あらすじ
嵐の夜、「ある仕事」を終えた男たちを乗せて一台の乗用車が疾走していた。峠に差し掛かった時、土砂崩れに巻き込まれて車は横転。仲間の一人は命を落とし、なんとか生還した五人は、雨をしのごうと付近の屋敷に逃げ込む。しかしそこは不気味な老婆が支配する恐ろしい館だった。拘束された五人は館からの脱出を試みるが、いつのまにか仲間の中に「化け物」が紛れ込んでいるとわかり……。
怪異の正体を見抜き、恐怖の館から脱出せよ!横溝正史ミステリ&ホラー大賞受賞作家が放つ、新たなる恐怖と謎。
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Posted by ブクログ
六人組が土砂崩れに巻き込まれとある屋敷に避難するもその家族から命を狙われ、逃げる途中で元は五人組だったことに気付き「じゃあ紛れ込んだものはいったい何なんだ?」と恐怖と疑念に占められていくというストーリーで、後ろ暗いところがある五人組のそれぞれの心情や『やまのめ』という怪異の不気味さが話のおどろおどろしさを引き立てていて最後まで気になって読み終えた。「これは結局人間の業が引き起こした惨劇か。」と思いきや…
Posted by ブクログ
ハラハラしながら、ページをめくってしまうので、あっという間に読み終わってしまいました!
登場人物が全員悪人なのも相まって、最後に誰もいなくなった状態で宝石だけ残るラストを迎えるのもありかなと思ってしまいました。
Posted by ブクログ
なかなかハラハラドキドキ不気味な展開に…。
それぞれの視点から読めるのは面白かった。
けど、屋敷のおばーさんが何故なんな超人的なのかはよく分からなかった…。
ちょっと謎が残る終わり方だったな。
Posted by ブクログ
怖さは薄い…。
それより
『自身の評価は2割増し』と言うが、作中自らこそが伝承の怪異である(人ではない)と得心する者が二人も登場する。
本文でも
人間とはひとたび自分が人ならぬ、あるいは超越的な個体だと錯覚した途端、安堵し倫理を無視し欲望のまま放逸に生きるという旨のくだりがあった。
先の『2割増し』程度なら自己肯定感として実像との間に多少の乖離があっても微笑ましいが、神がかり、人ならぬ者と自らを見なすとなると醜悪に感じてしまう。
戦争起こす奴ら、人種差別を臆面もなく発言する奴ら、莫大な裏金を追求されて「記憶にありません」で言い逃れ出来ると考えている奴ら、逆恨みで大勢の命を奪っておきながら自らに弁明の余地が残されているという奴…。
枚挙に暇が無い。
私は怪談、ホラー好きだが、とどのつまり鬼畜の所業で怪談を拵えているのは他ならぬ人間だ。
神ならぬ化け物として…
今は地球さえその歯牙にかけようとしている。
自身を特別な者と見做すのなら、せめてヒーローとして市井の人達を救うものであって欲しいが…。
Posted by ブクログ
やまのめは本当にいたのか?己が見せた幻影か?読めば読むほど想像力が掻き立てられる。人間の欲と残忍さが浮き彫りになっていくのが、怖さを増長させなんとも言えない結末に…あの金崎夫人は人間なのか?