あらすじ
司法書士の東雲は、箱根銀行に勤める友人、燎原が多額の金を横領して自殺したと、燎原の妹の杏子から聞く。二人は燎原が死ぬ前に残した、「箱根銀行は二百億もの金を粉飾しており、その責任を自分一人に押し付けようとしている」というメッセージを見つけ、燎原の自殺の謎を探ること、また、箱根銀行に復讐し、必ず潰すことを誓う。東雲は、実は詐欺師であることを杏子に打ち明けた。予算未達に追い込まれ融資先を必死に探す本店営業部、インサイダー取引の惧れのある未公開株に手をかける運用部、マスコミ対策に追われる広報部、赤字決算の粉飾をした経理部……。不正と陰謀にまみれた悪徳銀行を、天才詐欺師が鮮やかに追い詰める、痛快エンターテインメント!
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
友人に横領の罪を着せた悪徳銀行に、天才詐欺師・東雲が復讐を仕掛ける展開が痛快。
地面師詐欺や未公開株など、金融の仕組みや人間の欲望を巧みに利用した手口が実に鮮やかで、東雲の緻密な策略に引き込まれる。
銀行内部の不正や隠蔽、金をめぐる人間の醜さなど、普段は見えにくい金融業界の裏側が描かれているのも興味深い。
巨大な組織を相手に、知恵と度胸で次々と罠を仕掛けていく東雲の姿が頼もしく、悪徳銀行が追い詰められていく過程に胸がすく。
金融の闇を題材にした、痛快さと知的な面白さを兼ね備えた復讐エンターテインメント。
Posted by ブクログ
まさか燎原を殺した真犯人が冬馬だとは……
最後の最後で大どんでん返しという、中山七里らしい作品だった。
箱根銀行が内部から崩壊していく様子は爽快ですらあったが、自業自得とはいえ誰もがやりたくてやったことではなく、破滅するさまを見るのは少し後味が悪かった。
利己的に、他人を陥れてのしあがる行動は誰かの恨みを買う。そんなことを教訓として得ました。