あらすじ
全米のMBAプログラムで必読文献
イノベーション論に“イノベーション”を起こす!
なぜ多くの企業の革新的な製品やサービスが成功につながらないのか? 顧客ニーズを踏まえ、素晴らしい商品を開発し、競合に圧倒的差をつけたはずなのに。その理由は、「自社のイノベーション」に集中するあまり、成功のカギとなる商品を取り巻く「生態系(イノベーション・エコシステム)」を無視していることにある。本書では、エコシステム全体を見るためのツール=「ワイドレンズ」を紹介し、企業の事例を紹介しながらイノベーションと成功とのギャップを明らかにし、企業が「死角」に陥らずに成功に導いていくための方法を探っていく。登場する事例は、電子書籍をめぐるソニーとアマゾン、日産の電気自動車、iPodとiPhone、3G携帯電話など。推薦者はジム・コリンズ、ジェフリー・イメルト、ジェフリー・ムーア、クレイトン・クリステンセンなどの錚々たる面々。本書のベースとなった『ハーバード・ビジネス・レビュー』の論文は全米のMBAプログラムで必読文献とされている。米国の気鋭の経営学者によるイノベーション論のイノベーション。
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Posted by ブクログ
2020年4月12日(日)
書名:ワイドレンズ
著者:ロン・アドナー
ジャンル:ビジネス(ストラテジー)
【内容】
イノベーションは自社のみの技術、システムでは完結することは出来ず、協業者を巻き込んだ価値創造のストーリーが必要なのは周知されてきていると思います。
本書はエンドユーザーまでの価値創造の設計図作成において、その協業者まで視点を広げよ、という主張を終始展開しています。主に以下の2点をイノベーションの歯止めとなる「リスク」として説明しています。
・コーイノベーションリスク
→協業者が自社のイノベーションに応じるシステム技術を持っているか?
・アダプションチェーンリスク
→価値創造にあたり、協業者もwinになる仕組みになっているか?
ビジネス展開で様々な制約がある中、上記2点のリスクを上手にマネジメントした者が現在のイノベーターになっている。開発したエコシステムを他のサービスに転用し、ゲームのルールを変えている、というのが筆者の主張でした。
当たり前っちゃ当たり前なんですけど、見落としがちですし、コーイノベーションリスクがあるので、何でもかんでも先手必勝というわけではないのですね。
エコシステム構築を検討されている経営関係の方におすすめです。