【感想・ネタバレ】この夜が明ければのレビュー

あらすじ

北海道東端の港町で行われる水産加工の夏季アルバイトに参加した秀吾は、六人の男女と宿舎に泊まりこみ仕事に励んでいた。しかしある晩、アルバイトの男の一人が遺体となって見つかる。通報しようとした秀吾だが、「警察を呼ばないで」とバイト仲間の一人に懇願され携帯電話を奪われる。秀吾は異議を唱えるが、他のアルバイト達もみな警察を呼ぼうとしない。どうやらこの宿舎にいる者達は、それぞれ人に言えない秘密があるようで……。一夜のうちに次々と見える世界が反転する傑作サスペンス!

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Posted by ブクログ

ネタバレ



面白かった。
最後まで予想がつかなかったのと、登場人物達の壮絶な過去に同情したり、もし自分だったらどうするか一緒に苦悩した。
自分以外の人間に支配される生活は辛く苦しいだろう。
逃げたくなるのも当然だと思う。

ラストは清々しく、私的には「よかったじゃん!」という感じだったけど、もしかしたら賛否両論あるのかもしれない。

アルバイトメンバー達の幸せを祈っています!

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2025年08月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

岩井圭也さんを読むのはこれで二冊目。
北海道東端にある港町で、マスを捌く季節バイトに集った7人。
ある日、そのうちの1人が崖から落ちて無くなっているのを発見するが、なんと6人中4人が警察に通報するのに反対するという展開に。
正義感の強い青年の「シュウ」は、人が死んでいるのであれば必ず通報するべきだと主張するが…
「騙された末の不法滞在」「決して自分を認めない毒親からの脱出」「家族に介護殺人という濡れ衣を着せられ逃走」「離婚を認めないモラハラDV夫からの呪縛」等、警察に通報できない事情を4人はそれぞれかかえています。
4人が通報を反対し、自身の問題から逃げる事が正解ではないかもしれません。
しかし、4人それぞれが今の状況に陥るまでの過程が悲痛すぎて、同情する気持ちが抑えられず、読んでいて胸が締め付けられました。
「シュウ」は、とにかく自分が正しいという信念を持つ人物で、自分のことを否定する存在を恐れ、物事を「黒」と「白」という二つの側面からしか捉えられないため、所謂「グレー」の世界にいる4人の境遇を全く慮ることができません。
そんなシュウが、最後に過去の自分を捨て、新たな自分に生まれ変わろうとするラストシーンが良かった!
ルールや規定を守ることはとても大事ですが、それだけに囚われて思考を停止してしまうことは、他人の考えを否定してしまうことを教えてくれる一冊でした。
犯人も最後の最後まで分からず(結局自殺)、伏線もいくつも張られていて、ミステリとしても非常に面白かったです。

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2025年04月26日

ネタバレ 購入済み

ページを捲る手が止まらなくなる

面白かったです
それぞれに秘密があって、徐々に暴かれていくのですが、早く読みたいと思わせるストーリー構成がお上手で勉強になります
秘密を抱える登場人物の事情に、同情できたりできなかったり。
そこもまた、人間の多面性を描いているのかと思います

#深い #タメになる

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2024年12月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「逃げる」ことがこの先の未来を明るく照らすことをここまで納得させられたのははじめてだった。
何がいいか悪いかなんて誰にもジャッジできないものだなって思う。

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2024年10月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

大学生のとき、いろいろなアルバイトをした。レストラン、水商売、弁当屋、清掃員、中元歳暮の百貨店、球場のビール売り…ただ季節季節に限り、住み込みでひと夏ひと冬で稼ぐようなアルバイトはした事が無かったなあ。海の家とかスキー場なんてのもそうかな。

この小説の舞台は、漁業の季節バイトをしに北海道に集まった七人の男女が殺人事件に巻き込まれる話だ。

ある日、リーダー格の男性が死体で発見される。当然警察へ通報する…はずが、一人を除き通報することを拒む…それは何故?
その後、それぞれの視点で順次語られる警察に通報されるのは困る事情…物語はたった一夜のことだけなのが面白い。

秘密のない人間なんて、きっといないかもしれない…清廉潔白をうたう人も実は…なんてことが世の中にはあるのだろうな。

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2025年07月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

初めて文庫本を3時間強で読破しました。
一文一文が短く簡潔で読み易いため、工夫の凝らされた文章を楽しむというより、展開を楽しむ本という印象です。
映像化したら面白そう。

登場人物がみな魅力的でしたが、主人公と唯ちゃんだけがずっと気味が悪かったです。
その不気味さも、心の内が知りたくて早く読み進める促進剤となりました。
独白シーンで、主人公には共感できましたが、唯ちゃんは本当に気持ち悪いと思いました。

最後は皆でお金持ってバイト飛んだという解釈で合ってるのでしょうか。
本人たちが自分の過去をそれで清算できるなら、それでよいのでしょう。
雇用者が可哀想だな、と思いましたが。

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2024年10月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

今までのような興味を広げてくれるタイプの作品ではなく、ミステリーっぽい作品を読んでみた。

「警察を呼ばないで」
彼らには、それぞれ人に言えない秘密があった。自分の無罪を主張するために、1人ずつ過去を語り始めるが。。。

それぞれの過去が辛くて重い。
全員の悲惨な過去を聞き続けるのが苦痛になってしまった。
私は現実逃避で読書してるので、この手の現実にありそうな重い話は苦手だ。

その中には自分が直面している介護問題もあり、自分で傷口に塩をズリズリ塗り込んでいるような感じになって読むのが辛かった。
【「いやぁ……俺が代わりに面倒見たいくらいだよ」「だったら、やってみろ」】
兄弟のセリフがリアル過ぎて辛い。
こういう一言がどれだけ相手の心を傷付けるか、言う方は一生わからないだろうな。

岩井さんの伝えたいメッセージはわかるんだけど、何となく腑に落ちないラスト。
読後も傷口は痛いままで、モヤモヤが残った。

自分的にはなんだけど、岩井さんの作品では自分の知らない新しい世界を教えてくれてるテーマの方が、やっぱり好きだな。

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2025年04月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

途中まではあんまり考えずにミステリ感覚で読んでたけど、この作者にはこの作品を通して伝えたいことがあるんだなぁと思って、そう思うといい話だなと思った。

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2024年10月30日

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