あらすじ
池上 彰氏が初めて責任編集をする、明日の自信になる教養シリーズ。
第1弾に刊行するのは、「政治」です。
政権へのモヤモヤ、よくわからないから投票に行けないという声……。
それらの答えをわかりやすく導いてくれるのが、著者の西田亮介氏。
政治やメディアにコミットする社会学者としてコメンテーターなどでも活躍しています。
経済、教育、税金など私たちの暮らしと深く結びついているのが、「政治」です。
「政治は自分たちの生活に関係がある」という事実を認識することから、
幸せに生きるための一歩が始まります。
本書は、難しい「政治」本ではありません。
事実を正しく見ること、知識を持つこと。
そうすれば、今の「政治」を自分で判断できるようになることを、
図解を交えてやさしくレクチャーしています。
政治不信が高まっている今こそ、ぜひ読んでいただきたい一冊です。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ザ・入門編。非常にわかりやすいし、偏らない正論(恐らく)を述べてくれるので安心して読める。強いて言うなら、表紙に池上さんと西田さんの写真を出しておいた方が、客寄せになったのでは。基本的には全編西田節。それに対して、章末に池上さんがコメントするような仕立て。分かっていたつもりになっていた事の確認、理解の漏れ抜けにも、補完に役立つ内容。
以下は内容の一部抜粋。分かりやすさと雰囲気が伝われば。
― ちなみに政党助成金の2023年分の総額は約315億円。国会議員の数などに応じて各党の配分額が決まります。自民党には約160億円。自民党の全収入に占める政党助成金の割合は約6割です。つまり、政治活動の多くを税金に頼っているものの、自民党の金庫にはいろんなお金が入ってきます。でも、政党交付金の使い道については国は一切、口を出さない、自由だということになっています。良識に任されているので、なにに使っているかはよくわからないのです。これはちょっとよろしくない。領収書添付徹底や電子的な入力を通じて再分析をしやすくして透明にすべきです。
― 議員宿舎は地方議員のためにつくられたものです。地方選出の国会議員は「金帰火来」といいますが、金曜日に地元に帰って支持者に会ったり政治活動をして、国会がある火曜日に東京にやってくるというような生活をしていますから、東京都内にも拠点が必要です。議員宿舎がなかったら、市中のホテルに泊まることになるわけです。1泊1万円だとしても、かなりの出費になります。だから宿舎が必要になるんですね。もし宿合がなければ、お金がある人しか政治家になれないことになります。持たざる者が国会議員になって政治活動をするには安価な議員宿舎が必要なのです。
― 消費税が上がると、財布のヒモは堅くなります。消費が冷え込むと自分たちの首を絞めることになるのに、なぜ経団連は消費税を上げろというのでしょうか。日本政府の債務残高を減らしたいということもあるのでしょう。日本は直近で財政破綻はしないと思いますが、財政的なリスクは下がった方が海外からの投資を呼び込めます。マーケットの安定感、倍頼性、健全性が高まった方が好ましい。一方で、グローバル企業にとって、国内よりも世界が主力マーケットです。日本市場からの売り上げが占める割合はどんどん下がっています。アメリカと欧州、中国市場などが堅調であれば、日本はあまり関係ないということでしょう。
― 政党助成法により、国民1人当たり年間250円の交付金を集めて各党に分配することになります。私たちの税金を国会議員の数に応じて、各政党に分配するようになったのです。ちなみに日本共産党は、「支持していない政党にも強制的に寄付をさせられることになり、思想の自由を踏みにじる憲法違反の制度だ」として受け取りを拒否しています。ほかの党は、公費を受け取る代わりに、企業・団体献金は受け取らなくなったのでしょうか。ところが、そうではありません。依然として政党交付金とは別に、自民党の政治資金管理団体「国民政治協会」への企業・団体献金は約24億5000万円(2022年)もあります。
― でも、維新はウソつきともいえます。維新はずっと「身を切る改革」と言っていますが、基本的に大阪府も大阪市も財政支出は減っていませんし、目につくところにおいてある支出の推移のうち2010年代前半だけ波線を打って省略しています。発掘すればその時期のデータも出て来るのですが、ちょっとセコい。また無償化は財政支出を伴います。支出が増えればそれは「大きい政府」です。それから特別顧問や特別参与にだけ、ほかの専門職と比べて相当高い謝金の設定になっている。言っていることとやっていることが違います。こういうセコさは即、修正すべきです。
― 供託金とは、立候補する際に法務局に預けることが義務づけられている「エントリー代」のようなもので、他国にもないわけではないのですが、日本の供託金は世界的にも高額だといわれています。高額なのは、「売名目的の立候補とその乱立を防ぐため」いう名目です。法定得票数に達しない得票率の場合は、全額没収されてしまいます。政党から候補者に選ばれ「公認」で立候補ができれば公認料として支援を受けられますが、審査があり、簡単に援助してもらえるわけではありません。供託金は新しく政治の世界に挑戦しようと考える若い人にとっては、参入障壁となっています。
Posted by ブクログ
これ無茶苦茶いい本。西田さんの分かりやすい語り口と、丁寧な編集、そして直近の情勢と網羅的な内容。子どもや新社会人が政治とか社会に興味持った時の1冊目として、今はこれ間違いなさすぎる。
本当にすばらしい本。シンプルにまとまっていて読みやすいし、網羅的でよもや参政党にもページを割かれているとは思わなかった。
統一教会のところ、もう少し書いてもいい気もするけど、読みやすさという意味ではあのくらいの分量がいいんだろうな。
にしても西田さんが原発再稼働賛成派ってのは知らなかった。
「読者諸兄姉」という表現が人柄を表していたなあ。
吉田茂の「世界と日本」、ぜひ読んでみます。
Posted by ブクログ
内容は分かりやすく
普通の大人からしたら簡単すぎる?だろう
でも、政治ってよくわからないことを
しったようにしてるとこや
物価高とか、税金とか
政治家への不満とか、おもってても
自分はどう考えてるか、
自分はどうしていきたいとかまで
考える基礎の基礎がなかったなーと思った
ここをはじめとして
小さくても、たくさんの人が集まれば大きな声になる
小さな1人1人が政治にかかわり
国を作っていく意識を持たないといけないと思った
この本にかかれてるように
私たちは毎日意識してなくても
政治と深くかかわってる
それを少しでも意識していかなくては!
大人も子供も一緒に読んで欲しいです
著者の意見に賛否、それも、
個々の意見を持つという意味で、
読んでみる価値はあると思います。
私は読んでよかったし、
自分でもっと深堀していきたいと感じてます