【感想・ネタバレ】闇祓のレビュー

あらすじ

転校生の白石要は、少し不思議な青年だった。背は高いが、髪はボサボサでどこを見ているかよくわからない。優等生の澪は、クラスになじめない要に気を遣ってこわごわ話しかけ徐々に距離を縮めるものの、唐突に返ってきた要のリアクションは「今日、家に行っていい?」だった――。この転校生は何かがおかしい。身の危険を感じた澪は憧れの先輩、神原一太に助けを求めるが――。学校で、会社で、団地で、身の周りにいるちょっとおかしな人。みんなの調子を狂わせるような、人の心に悪意を吹き込むような。それはひょっとしたら「闇ハラ=闇ハラスメント」かもしれない。「あの一家」が来ると、みんながおかしくなり、人が死ぬ。だから、闇は「祓わなくては」ならない――。辻村深月が満を持して解き放つ、本格長編ホラーミステリ!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

闇ハラスメントって言葉を知ると、案外近くにあるのでは…?とゾッとする

各短編もゾクゾクしますが、終盤の畳みかけや注意書きに震えました
結局人間が一番怖い……………

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2025年10月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

リアルにこーゆー人いるよな、、ってゾクゾクして面白かった!!でも鈴とか竹に弱いのだけ謎!もとは普通の人間じゃないの??

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2025年08月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

情景が伝わってきてすごいハラハラした。特にみおの話。先を早く知りたいとソワソワして読めた。
でも、エピーソードが類似しており、1つのエピソードの伏線が明かされると他のエピソードの意味も想像がついた。そのため、一度結末が予想できてしまえば、それ以上の驚きはなかった。

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2025年07月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

◾️record memo

私たちの間で、「先輩」と言ったら、神原先輩一人のことを指すようになるまで、澪は神原に憧れたし、夢中になった。
けれど、その神原一太とはどんな人だったのだろう。憧れていたけれど、澪も神原のことを------この人のことを、何も知らない。こんなふうに澪を「わかってる」「知っている」と断言してしまうような人だなんて、思わなかった。

こんなふうに、友達のために真っ当にやるせなさから涙を流せる、そういう世界に、わたしは帰ってこられたんだから。沙穂のこの正しさを、優しさを、誰にも否定させたくなかった。
けれど、花果は行ってしまったのだ。
澪が気弱さを繰り返し、神原に責められたように。その弱さにつけ込まれたように。花果の中にも、つけ込まれる闇のもとは、確実にあった。

澪にあれこれ指図する神原の目の奥には、あの時、確かに闇があった。真っ黒いそれを覗き込んでしまったら、そこからはもう澪たちが普通に生きている世界の常識とか真っ当な考え方なんて一切通用しない。あの人の全身から、その感じがオーラみたいに漂っていた。

「花果が心配だから」
この気持ちを欺瞞だと言われても、別にいい。
博愛主義、と呼ばれても。
優しさは、弱さかもしれないけれど、それをなくしてしまうなら、弱いままでいい。否定させない。変わる必要なんてない。
心配、責任を感じる、私のせい------、先回りして謝る。
それらすべてが自分のためにしていることで、それが優しさでないと言われるなら、それも仕方ないと思う。

「みんな、言われたい言葉なんか、決まってるんですよ」
唐突に、ジンさんが言った。とても穏やかな声だった。
「え?」
「相手にかけてほしい言葉。みんな、悪くないって言ってほしい。あなたの正義が正しいって認めてほしい。そうしてくれる相手には、みんなどこまでも自分の話をしてしまえる。委ねてしまえる」

「僕が捜してるそいつらは、自分の闇を押しつけることで相手の闇を引き出して、相手を同じ土俵に引きずり込むんだよ。追いつめて、相手から思考力や気力を奪って、何が正しいのかもわからなくさせる。視野を狭くさせることで相手の中の闇を育てて、狙いをつけた相手自身のことも、厭なふうに変えるんだ」
「厭なふう?」
「そう。厭なふう。感じの悪い、人を攻撃したり、自分の中の闇を相手に押しつけるような人間にしてしまう。そうやって、さらにその周りの人間を死や闇に引きずり込んでいく。------おそらく、この団地ではもうそれが起こって、終わった後だ」

りーん、というその音に、靄が------燃える。
靄の真ん中から、炎が爆ぜる。空っぽだと思っていた綿の芯から、パキパキパキパキ、と竹のような何かが爆ぜる音がする。燃える靄がブスブスと体の内側から黒く焦げていく。あまりの苦しみと痛みに悲鳴を上げながら、ああ、この靄も綿も、最初から、この色だったんだ、黒かったんだと理解していく。
闇だったんだ。

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2025年11月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

久しぶりの辻村作品でした。
流行りの「ハラスメント」かと思いきや「闇祓」。
立場の異なるヒトのそれぞれの物語かと思いきや・・・実は繋がってた!最終章の集結ぶりが爽快だった。

言葉と行動で、ヒトのココロを掴むことって、意外と容易いのかもしれない。
いつの間にか存在している〇〇家。っていう設定だけ、ちょっと鼻じらんだけれど。

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2025年10月21日

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