【感想・ネタバレ】ポーの話(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

あまたの橋が架かる町。眠るように流れる泥の川。太古から岸辺に住みつく「うなぎ女」たちを母として、ポーは生まれた。やがて稀代の盗人「メリーゴーランド」と知りあい、夜な夜な悪事を働くようになる。だがある夏、500年ぶりの土砂降りが町を襲い、敵意に荒んだ遠い下流へとポーを押し流す……。いしいしんじが到達した深く遥かな物語世界。驚愕と感動に胸をゆすぶられる最高傑作。(解説・堀江敏幸)

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Posted by ブクログ

ネタバレ

いやー、長い話だった。。
なぜよりによって「ポーの話」を借りたのだろう。
いしいさんの本で他に読みたい本やもっと読みやすい本あったはずなのに。

最初は、読み切れるかなぁ。。と不安なりに、少しずつ読み進めていた。でも、一章でぐっと途中から入り込み出してから面白くなったかな。二章、三章あたりは中だるみあったけど。

それぞれのキャラ設定とか好きだったかも。
みんな人間くさい。
いちばん好きだったのは誰かと聞かれたら、うーん、「天気売り」かな。。最初はあんま好きじゃなかったんだけど。二章の鳩育てるのを手伝ってるとこらへんから好きになった。
メリーゴーランドもわりと好き。
女ったらしで盗人って。めちゃキャラ濃いし。しかも背中で星はチカチカ。泥の洪水で足のびきっておそらく後で切断だし。(このあたり、いしいさん節効いてるの、いつも。ちょっとゾッとする表現がところどころに)
ポーのじゃっかん感情ないとこもリアルだったなぁ。

一章の、ゾウがバナナ食べてるところは、ゾウの鼻の感触がすぐそこまできてびっくりしたよね。ものすごい描写だって。ぬるりとした。そして、2人で笑ったシーンがなんだか好きだったなぁ。罪悪感の話してたのに、笑ってるじゃん。みたいな。

がんばってがんばって読んで、最後の最後の終わり方はあまり私的にはすっきりしなかった。長かったなぁ。。と思った。

【気になった箇所】
「わしはな、罪悪感がないんじゃない。ときどき、忘れっちまうだけのことよ。外からじゃみえないがな、腹のなかには、この森みたいに黒くてばかでかいのがたまってるんだ。ひとはな、誰だって多少なりとも、腹の底に罪悪感の種をもってるもんだ。で、そのなくしかたはそれぞれが、自分でみつけなけりゃならねえ。自分の斧にこびりついた汚れは、自分で拭くしかないだろう?ただな、ひとが、何かをほんとうにつぐなえるとは、わしには思えんよ。少なくとも、つぐなおうって思いでしているうちは、それはほんとうのつぐないじゃあないな」

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2016年09月30日

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