【感想・ネタバレ】犬がいた季節のレビュー

あらすじ

夏の終わりのある日、高校に迷い込んだ一匹の白い子犬。生徒の名にちなんで「コーシロー」と名付けられ、その後、ともに学校生活を送ってゆく。初年度に卒業していった、ある優しい少女の面影をずっと胸に秘めながら……。昭和から平成、そして令和へと続く時代を背景に、コーシローが見つめ続けた18歳の友情や恋、逡巡や決意をみずみずしく描く。2021年本屋大賞第3位に輝いた、世代を超えて普遍的な共感を呼ぶ青春小説。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

コーシローを軸に繋がる人々の物語。
最終章では、卒業後の登場人物たちの姿も描かれ、彼らのその後を知ることができて嬉しかった。
大好きなユウカと過ごす幸せな時間の中で最期を迎えるコーシローの姿に、胸が温かくなった。

↓心に残ったフレーズ
絵や写真って一瞬を永遠にする方法だと思うの。
もっといろいろな写真を残しておけばよかったな。永遠にする方法を持っている人がうらやましい

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2025年08月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

目次
・めぐる潮の音
・セナと走った日
・明日の行方
・スカーレットの夏
・永遠にする方法
・犬がいた季節

三重県にある公立高校に迷い込んだ一匹の白い子犬。
里親を探すも見つからず、学校で飼うことになる。
コ―シローと名付けられたその犬と、生徒たちの姿を3年ごとに定点観測しながら緩くつながる連作短編集。

最後の『犬がいた季節』だけはすでにコ―シローはいなくて、創立100周年記念行事に集う元生徒たちが、その後の彼らの姿を教えてくれる、という構成。
3年ごとの定点観測なので、生徒たちに直接繋がりがないことも多いが、美術部顧問の先生と用務員が犬と生徒を見守っている姿も垣間見える。
最初にコ―シローの世話をした優花と早瀬が、コ―シローにとってはとても懐かしくて大好きな存在。

お約束通り優花と早瀬は両片想いである。
ふたりとも一歩を踏み出せなくて、卒業後は別の人生を歩むことになるのだが、二人の互いへの好意はコ―シローだけが知っている。
気持ちには匂いがあるんだって。

高校生は、可能性をたくさん秘めているのに、制約が多い。
目指す夢を認めてくれない家族、応援してくれているのに家計的にまたは家族の健康問題が障害になっていることもある。
夢に向かうことが困難な彼らが、夢に向かって自分のできることを精一杯、時に大人が眉を顰めるようなことすらも手段として割り切って、世界を広げていく。

彼らの姿を見守っているコ―シローさえも、彼らのすべてを見ているわけではない。
読者だけが、誰にも見せない彼らの思いを、痛みを知り得るのだ。

優花と早瀬が卒業をして30年。
創立100周年記念日式典で再会した彼らのこれからを、きっとコ―シローはしっぽを振って応援してくれると思う。

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2025年08月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

あまりにも生活がカサついているため急遽キュンを摂取しようと恋愛小説(ただし甘すぎないもの)を検索し本作に辿り着いた30代女です。

私の学生時代は、コーシローが生きた時代より10年ほど後かと思いますが、いつの時代にも変わらない思春期の甘酸っぱさや爽やかさ、苦さに共感が止まらず、心が若返ったような気がしました。

一点だけ、女子のメインキャラ2人の容姿が突出して美しい点は違くても良かったのになぁと思ってしまいました。外見に関係なく素敵なキャラクターなので、中身に惹かれる描写がもっと見たかったかもしれないです。
その分映像したらとても映える作品だと思います。主演は有村架純ちゃんかなーなんて、妄想しながら読むのも楽しいです。

サラサラと読みやすく、読後感も良かったので、同作者の『彼方の友へ』も読んでみようと思います!

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2025年05月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

時代の流れを感じる本 青春感が溢れていた
犬の一生も人の一生もあっという間
コーシローが大好きな人と過ごせて眠るように最期を迎えられたのがよかった

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2025年04月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

5編とも青春を感じさせる物語だった。
人間模様もとてもよかったんだけど、個人的には犬のコーシローの視点が印象に残った。コーシローは捨てられて以降、学校の中で育てられていく。だけどなんとなく、人間がコーシローを見守るのではなく、コーシローが生徒を見守っているような、そんな感じがした。
ずっと学校にいるコーシローにとっては毎年いろんな生徒と出会うけど、3年たってしまうともう会えない人たちがたくさんいる、というのは少しさみしいのかもしれない。でも最期はみんなとの楽しい思い出を胸に旅立てたのなら、幸せだったのかなと思う。
もう最後の方は完全にコーシローの方に感情移入してしまった。
とてもいい作品でした。

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2025年04月08日

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