あらすじ
愛した男に騙され仕事を失った美菜代は、凄腕の復讐屋がいるという噂を聞きつけ、その男、成海慶介の事務所を訪ねる。しかし提示された依頼料は高額で、とても払えない。追い返されても諦めきれない美菜代は成海のもとで働かせて欲しいと頼み込み、押しかけ秘書となるが――。どうしようもない人生の不条理に直面する人々の悲喜交々を描いた、ユーモアと優しさ溢れる復讐劇が新装版となって登場! 解説:奥田亜希子
※本作品は2018年7月に小社より刊行した文庫『復讐屋成海慶介の事件簿』を改題した新装版です。
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Posted by ブクログ
すっきり爽快!復讐完了!ではなく、生きていくことについて考えさせられる場面があった。
復讐心とまではいかなくても恨みたい気持ちや見返してやりたいと思う気持ちは誰しも少しは感じたことがあると思う。でもきっとやり返したところで爽快感は一時のもので、後悔することもあるかもしれない。お互いに生きているというところでは対等だから。
そんな時にこの事務所があったらいいなと思う。
2人のお話をもっと読みたい。
Posted by ブクログ
ストレスを発散したくて手に取った一冊。復讐をテーマにしているのだから、多少はスカッとできるのでは――そんな期待があったのも事実。
けれど読み進めるうちに気づくのは、この物語が単純な“発散”のためのものではないということだった。むしろ、復讐という選択肢そのものを静かに問い直してくる。
「復讐しない」という結論に向かう展開には、正直なところ驚きもあったし、ある種の裏切られたような感覚もあった。けれどそれは、怒りを外にぶつけるのではなく、自分の中でどう扱うかという視点へと引き戻される体験でもあった。
ただ、強いストレスを抱えているときに読むには、やや相性が分かれるかもしれない。スッキリするというよりは、考え方の方向を変えられるような一冊。
Posted by ブクログ
癖強すぎる復讐屋の鳴海所長、嫌なやつ〜!笑 と、
思いながら読み進めてたけど 後半で鳴海所長の生い立ちを知って壮絶で辛すぎて もう彼がどんな振る舞いでも許せるくらい、おおらかな目で見るようになった…(泣)
Posted by ブクログ
個人的には湊かなえさんの『告白』に続き、復讐をテーマにした作品を読むことになりました。偶然とはいえ、続けて読むことで「復讐」という行為のさまざまな形が描かれていて興味深かったです。
本作は、復讐代行を請け負う成海事務所を舞台に、依頼人である女性たちの物語が連作形式で描かれています。主人公の神戸美菜代は、元恋人に裏切られ退職に追い込まれたことをきっかけに事務所を訪れ、成海慶介と出会います。復讐を望んでいた美菜代ですが、依頼は断られ、なりゆきで事務所を手伝うことになります。
婚約破棄をきっかけに復讐を望む女性、オーケストラ内の人間関係に悩むヴァイオリニスト、遺産相続をめぐる複雑な事情、盗作問題に苦しむシナリオライター志望の女性など、それぞれ異なる事情を抱えた依頼人が登場します。どの話も単純な勧善懲悪ではなく、「復讐したい」という感情の裏にある事情や弱さが丁寧に描かれているのが印象的でした。
特に印象に残ったのは、成海が必ずしも復讐を積極的に勧めるわけではない点です。依頼人の感情を受け止めながらも、結果として憎しみが薄れる方向へ導くことが多く、復讐屋でありながらカウンセラーのような側面も感じられました。一方で、対象となる人物には裏から手を回して報いを受けさせる場面もあり、単なる善人ではないところが物語に奥行きを与えています。
美菜代は秘書として非常に有能で行動力もありますが、イケメンに弱いという人間らしい一面があり、その危うさも含めて印象的なキャラクターでした。復讐に向き合う中で彼女自身がどう変わっていくのかも見どころのひとつだと思います。
復讐は何も生まないと言われますが、理不尽な目に遭った相手を簡単に許して前を向くことの難しさも本作は描いています。復讐という行為そのものよりも、そこからどう気持ちを整理していくのかを考えさせられる作品でした。
物語はまだ続きがありそうな終わり方で、美菜代の今後の活躍をもっと読んでみたいと感じました。ドラマ化にも向いていそうな作品だと思いました。
Posted by ブクログ
おもしろかった。
学生時代はたくさん読書したのに社会人になってから億劫になり本が読めていないことが悲しかった。
積読は増えていくものの手に取ることはない毎日だったが、思い切って読み始めたのがこの本だった。最初に選んだ意味は特になかったが進みが良く一話一話読んでいると週間ドラマ?を観ているようで楽しかった。
会話が多いからかな?
主人公も共感しやすく等身大のひとがたくさん出てきて、まさに人生ドラマ、な感じ。
人の人生には目に見えることだけではなく、また受け取り方次第でどうにでもなることが救いになる物語だな、と感じた。
【ネタバレ?】↓
最後の最後、この流れからどう終わるんだ…?!あとこのページ数しかないのに…!と本の内容とは違う意味?ではらはらしたがスカッと終わり、後味のいい作品だった。
見てくれていること、気付いてくれること、動いてくれることがものすごく嬉しかった。
嫌なことがあるとその嫌なことばかりに執着してしまうけれど、そうでないこともたくさんあって、そうじゃない人もたくさんいて、なんとかなると思うしかない。
復讐するは我にあり、覚えていたい言葉ですね。
なんとかなる日がいつくるかわからないけど
いつまでも来ない気がするけれど、
それでも信じて自分を大事にしなきゃね。難しいけど。
こんな人生も悪くない、と思える日が来ますように
Posted by ブクログ
切なくて優しい、好きなタイプのお話。
復讐したい気持ちに共感できて、でも復讐しないことが結局はいいんだよ、というのが読んでいて心地よい。
Posted by ブクログ
『復讐屋 成海慶介の事件簿』というタイトルの本の題名を変えて新装版で出されたものだった…新しい本かと思っていたのに、何だか騙された気分(泣)
とりあえず、内容としては、まぁまぁ。女が男に復讐したくなる時は、得てしてこういうものだなぁ、と思って読んだ。
初めは復讐屋といいつつ復讐しない成海に、詐欺やんけ〜と思ったりもしたけど、復讐しない事に大きな意味があって、しかも成海の幼い頃の母親が起こした事件も相まって、悲しいし切ないな、と思うように。
相続を放棄したほうが幸せ、のくだり、本当かも?
成海と主人公の女の子のその後が気になるけど、今のところ続編はないみたい。
Posted by ブクログ
原田ひ香さんってお金の話をリアルに書くのが得意なのかなーとおもった。最初の設定を見てわたしだったら誰に復讐するかなーとおもったとき、嫌いな人とか嫌な気持ちになったことはたくさんあるけれども大金を払って復讐したい人はいないことに気付いて、わたしの人生悪くなかったのかもとおもえた。あと「復讐は我にあり」はなるほどなとおもった、人への復讐じゃなくて自分がどう変わるかが大切なのかな。
本自体はおもしろくはあったけど誰かに勧めたいかと聞かれたらそうでもないかもなー
Posted by ブクログ
読後一番の感情は、恐怖。
寒気がするほどの恐怖を感じました。
特に終盤はキツかった...
よくここまで人の悪意を言語に落とせるなと。
一話ごとに人の黒い部分に触れるので、結構心にもきます。そもそも復讐ものなので、、
ここからはネタバレなので悪しからず。
一言、やっぱり復讐はしないと!
スッキリしないですよね...
Posted by ブクログ
最近よくあるスカッとものと思いきや、どちらかというとじんわり系。
憎しみに囚われた心をいつの間にか再生してくれるような物語だった。
実は美菜代が気づかないところで、誰かが影で動いているのかとか期待したが、そうでもないらしい。
出入りしていた謎の人たちは、なんだったのだろう。
少々未消化な部分が気になったけど、まぁおもしろく読めた。
要は依頼した段階で、復讐はほぼ成し遂げられたようなものなのだろう。
憎むべき相手がギャフンとなるところを知り爽快だったとしても、傷ついた心は元には戻らない。
理不尽な思いをする人は、基本的に心優しいから、逆に新たに傷ついてしまうのだろう。
こんな復讐もあってよいのかもしれない。
2025/10/24 07:10