あらすじ
なかよしの女の子オンネリとアンネリは、夏休みのある日、「正直な拾い主さんにさしあげます」と書かれた封筒をひろいました。中に入っていたのは、たくさんのお金。家族の誰にもかまってもらえず、いつもひとりぼっちだったふたりは、そのお金でふたりだけのおうちを買うことにしました。女の子の憧れがぎっしりつまった夢のようなおうちで、ふたりだけの暮らしがはじまります。フィンランド生まれの、楽しくて幸せな夏の物語。
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Posted by ブクログ
アンネリとオンネリはとても仲良し。好きなこともおんなじで、ケンカなんかも一度もしたことない。だからいつも一緒。
ある時ぶ厚い茶色の封筒を拾ったことが発端となり、二人は薔薇乃木夫人から家を買うことになる。その家は、アンネリとオンネリのために建てられたかのようなとてもステキな家だった。
二人のためのお洋服、窓には真っ白いレースのカーテン、窓のそばには鳥籠があり、レモン色のインコが二羽さえずっている。
台所には美しい机と赤い木のイス、そして冷蔵庫の中には、ミルクやたまご、クリーム、バター…2人が住むために必要なものがなんでもそろってる。
アンネリは、お父さんとお母さんが離れて暮らし、二人ともアンネリのことは無関心。オンネリは、9人兄弟の真ん中。お母さんは他の兄弟のことで手がいっぱいで、オンネリのことまで気が回らない。
そこで、2人は気兼ねなく、この家で一緒に暮らしはじめる。
読んでいて、とても懐かしい気持ちになった。
こういう雰囲気のお話を、子どもの頃に読んでいたからなのか。
子ども心を目一杯満たしてくれるお話だと思った。
このお話、5年前にフィンランドで映画化されているらしい。
絶対かわいいだろうなぁ。
Posted by ブクログ
映画を観て原作があると知り、読みました。
2人の少女は理由は違えど家族にかまってもらえなくて、寂しい思いをしています。ところが、ひょんなことから薔薇乃木夫人からお家を買って、姉妹のように仲良く暮らし始めます。お隣さんには珍しい植物を育てる優しい住人、ノッポティーナさんとプクティーナさんがいますが、もう片方のお隣さんは暗くて厳しい豚の貯金箱を売っている女性。何とか仲良くなろうと頑張る2人ですが、怒らせてばかりでちっとも上手くいきません。しかし、ある晩に泥棒がお隣さん宅に入っていくところを目撃して…。
とにかく2人の暮らしぶりがかわいくて、優雅で憧れちゃいます。正直で心優しい2人に癒されますし、物語の中でも大人の心を溶かしていきます。2人だけの素敵なお家で過ごす2人だからこその幸せと、やっぱり家族と過ごす幸せも必要とする少女のささやかな願望が程よいバランスで描かれています。
Posted by ブクログ
アンネリちゃんによって語られて行くんだけど、まずね、全編通してその口調がすっごく可愛いんです。みんなの台詞も最高なのです。
物語の序盤。
拾った封筒の中身が札束だと知ってがっかりするふたり。
おまわりさんから、
「なにが入ってたらよかったんだい」?と尋ねられたときの、
「たとえばシールとか…」
っていう返答に心を巴投げされました。
そしてメインアイテム、ふたりが手に入れたおうち、ね。これはもう・・・夢!夢!女の子の夢そのもの!
ふかふかのバスローブとスリッパで歩き回ったり、夜更かししてサンドイッチ食べたり、”白くて軽い"ベッドカバーの下にするりともぐりこんで眠りたいよ。
お隣のノッポティーナさんとプクティーナさんのお庭もファンタジーそのもの!
あのにわとりのたまご・・・ひとつほしいな〜。
パパやママとの関係はすこーしせつない要素もあったり、大人の恋もチラッと描かれていたり。子どもの心をちゃーんとわかっていて、認めてくれている。
いやあ、本を閉じて現実世界に帰るのが名残惜しかった。です。
映画も、主演のふたりがむちむちキュートでとっても可愛かったのだけど、想像力をふくらませてよりファンタジーの世界に浸れるから、原作のほうがスキ。