あらすじ
道に佇む不気味な人物をきっかけにしてナンパに成功した「僕」。相手の女性と雑談をするうちに故郷の話になる。そこは若狭のとある港町で、奇妙な人魚伝説があるのだ。そのまま「僕」は高校時代を思い出し、並外れた美しさで目立っていた水嶋という女子生徒のことを語る。彼女はある日、秘密を「僕」に明かした。「私、人魚かもしれん」幼い頃に〈何か〉の血を飲んだことで、大病が治り、さらには顔の造りが美しく変化したのだと――。
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Posted by ブクログ
る、ルッキズム怖い……!となる小説。いや、出てくる男は総じてクズだし、読んでいる最中は色んなところに思考が飛んでそこまで思わなかったんですが、読み終わった後にふと人魚のことを考えると、「……会話が出来て人の形をしている存在を食べるって、よっぽどでは?」とそっちに薄ら寒くなってました。美貌への嫉妬や恨みとかは薄らと理解できるけど、そこからどういう思考を踏まえるとカニバリズムに発展するんだろうか。人魚がここまで生き長らえてきた影で、誰かを殺して食らいたいと思った人間達がいるんだよな……。