【感想・ネタバレ】噓つきジェンガのレビュー

あらすじ

気づいた時には、もう戻れなくなっていた

直木賞受賞作『鍵のない夢を見る』と連なる、
圧巻の辻村ワールド!

大学進学で上京したのに、コロナ禍ですべてが狂った。
孤独感が募るなか、割のよいバイトに誘われる(「2020年のロマンス詐欺」)。
優秀ですんなり合格した長男に比べ苦戦している次男の中学受験。〝特別な事前受験〟があると囁かれた母は(「五年目の受験詐欺」)。

人気漫画原作者・谷嵜レオのオンラインサロンは、オフ会の創作講座が大好評。しかし、主催している紡は、谷嵜に会ったことすらない(「あの人のサロン詐欺」)。

騙す者と騙される者の切実な葛藤と後悔を描く、
スリリングな短篇集。
解説・一穂ミチ

単行本 2022年8月 文藝春秋刊
文庫版 2025年11月 文春文庫刊
この電子書籍は文春文庫版を底本としています。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

自分はコロナと同時期に大学生になったので、「2020年のロマンス詐欺」の中の耀太の気持ちが痛いほどよくわかる。夢に見た理想の大学生活が目の前でバラバラと崩れ落ちていく感覚。気分転換に一人で散歩に外出し「外に出ることってこんなに簡単だったんだ」となる感情も、体験した感情で胸が痛くなった。
解説であったように、誰しも嘘はついたことがあるだろう。ただ、取り返しのつかない嘘をついたキャラクターを描きながらもその感情に共感してしまう。辻村深月は感情の描写が絶妙で本当に天才だなと思ってしまった。読後感がよい小説が好きなので、個人的に好きでした。

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2026年04月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

面白かった!中編に近いかな。3つの「嘘」にまつわるストーリー。
お受験に話は最後泣いた。。こんな息子欲しい。

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2026年04月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

特に『2020年のロマンス詐欺』が面白かった。真面目に生きてきた大学生が絡め取られるように詐欺に知らぬ魔に加担しもう戻れない…という様子が追体験するようにリアルに入ってきてぞくぞくした。最終的にはどの話も救い?があったので安心して読めた。でも『あの人のサロン詐欺』はどうしても主人公の罪がなあなあになって漫画家の自殺をとめるThe主人公すぎる展開にはもやっとした。

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2026年03月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

本作は三つの短編小説で構成されている。3作品の共通点は「嘘」。

一つ目の物語は、大学入学直後にコロナの流行で学校にも行けずバイトもできなかった燿太が、友人の紹介で詐欺に手を染める内容。カモリストの1人であった未希子から、夫にDVを受けているから助けて欲しいと言われる。未希子に恋心を抱いていた燿太が、未希子の夫を殺そうとしたが、実はメッセージのやり取りをしていたのは未希子の高校生の娘、一華であった。家庭に不満があった一華による事件だと知った両親は事件を示談で済ませ、燿太は大学に通い続ける事ができた。一華が燿太の大学に現れて事件について謝罪し、2人の関係値が少し動き出したところで物語は終わる。

二つ目は、息子の中学受験の際に、まさこ塾といわれる塾のオーナーに裏口入学のお金を払った主婦、多香子の物語。夫に反対されたにも関わらず、母にもらったヘソクリを使って100万円を支払った多香子。しかし、まきこ塾は詐欺であって、息子は本当は実力で合格していた。詐欺の訴訟を起こそうと言う話があり、夫に当時のことを打ち明けると、夫が激怒し多香子をひたすら罵る。それを見ていた息子は、真実を知るも、母の多香子を気遣う。息子の成長を実感すると同時に、多香子は1人で決断をする勇気を待つ。

三つ目の物語は、素性を隠した人気漫画家になりすます女性の物語。谷嵜レオの漫画「紺碧万華鏡」の登場人物の発言に感銘を受けた紡は、自分は谷嵜レオの生まれ変わりだと言い始め、いつしか本人を騙るようになる。谷嵜レオの作品の登場人物の考えが、まさに自分の考えを言語化したような作品であると感じ、SNSで自分が谷嵜レオであるかのように振る舞う。次第に、SNSのDMで「谷嵜レオ本人か?」と聞かれるようになり、ついには本人を語ってオンラインサロンまで運営するようになる。両親にも、自分は谷嵜レオだと嘘をつき、両親は娘が手に職をつけて成功していたことを喜ぶ。そんな最中、本物の谷嵜レオが下着の窃盗で逮捕される。その人物は、紡のオンラインサロンに参加していた人物だった。本物の谷嵜レオは、紡を責めることもせず、漫画の公式コメントでも「オンラインサロンは代理の人に頼んでいた」と発表。そのコメントを見た紡は、何かに引っ掛かる。本物の谷嵜レオの自宅を訪れた際に目にしたCampグッズは、練炭自殺のためのものだった。紡が駆けつけ、谷嵜の蘇生を試み、心臓が再び動き出すシーンで物語は終わる。


全て短編ながら、どれも濃厚で物語に引き込まれる。ただ、やはり短編だけあって、物語が不完全のまま、エピローグなく終わってしまうのが物足りない。それぞれ1冊の本として、登場人物のその後が見てみたい。面白いからこそ、物足りない1冊だった。

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2026年03月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

嘘つきの3本立て。
マッチングアプリでのちょっとした嘘はあるあるだと思うが、それにしても相手の家へ行って旦那を殺そうとするなんて度が過ぎる。会ったこともない相手にそこまでの情が湧くなんて考えられないが現実にもありそうな話。

最後のサロン詐欺は嘘が大胆過ぎる。SNSで情報があっという間に広がるこの時代に無理があるだろ笑
ただ10年もの間、あらゆるリサーチをし、本人になりきれるなら一つの才能だと思う。その才能を違うことに役立てられないものか、、

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2026年03月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

嘘をつくひと、嘘に騙されるひとの話。短編集

受験の詐欺の話は、私はお金は払わないだろうけど、こういうことありそうだなあって思った。周りとの次男が良い子に育っててよかった。

最後の話は、レオが紡を救うメッセージを残して死のうとしたのは展開がよくわからなかったけど、熱狂的なファンって怖い

人気の作品って考察が多岐にわたるけど、創作の時点でそこまで考えているのかなぁ

それぞれがそれぞれの形で想像力を働かせて膨らませられるところが小説の良いところだと思うのに

こうあって欲しいって思ったり、議論したりするのは良くても、本人に言うのは違うよな、辻村さんもそう言う経験あったのかななんて思った

一穂さんの解説、嘘はストーリーなら良いと言うのも面白い

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2026年03月28日

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