あらすじ
アニメも話題の傑作シリーズ新装版第4巻!
藤子・F・不二雄が生涯を通じて追求した歴史や遺跡巡りへの情熱が、壮大なスケールでSFに結実した渾身のライフワーク!
平凡な中学生、並平凡(なみひらぼん)が、T・P(タイムパトロール)として、先輩隊員のリームとともに、歴史をたどり、命を救う、歴史SFアドベンチャーの傑作!
全世界・全時代を通じて不幸な死を遂げた人々を助けに行く未来の組織、T・P(タイムパトロール)。ある日偶然にその存在を知った平凡な中学生・並平凡(なみひらぼん)は、先輩隊員リームの指導を受け一人前を目指します。
歴史の定めに抗いながら、目の前の命を救おうとする彼らの冒険と葛藤が深い共感を呼ぶこの名作が、藤子・F・不二雄作品約30年ぶりに、新作アニメシリーズ化。
この機会に、いまこそ多くの人に手に取っていただき、長く愛される決定版となるよう、新装版全5巻を刊行します。
『藤子・F・不二雄大全集』版を底本とし、全35話を発表順に完全収録。
4月30日に1・2巻を同時発売以降、毎月末に1巻ずつ発売。
7月末より、雑誌発表時と同じサイズで楽しめるB5判の「愛蔵版」全5巻も刊行開始します。
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Posted by ブクログ
今巻も17世紀イギリスの捕鯨とコルセットの発明、クロマニヨン人と石器、南北戦争と奴隷の逃走劇、14世紀ペストの大流行に見舞われるヨーロッパ、果ては浦島太郎伝説、ノアの箱舟とバラエティ豊富。プロットは毎回同じでもはやマンネリ化しているのに、『ドラえもん』だってそうなのだが、話が物凄く面白いというわけでもないのについつい読んでしまう安定の起承転結が藤子・F・不二雄ワールド。藤子・F・不二雄は自分の作風について、S(少し)F(不思議)という言い方をしているのだが、見逃すことのできないのは、同じくDAI語風に言えばC(ちょっぴり)H(エッチ)を挟み込むところ。『ドラえもん』でいえば作者自らもツッコミを入れるほど不自然な頻度のしずかちゃんの入浴シーン、『エスパー魔美』のヌードデッサンシーンなどを顧みれば確信的にお色気シーンとして描いている。本作では、過去の時代の人々の扮装に着替える度によく出てくる、ぼんの「着替え手伝おうか?」、古代でまわりに人がいないからといって海や湖で泳ぐシチュエーションでの「クリーム塗ってあげようか?」というのがお約束のように出てくる(これらはいずれもヒロインは顔だけか台詞だけで「結構です!」でしか描かれてないが)。吾妻ひでおほどロリコンの指標として取り上げられることは少ない気がするのは、煽情的ではないからか、品がいいからか、もはや国民的作家だからなのか。下心はあって描いているのは間違いないのに少し不思議である。