あらすじ
“世界の台所探検家”として100以上の台所を巡った著者が、旅先での実体験をもとに、携帯食、テイクアウト、屋台食など、生活スタイルの違いによってさまざまな様相をみせる世界中のお弁当とソトごはんを一冊にまとめました。
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本書で訪れる国々
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●第1章 メニューに注目 世界のお弁当
カラクッコ/フィンランド
「森と湖の国」で包む 1キロ超えのライ麦弁当
エマダツィ/ブータン
見つからない竹籠弁当箱と唐辛子煮
チーズサンド/オランダ
シンプルなチーズサンドへの絶対の信頼
揚げバナナ/パプアニューギニア
バナナを揚げて山道を下る
アーロールとボルソック/モンゴル
仕事をしながらいつでも 遊牧民のカチカチ乳製品
トナカイの干し肉/ノルウェー
北極圏の放牧には凍らない弁当を
●第2章 スタイルに注目 世界のお弁当
おかず棚/インドネシア
弁当も食事もガラス棚からセルフで
シェアスタイル/トンガ
のんびり南の島国の分け合う昼食
ダッバー/インド
三段ランチボックスの用途は弁当以外?
ディジョスタンド/ボツワナ
昼どきのオフィス街に登場 練り粥ずっしりつゆだく弁当
ラクダ乳とデーツ/ヨルダン
砂漠の遊牧民の生きた携帯食
●第3章 お弁当持たずにソトごはん
ピエチョンキ/ポーランド
焚き火専用鍋で雪の中の外時間
マッカラ/フィンランド
森でもサウナ後でもソーセージさえあれば大丈夫
ワティア/ペルー
畑仕事の昼食は現地調達のイモで
アルブード/ヨルダン
粉を携え窯のない砂漠でパンを焼く
カザンカバブ/ウズベキスタン
ピクニックは油を飛ばしてあつあつの肉じゃがを
ポンセン/インド
竹筒で蒸される川魚と唐辛子の共演
●日本で作る世界のお弁当レシピ
エマダツィ/ブータン
サンバル/インド
チュオゲトシラク(思い出のお弁当)/韓国
カラクッコ/フィンランド
ピエチョンキ/ポーランド
●特集
街なかで買って路上でぱくり 世界のサンドイッチ
道端で食事を調達する 世界のストリートフード
お隣の国のお弁当事情 台湾編
お隣の国のお弁当事情 韓国編
留学生が語る私のお弁当
●コラム
アルミの丸盆であつあつをお届け 市場のご近所デリバリー
単なる「弁当代わり」にあらず 世界あちこち給食模様
世界で進化する日本のおにぎり 米は主役かクッションか?
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
「世界の台所探検家」がソトごはん?と思って手に取った1冊。
なるほど、おうちでつくったものを持って行くのが日本の「お弁当」だが、話題が世界に広がっていくと、各国の気候や文化もあいまって、それは「ソトで食べるごはん」の話に拡張されていく。世界のいろんな「昼ごはん」との対比から日本の「弁当」文化のいろいろな側面に触れていて、自分ではそんなふうに気づかなかったかもな、と思うこともしばしば。
読んでていろいろな気づきがあった。
印象に残ったのは以下の2つのフレーズ。
読み終わったあと、本当にそうだなぁとしみじみと味わった。
「ものがない屋外の環境で生まれる人間の工夫というのは、実にスマートな美しさがある。」
「そして、弁当は各地の文化的前提や社会背景を大いに移す「箱」であり、好奇心を刺激されてやまないということも付け加えておきたい。」
Posted by ブクログ
その国で会った人とのやりとりが旅行記みたいにも読めておもしろかった
トンガの一家庭だけが他の子どもたちの分まで持ってきてるのとか衝撃(食べ物だけじゃなく他のとこで助け合いになっていてほしい…)
韓国の混ぜる弁当も美味しそう キムチのちから
Posted by ブクログ
『世界の台所探検』で見つけた「世界の台所探検家」の本、ひさびさです!知らない間にまた新しい探検繰り広げていたんだ!今度のテーマは世界のお弁当。ANAの機内誌『翼の王国』の連載「おべんとうの時間」のワールドワイド版です。これがまたダイナミック!BENTOS ARE THE WOLRD!世界にはいろんな弁当、いろんなランチがあるんですね!弁当を見つめることは、家族を見つめること、仕事を見つめること、生活を見つめること、歴史を見つめること、歴史の変化を見つめること、地域を見つめること、国民性を見つめること…写真も満載で非常にそそりますし、巻末にはレシピも載っているのでお弁当ワールドが拡がる本ですが、でも著者が現地で下痢しながらも体験している面白さには敵わない。「一食は百読にしかず」なんちゃって。ちっちゃな身体、そして多分ちっちゃな胃袋に比しての大きな好奇心、大きな行動力に尊敬を感じてしまいました!これは『世界の食卓から社会が見える』も読まなくちゃ!
Posted by ブクログ
北海道新聞で、河崎秋子さんが紹介していて知ることができた。
著者の紹介を読むと、まず「世界の台所探検家」とある。その後の東大出の修士とか、クックパッドを経て独立、とかはあまり目に入ってこない。探検家、のほうがピッタリくる。それほど世界の、それも砂漠や極寒の地や熱帯まで出掛けて、「お弁当」とは何かを追求する。その旅は、まさに探検家。
NHKの「サラメシ」がなくなって、「他の人が何食べてるのか」知りたい病が治らないまま飢えていた。
これはまさに求めていた本!
まずフィンランドサヴォ地方の携帯食、「カラクッコ」に圧倒される。森で仕事する人の携帯食だという。ライ麦パンの生地の中に、夏とって冷凍しておいた淡水魚や豚バラ肉を入れて包み、オーブンで1時間。外側のライ麦パンが器にもなり、ナイフがあれば外で食べられる。これをあえて弁当と呼ばないのは、食べ物を持参するという文化がないからだという。この郷土食も今は廃れてしまっているらしい。
極寒の地だからか。他にもサーメの人たちが持っていくのはトナカイの干し肉。普段は陽が短いから暗くなる前に帰ってきて、温かいトナカイ肉のスープなどを家で食べるという。うん、わかる。極寒の外で食べたくはない。
他にも見たこともない、聞いたこともない食べ物が次々と調理され、写真で紹介される。焚き火で砂漠で焼かれるパン、鉄鍋で焼かれる肉とキャベツ、ラクダの乳とデーツ、竹筒で蒸す魚と唐辛子など、興味は尽きない。
日本のお弁当に近いものを食べているのは台湾、インドネシアくらいだったかな。
Posted by ブクログ
そもそも「弁当」的な、家で用意したご飯をある程度整えて外に持っていくという文化がある国が少数派なのかもしれない。日本でイメージするような「弁当」というよりは「外で食事をとるときはそれぞれの国でどうしているか?」という感じだが、それぞれの国らしさがあり面白い。
日本で弁当がバリエーション豊かなのは、ジャポニカ米が冷めても粘り気や旨みが減らないから、ということはありそうな気がする。
Posted by ブクログ
いろんな国のお弁当、本当に様々で興味深い。著者の言うように、他国のお弁当事情を知ると、お弁当はおかずが何種類もあって、彩りがないとと思い込み、勝手にハードルを上げていたことに気付かされる。これからは型にハマらず、気楽に自由にお弁当を作ろうと思う。
Posted by ブクログ
日本の「お弁当」を世界で探した、を想像しながら読むと、だいぶズレが生じる。国が違えば、文化も違う。最近のお弁当は映えることをめざしがちだから、それとも比べてはいけない。
お弁当にいい思い出がない自分には、ここにも同じ考えの人がいた!とちょっとうれしくなった。
Posted by ブクログ
世界を巡り、訪れた家庭での料理を体験してきた著者が知る、
国や地域でのお弁当事情を、カラー写真を添えて紹介する。
・はじめに ・本書で訪れる国々
第1章 メニューに注目 世界のお弁当
第2章 スタイルに注目 世界のお弁当
第3章 お弁当持たずにソトごはん
・日本で作る世界のお弁当レシピ
特集、column有り。
・おわりに 主要参考文献有り。
自然環境や社会背景、その地での生活で分かる、
様々な地域でのお弁当事情を、紹介している。
何故お弁当を作って持参するのか。
反対に、何故屋台や食堂、弁当屋を利用するのか。
来る日も来る日もチーズサンドの、オランダの合理性。
モンゴル遊牧民の携帯食。
フィンランドの北極圏に住む先住民の、
凍らないトナカイの干し肉。
お弁当をシェアするトンガ文化。
ヨルダンの砂漠での遊牧民の携帯食はラクダ?
台湾での弁当と便當の違い。
ソトごはんは、焚火料理やキャンプ飯など。
収穫して、その場で作るペルーのジャガイモ料理の素朴さ。
もしかしたら、冷めても美味しいジャポニカ米に、
冷めても美味しいおかずを合わせて作った、
昼まで痛まない日本のお弁当は、稀有なのかもしれない。
Posted by ブクログ
クックパッド元社員の著者が世界のお弁当をリサーチしに行き紹介してくれる本。これはなんだ、ある種の民俗学……?写真も多くて読みやすくとても面白かった。日本のお弁当は頑張りすぎということがよくわかった。芋だけでいいんだよな。でも他の栄養はどこで取ってんのかな?朝晩の食事?と思うけど、そんなに栄養なくても人は生きられるVSバランスのいい食生活だからこそ日本人は長生きなのかも、という感じ。
著者の「なんでもおいしくいただき能力」が高すぎるような気もするが。ググっても出てこないようなニッチな料理がたくさん出てきて面白い。フィンランドの人がやたらソーセージ焼いてるの面白かった。結構みんな「これさえありゃいい」的な食生活、多いんだな~と思った。日本は色々食べたがりすぎなのかも。