あらすじ
希和は、小4の息子・晴基が書いた「こんなところにいたくない」というメッセージを見つける。本人に確かめたくても動き出せない希和は、民間学童で働き始めるが――息苦しい日常を生き抜くあなたに贈る物語
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Posted by ブクログ
裏表紙のあらすじに『あなたのための物語』と書いてあったが、想像以上に『わたしのための物語』だった。
家庭環境や生育環境はそこまで似ていないけれど、
希和の感じる鬱屈や不安にとても共感できた。「そうそう!こういうことあるある!!」と、読みながら何度頷いたことか。
会話していて楽しいと感じた相手が、別の人に対して無自覚のマウントや無理解な言動を屈託なく行なっていたり。自分を(少なくとも自分から見たら)理由なく嫌い低俗なイジワルをしてくる相手が、子どもに対しては素敵で心に残る言葉をかけていたり。
『いいひと/いやなひと』という二元論では表せない、『ふつうのひと』のグラデーションをとても繊細に書き表していると感じた。
作中で起こる事件や希和と周囲の人々との関係は、決してスッキリ解決はしない。
だけど自分の声のありかをはっきりと定めた希和の今後は、きっと明るい。そう感じさせる、希望の持てるラストだと思った。
Posted by ブクログ
最初は旦那とも子どもとも向き合えてなかった主人公が、放課後デイサービスでのパートを通して、向き合えるようになっていけたのがよかった。それにしてもママ友ってしんどいな〜、、なかなか自分の意見を言うって難しいけど、加担するようなことはしたくないなあ
Posted by ブクログ
子どもの世界でも親の世界でも、理由なくふとした拍子にものすごく息が苦しくなるような時があって、そういう“声にならない声”を掬いとって文字にして代弁してくれる寺地さんはやはりスゴいな。
協力的でない夫や少し距離を感じ始めた小4の息子、あっち側の同級ママたちに抱く希和のモヤモヤとした思いも、息子の晴基の本音も解決することはないのだけど、こういう感情を抱えながら続いていくのが生きることなんだなと思える。
大人だから完結してることはなくて、大人でも成長途上にいるんだと『声の在りか』を見つけた希和を通して気づかされた。