あらすじ
茨城県の住宅で顔面に劇薬をかけられ滅多刺しにされた男女の死体が発見される。
現場には犯人の下足痕・指紋・DNAまでもが残されていた。
関係者を洗う敷鑑班に割り振られた捜査一課の和井田は、被害者たちがジュニアアイドル事務所を経営し、12歳以下の幼い少年少女にきわどい仕事をさせていたとの情報を掴む。
多方面から恨みを買っていたと確信する和井田のもとへ指紋鑑定の結果が。
指紋は椎野千草という女性のデータと一致し、彼女はかつて起こった一家心中事件の生き残りで、和井田の親友・白石が家裁調査官として担当した少女だった。
和井田は千草の話を聞くために白石を訪れるが、白石は「彼女に人は殺せない」と主張。
それには千草の父親が起こした一家心中事件が深くかかわっていた。
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Posted by ブクログ
読んでてすごい苦しくなった。
今回の人生はハズレだった。
次は人間になれるかな。
辛すぎる。
結局千草にも救いがあったのか分からないし。
生まれ変わりなんてないよ、生まれてきただけで子どもたちには幸せになれる権利があるのに。
Posted by ブクログ
イヤミスかな?
なんか、人物の設定が児童虐待で、ネグレクトや児童ポルノに出させたり、殺人者だったり…で、嫌な気にさせられる。
簡単に言うと、親から愛された事のない子は愛し方を知らないという話だった。
愛する事とは何かを探しながら殺人を犯してしまう悲しさがあった。
タイトルにある死蝋は偶然の産物で、深い意味はなかったが、犯人にとっては意味のあるものだった。
Posted by ブクログ
元家裁調査官、白石 洛と県警捜査第一課の和井田 瑛一郎がそれぞれの領域から事件の真相を追う。
多くの事件が死蝋やジュニアアイドルなどによって複雑に絡み合う。
二人の捜査により、それぞれの事件に深く踏み込んでいくほどに、大人に利用され搾取された子ども達の実態が明らかになっていく。
「ジュニアアイドル。U-12グラビア。児童ポルノ。走馬灯のように駆けめぐる。“影”の記憶にいまも残る、かわいそうで可愛い少女たち。
─── あのうち、何人が大人になれたな。
おそらく十二、三人は自殺していそうだ」
衝撃だった。そうだ、離れられて良かった。ではすまない。この大人たちの醜態は子どもの体と心を蝕み、社会と隔絶させ、命をも奪う。
─── わたしは、愛したい。
─── 愛させてほしい。愛したい。
愛されることがなかったから、愛することがわからない。
登場人物の心の叫びが、とにかく重く重くのしかかってきました。