あらすじ
人生の折り返し地点を過ぎ、将来に漠然とした不安を抱える久志は、天文学者になった同級生・慧子の帰郷の知らせを聞く。手作りで天文台を建てるという彼女の計画に、高校3年の夏、ともに巨大タペストリーを作ったメンバーが集まった。ここにいるはずだったあと1人をのぞいて――。仲間が抱えていた切ない秘密を知ったとき、止まっていた青春が再び動き出す。
喪失の痛みとともに明日への一歩を踏み出す、あたたかな再生の物語。
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Posted by ブクログ
高校最後の夏、みんなで作った巨大なオオルリの空き缶タペストリー。天文学者になった彗子(スイ子)が地元・秦野に帰ってきたのをきっかけに、45歳になったメンバーが再び集まる。
彼女が始めようとしていたのは、手作りの天文台づくり。「そんなの無理でしょう」と思いながらも、それぞれの理由を胸に秘めて手伝う同級生たち。
特に刺さったのが「四十五歳定年制」という考え方。若い頃に思い描いていた未来の自分と、今の自分。そのギャップに気づかないふりをして、なんとなくやり過ごしてしまう感覚に、すごく共感した。誰かと比べたり、周りの評価に影響されたりして、しあわせの基準も少しずつ変わっていってしまう。
一度区切りをつけてリスタートする、というのも悪くないのかもしれないなと思った。
終盤は涙腺がゆるみっぱなし。何歳になっても、夢を語っていい。そんな希望を、そっと渡してもらったような読後感だった。
Posted by ブクログ
40代のままならない現実
少しミステリアスで成績優秀だった同級生が天文台を作るために故郷に帰ってきた。継いだ家業がイマイチな久志、それなりの現実を送っている千佳の二人をメインに限られた予算の中、DIYで天文台を作ることになる。
高校時代の空き缶タペストリー制作とシンクロして、それぞれが過去の自分と向き合うことにもなり、いまひとつ煌めいていない現実と折り合いをつけようともがいている。
やっぱり若いときになにかやっておくというのは大切だなぁと伊与原先生と同年代の私も思います、向き不向きはありますが。多少がんばっていたことはあったけど、多少不登校気味でもあったので人と力を合わせてなにかを成し遂げたことがほぼほぼないのです(汗
思い出があるって素晴らしいな。それは糧となっていつでも立ち上がることができる。