あらすじ
麻薬中毒と自殺未遂の地獄の日々から立ち直ろうと懸命の努力を重ねていた時期の作品集。乳母の子供たちとの異郷での再会という、心温まる空想譚のなかに再生への祈りをこめた「新樹の言葉」。“男爵”と呼ばれる無垢な男と、昔その家の女中で今は大女優となっている女性との恋愛譚「花燭」。ほかに「懶惰の歌留多」「葉桜と魔笛」「火の鳥」「八十八夜」「老ハイデルベルヒ」など全15編。(解説・奥野健男)
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Posted by ブクログ
葉桜と魔笛が読みたくて購入。
私は、ただ美しい物語ではないのではないかと感じた。
妹は本当に彼と付き合って、深い仲になっていた。戦時下、時代的にもしそれが世間にバレたら命を絶たなければならないほどの秘密。
姉の手紙により、姉に知られる訳にはいかず嘘をついた(予めバレた時の用意をしていたのかもしれない)
姉は姉で、妹だけ恋愛を楽しんでいた事に嫉妬心を抱いた。
魔笛を吹いたのは厳格な父親かもしれない。けどそれは妹のためというより、自分も知った事を妹に知らしめるため。
妹が急逝したのは、自ら命を絶ったから。
全て知っていた姉が、抱えきれずに晩年告白という形をとった。
Posted by ブクログ
太宰治の「葉桜と魔笛」は
生きること、死ぬことに対する悲しみが
とても分かりやすく表現されている。
読みやすい。つまり、伝わりやすい。
そして優しい。痛々しいほど、優しい。
優しさとは何か。
優しさとは、こういう家族のことだ。
姉も妹も父も、それぞれに優しい。
家族愛の美しさは
「新樹の言葉」にも溢れている。
血のつながりではなく
乳のつながりが描かれている。
主人公が大人になってから
乳母の子供らと出会う。
この関係性がいい。
そして「偉くなりたい」というストレートな前向きさがいい。
作品全体に危うさがあるからこそ
明るい気持ちが、いっそう輝きを増す。
それから、この兄妹のために、という感情が強い点もまた
男が持つ良さなのだろうと思う。
偉くなりたい、と
○○のために。
この2つがあれば
やっぱり「いい男」になるらしい 笑
いつの時代も、それは変わらないのかも。
一見、この感情は、太宰らしくない気もするけれど
逆に、太宰だからこそ、これは外さない、
という感じかもしれない 笑
Posted by ブクログ
好きになった作品の概要をメモ程度に
・新樹の言葉:乳母つるの兄妹との甲府での再会を描いた作品。
・花燭:気弱な男爵とかつての女中で現在大女優となったとみとの恋愛を描いた作品。
・葉桜と魔笛:老夫人と病気の妹の美しい回想を描いた作品。