あらすじ
森田みどりは、高校時代に探偵の真似事をして以来、人の〈本性〉を暴くことに執着して生きてきた。気づけば二児の母となり、探偵社では部下を育てる立場に。時計職人の父を亡くした少年(「時の子」)、千里眼を持つという少年(「縞馬のコード」)、父を殺す計画をノートに綴る少年(「陸橋の向こう側」)。〈子どもたち〉をめぐる謎にのめり込むうちに彼女は、真実に囚われて人を傷つけてきた自らの探偵人生と向き合っていく。謎解きが生んだ犠牲に光は差すのか。痛切で美しい全5編。
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Posted by ブクログ
みどり。探偵。母親。謎を解き明かしたい。時計。父親。防空壕。自分が時計。父親を殺したい。千里眼。闇バイト。陸橋。渡ってしまう人。クルド人。探偵の子。子どもは親を見て育つ。
Posted by ブクログ
★4.5
物語としては面白い、みどりさんの知りたがり癖のおかげで、いろんな謎や人の秘密に触れることができて大変面白い探偵小説。
奥行き深くなるのは夫である司さんと、二人の息子の存在。知りたい欲求だけを突き詰めるだけなら普通の探偵小説だけど、家族がいることで生まれる葛藤がリアルで胸に迫る。
333項「私とお前、ふたりとも大丈夫だったじゃないな。理もきっと、大丈夫だよ」大丈夫かもしれないけど、そこにいきつくまでに、司さんが大丈夫じゃないかもしれない未来も想像してしまう。シングルマザーの探偵小説が生まれてもおかしくない。が、どんなものになるか、心のどこかで期待してもしまう。
Posted by ブクログ
闇バイトや移民問題といった現代の社会に絡めた話が興味深い。エンタメとしての面白さももちろんあるし、シリーズとしてまたみどりさんに会えたのも嬉しい。これまで多分みどりさんの家族の話はそんなになかったと…うろ覚えだけど思うので、謎を異常なまでに追ってしまうみどりさんの家族への思いが見られたのも良かった。変わってる、って社会で生きていくのが難しいので、理くんはきっと大丈夫ってお父さんに言われてすごく安心しただろうなと思った。
Posted by ブクログ
森田みどりは、高校時代に探偵の真似事をして以来、人の〈本性〉を暴くことに執着して生きてきた。
気づけば二児の母となり、探偵社では部下を育てる立場に。
時計職人の父を亡くした少年(「時の子」)、千里眼を持つという少年(「縞馬のコード」)、父を殺す計画をノートに綴る少年(「陸橋の向こう側」)。
〈子どもたち〉をめぐる謎にのめり込むうちに彼女は、真実に囚われて人を傷つけてきた自らの探偵人生と向き合っていく。
謎解きが生んだ犠牲に光は差すのか。
匿名
注意!こちらは二作目です
「五つの季節に探偵は」の続編らしい(他にも関連作があるようです)ので、この作品だけでも読めないことはないのですが、順番が気になる方はそちらから読むといいかもしれません。また試し読みなどもできるようなので、そちらを読むのもよいかと。
感想を読むと主人公みどりの性格がけっこう評価が割れていて、みどりを受け入れられるかどうかがこの作品を読み通せるか、好きになれるかのカギになっているのかなと思います。
私はダメでした。「謎を見ると何をほったらかしても暴きたくなる性質」について一応本人も悩んではいるものの、作中では好意的に受け入れられている描写が多く、え?となってしまいました。
なんでもかんでも知ろうとする、しかもそれを相手にもすべて暴きたがる、自分で欲求を止められないみどりがどうしても好きになれなかったです。作品のテーマなど良いところもあったとは思うのですが。
出てくるキャラクターほぼ全員なんとなく馴染めず疑問符が浮かぶ苦手な性格をしていて、ミステリーにはそんなものはいらないのかもしれないけれど…と微妙な気持ちになりました。