あらすじ
辻原志織は34歳、愛する夫・誠太は不妊治療にも協力的だ。しかし突然、誠太が失踪――残された手紙には志織への懺悔が綴られていた。最愛の人を得るために、あなたならどうしますか?どこまで許せますか?
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Posted by ブクログ
この本を読む前はね、
私は「使う派」でした。迷う余地なく。笑
だけど、そういうアイテムを介することで相手が見えなくなってしまうこともあるな、と、この作品を読んで思いました。
恋愛は特に、常に生身の人間同士のコミュニケーションだし、人のことなんて全て理解できるわけないので、だからこそ分かり合おうと言葉を尽くさねば、伝わるものも伝わらないですものね。
でも、そういう大事なことほどわかんなくなっちゃうんだよな〜!(自戒)
加藤千恵さんの解説に書いてあった、
「人の気持ちが、とうてい白黒つけられないものであることもまた、本作によって改めて気づかされた。気持ちはたいていグラデーションだ。」という一節が心に残っています。そう、人間ってのは純度100%でいる時の方が少ない、複雑な生き物なんだ。