あらすじ
その女は、ハイヒールの音をコツコツ響かせ、やって来る――。
夫のDVと、思うようにいかない育児に悩む主婦・ユリは、レストランで目が合った精悍な男性店員・真崎と不倫関係に陥る。
街中で偶然すれ違った彼の母は、大輪の花のような女性だった。
しかしその日以降、ユリの周りのあらゆる歯車が狂い始め……。
父の暴力、同級生からのいじめ、マインドコントロール……。
“彼女”からは誰も逃げられない。
純度100%の悪に戦慄が走る、ノワール・サスペンス!
感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
寝る前に少しずつ読んでおり、途中分からないところは読み返していたので、読書期間は長めになった。二度読み必至の作品だ。
章ごとに主人公が変わる構成だが、物語の終盤で点と点が結ばれていく。すべての出来事の元凶となるのは、ある一人の狂った女。その女がそれぞれの主人公に執着し問題を起こしていく。
読後はもしこんなサイコパスな女が、身近にいたらどうしようと、そんな恐怖を感じた。
自分の子どもの頃にいじめをしていたあの子も、もしかするとこの女のように、執拗に人の惨めさや悲しみを見て愉しむ人間なのではないか。そんな疑念すら抱いてしまう。
この女に関わった人間は、疑心暗鬼に陥るように変わっていく。
だからこそ、絶対に近づいてはいけない存在だと感じた。
Posted by ブクログ
他人の隠しごとや弱点を握って、息をするように嘘をつき関係を操る女・英利子。緊迫感に満ちたプロローグから一人のヤバい女のシルエットがくっきりと焼きつけられる。
バラバラな場所で時間を行きつ戻りつする各章ではなかなか英利子の裏の行動や企みが表にならず、浩司の役割も宙に浮いたままでもどかしい。理由なんてないんだろうけど、もう少し本人の口からいろいろ真相を聞きたかったな。
所持品等の伏線が後から繋がるしかけは豊富。
信用してはいけない、笑顔で近づいてくる人間も一度目を離したドリンクも…。
信じられるのはラストの一文だけ。