。
ラストを読んでから読み返すと切なくなる。
人を励ます言葉がよくあって、落ち込んでる時に読むとそれが効く。
話もいろいろあって飽きない。
本棚に保管して(手元に置いて)、何度も読み返している作品。
Posted by ブクログ
雨宮は現実にいたらそれは恐ろしい女だろうと思うけど、見ていてすっきりするというか、わくわくするのは、自分の中にこういう願望があるからだろうか(笑
とりあえず続きが気になる。
大御所マンガ家
古くは「さすがの猿飛」や「Gu-Guガンモ」といったゴールデン枠でアニメ化された作品の原作者であり、今世紀に入っても「ギャラリーフェイク」など多くの作品を手掛けている大物マンガ家。
また、シロウト時代(慶應義塾高等学校時代)からの縁で初期の「スタジオぬえ」のメンバーでもあり、その縁で80年代頃のアニメにも関わっているという異色の存在。
本作は2006年~2014年に「ビッグコミックスピリッツ」で連載されたもので、この作者のキャリアからすれば後期の作品にあたる。
絵は完成されており、やや古さも感じられるものの、特に女性キャラは美しく「細野不二彦キャラ」を体現している。
一方のストーリーは、よくある「業界シンデレラストーリー」を表に、裏で「目的の為には手段を択ばない恐ろしい女性」をテーマにしたサスペンス小説のようなものを組み合わせている。
発想自体は悪くないが、正直、その組み合わせのギャップが大きく、ついていくのが大変。
また、「表」も「裏」も、どこかで見た事のあるような既視感のある展開であり、古さも感じて特別斬新な訳ではない。
この路線でやるなら、主人公をもっと大人びたミステリアスな存在に徹するようにした方が良かったのではないかとも思える。
(たまに見せる子供じみたクセなどで、大人びたというより、精神的に安定していない人のように思えてしまう)
例えば…、山崎紗也夏の「NANASE」のようなタッチで描いていれば、より迫真度が増していたのではないだろうか?
という事で、まだ無料の4巻までしか読んでいないが、この時点での評価は微妙なところ。
まあ、絵は悪くないので、無料であれば最後まで読んでみようと思うだろうが、有償で続きを見たいと思えるほどではないかな。