あらすじ
かのこちゃんは小学1年生の女の子。玄三郎はかのこちゃんの家の年老いた柴犬。マドレーヌ夫人は外国語を話せるアカトラの猫。ゲリラ豪雨が襲ったある日、玄三郎の犬小屋にマドレーヌ夫人が逃げこんできて……。元気なかのこちゃんの活躍、気高いマドレーヌ夫人の冒険、この世の不思議、うれしい出会い、いつか訪れる別れ。誰もが通り過ぎた日々が、キラキラした輝きとともに蘇り、やがて静かな余韻が心の奥底に染みわたる。
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Posted by ブクログ
笑って、泣いた、暖かい世界
登場人物、癖があっても何だかんだみんないい人、いい動物たちでほっとする作品だった
最後は結局どうなったんだろう?
余韻のある終わり方がまた好き。
暖かい世界だけど、ベースにあるテーマは別離だと思うので切ない…
でも、みんなこの気持ちを乗り越えていかないといけないんだよね。
それを、こんな、不思議で暖かい話で伝えてくれたこの本に出会えてよかった。
Posted by ブクログ
かのこちゃんがお父さんから教えてもらった「どこか変で、でも好きな響きの言葉」
私は「いかんせん」という言葉が好き。会話の中で「いかんせん」を使う人がいると、あ、なんか素敵ーといつも思います。
Posted by ブクログ
鹿男あをによしを読んだ後に手に取りました。少し世界が静かな感じがして、少しずつ読んでいたのですが、かのこちゃんの名前の由来(鹿のかのこ模様)の所から、世界が何だか続いている感じがして、嬉しく感じました。
第三章からは、すずちゃん、玄三郎との別れに涙してしまい、玄三郎とマドレーヌ夫人の夫婦の姿が胸に残り、外出先で涙を拭うのが大変でした。
お父さん、お母さんの様子や、日本家屋の感じなどの描写も本当に懐かしくて、読んで良かった1冊になりました。
Posted by ブクログ
鴨川ホルモーとか鹿男あをによしとかとは、ちょっと違う雰囲気かな。
基本的に氏の作品は、どこか不思議な世界で一風変わったキャラクターが縦横無尽に活躍する、そんな作品が多いイメージだったけども、今回のはそうした雰囲気は少し薄い。キャラがたってるのはいつもどおりだけど、世界観としては比較的ほのぼのしてるし、マドレーヌのねこまた事件も世界を揺るがすような大げさな事件ではない(ネコにとってはそうであったとしても)。
だからこそなのかもしれないけど、ジブリを見ているような気持ちになるし、それでいてどこかに氏の他の作品への入口があるのではないかとワクワクさせられる。盛り上がりどころでスコーンとあがるような作品ではないが、じわりじわりと染み込んでくる登場人物たちの心の表情が大変すばらしい。
これまでこんなふうに感じたことはあまりない気がするんだけれど、できれば映像化はしてほしくないタイプの作品かなと思う。
Posted by ブクログ
万城目学さんの本は初めて読んだ。
古い言い回しがあったりでとっつきにくいかも…と思ったけど読んでいくうちに話に引き込まれた。
かのこちゃんは不思議な感じの子だなぁと思ったけれど、おそらく自分も子供の頃は大人には理解できない言動をしていたんだろうな。
すずちゃんとのやりとりや仲良くなる過程も独特で、子供達ならではの感覚なのではと思う。
猫股の不思議な体験もその後につながるのが面白い。
ファンタジーではあるけれど、こんなことがあったら素敵だなぁと純粋に思える作品。
玄三郎やすずちゃんとの別れには涙が出た。
猫股の体験を使ってかのこちゃんや玄三郎の別れに一役買ったのも良かった。
かのこちゃんがマドレーヌ夫人の気持ちをわかってあげられてるのも大人びていて感心した。