あらすじ
王立学園に聖女見習いの田舎男爵の庶子アイニ・ミッコラがやってきて半年。貴族子息である男子生徒たちはアイニの無邪気な可愛らしさに翻弄され、女子生徒たちはアイニの貴族マナーを無視した振る舞いに憤りを覚えていた。そんな中、巷で流行の物語になぞらえて「悪役令嬢」と呼ばれることになった三人の令嬢がいた。王太子の婚約者であり、自らも高潔無比な侯爵令嬢セラフィーナ。商才に長け、一代で財を成した裕福な子爵家の気高き令嬢サンドラ。現宰相を抱え王家とも縁の深い侯爵家の、聡明な令嬢ベルナルデッタ。「悪役令嬢」と呼ばれる三人が、「聖女見習い」アイニと対峙するとき、それぞれが選ぶ道とは? これは「悪役令嬢」と呼ばれる彼女たちの、矜持と選択の物語――! 分冊版第7弾。
※本作品は単行本を分割したもので、本編内容は同一のものとなります。重複購入にご注意ください。
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代理
サンドラの婚約者オルヴァの弟ジェラルドが迎えに来たのは、兄に急用ができたので、代理でエスコートを頼まれたからとのことでした。ジェラルドは彼女が探し求めていたティルゲル伯爵夫人の初期ブランドのブローチを彼女に差し出しました。しかもそれはジェラルドとお揃いなのでした。ジェラルドは兄よりも剣の腕が劣ることを卑下していますが、彼女は自分の長所を生かすべきだと言いました。それを聞いたジェラルドは彼女にパーティーのあと、時間をとって欲しいと頼みました。ジェラルドは彼女にどんな話をするのでしょうか?