あらすじ
18世紀ロンドン郊外。40歳の誕生日をむかえたティファニーは独身で、異母兄の世話をして暮らしていた。横柄に振る舞う彼のもと、お茶の缶には鍵がかけられ、昼食はなし、大好きな歌を歌うことも、本を読むことも制限される日々。そんなある朝、異母兄を起こしにいくと返事がない。日頃から体調が悪かった彼は、ベッドの上で息絶えていた。ようやく自由になれたかもしれないと思ったけれど、独身女性が就ける仕事はとても少ない。それにこの家は、異母兄のしていた公爵家の図書係という仕事のために、雇い主が貸してくれているものだ。このままでは住む家すらなくなってしまう……天涯孤独で行き先もないティファニーは悩み、大胆な決断を下す。それは、異母兄になりすまして、公爵家の図書係として働くことだった!
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Posted by ブクログ
面白かったけど、主人公の設定周りが好みじゃなかったので、やや減点。
面白かったのは衣装や手紙周り。インクを乾かすために砂をまくとあるのが面白い。
主人公のティファニーが兄になりすますというのも知らずに読んだので、冒頭、死んでびっくりした。裏表紙のあらすじすら読んでなかった。なんで読もうとしたのかも忘れてる。
兄の死体を埋めて湖に入るところは洗礼だな、と感じた。第二の人生。
そこでサミールと出会うのもなんか聖書的。
40歳ながら実は美人なんですよと思わせる描写は好きじゃなかった。兄そっくりでなんでそうなる?サミールがティファニーに惚れたから?ビジュアル面の設定は好きになれなかったが、兄そっくりの顔立ちで身長が高いのが良い。そこは好き。
時代への知識はジェイン・オースティンの高慢と偏見でよく知ってるので、ほんとにうんざりするくらい女性の生き辛さはわかっていたので、ティファニーが兄になりすますのも無理ないなと思った。
兄が死んで、男のように振る舞ってようやく、意見を言えたり行動出来るようになって良かったねと思う反面、じゃあ今まで何してたんだ、という気持ちも。それを言ったら話が始まらないが。
ヒロインの年齢を高めにしたのは、読者の年齢もそれくらいという想定か?なかなか見ない年齢設定でそこは新鮮でありつつ、やっぱりそれまでの人生の空っぽさが気になった。空っぽだからこそピンチになってなりすますことになったけど。
兄ユライアからしたら身内をこき使えるので人を雇うより楽だったろうな。ティファニーはかつての婚約者が忘れられず、かといって家を出るほどのガッツも無く、って感じか?
ミステリーとしてのワクワクさは無くて、犯人への有罪が決まって死刑になるスピーディーさに驚いた。冤罪だったらどうするんだよってくらいの人権意識の低さ。こわ。
この時代の身分の差や生活や服装などが面白くて楽しめた感じ。