あらすじ
王立学園に聖女見習いの田舎男爵の庶子アイニ・ミッコラがやってきて半年。貴族子息である男子生徒たちはアイニの無邪気な可愛らしさに翻弄され、女子生徒たちはアイニの貴族マナーを無視した振る舞いに憤りを覚えていた。そんな中、巷で流行の物語になぞらえて「悪役令嬢」と呼ばれることになった三人の令嬢がいた。王太子の婚約者であり、自らも高潔無比な侯爵令嬢セラフィーナ。商才に長け、一代で財を成した裕福な子爵家の気高き令嬢サンドラ。現宰相を抱え王家とも縁の深い侯爵家の、聡明な令嬢ベルナルデッタ。「悪役令嬢」と呼ばれる三人が、「聖女見習い」アイニと対峙するとき、それぞれが選ぶ道とは? これは「悪役令嬢」と呼ばれる彼女たちの、矜持と選択の物語――! 分冊版第15弾。
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ベルナルデッタ
今回からはベルナルデッタのお話です。彼女の父メリカント侯爵は宰相ですが、5歳のときに彼女の母が亡くなると、愛人を後妻にして、その息子サウリとともに屋敷に住まわせました。彼女の話すことはサウリもかつていた婚約者も理解できず、やがて彼女は対等に話せる人がいないと悟りました。それから彼女は周りの人に合わせて過ごすようになりました。父とだけは対等に話ができたのですが、やがてサウリに後継者教育を施すことになり、父と話すこともできなくなりました。彼女がいつも伏し目がちなのは、このような家の事情があったからなのですね。