あらすじ
すべてにおいて普通で個性がなく、自分は(永遠の脇役)であると思っている高校生・影子。
同じクラスには、世間を賑わすアイドルで、学校でも人気者の男子・真昼がいる。
そこにいるだけで目立つ彼は、まさに〈永遠の主人公〉。
別世界の住人のような彼とは、同じクラスなのにほとんど話したことがなかった。
だが、一緒に図書委員をすることになったのがきっかけで、真昼の陰の部分を知ることになる――。
読み終えたあと、きっと世界が輝いて見える、希望の物語。
文庫版限定! アフターストーリー<掌編 尊い愛>を収録。
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Posted by ブクログ
この本は本屋さんに行った時に偶然見つけて、表紙がかわいいなと思ったので手に取りました。特に印象に残った場面は最後の方に真昼君が影子ちゃんに「影」の一般的に知られている他の意味を教えていたところです。個人的に汐見さんの他の本も読んでみたいと思いました!
Posted by ブクログ
❥❥❥
読み終わった後のこの感覚何だろう?
沢山のことをいっぱい考えながら読んでた。
数年前までの私は
『芸能界を引退して一般人に戻ります』
って言葉に影子と同じ様なことを思ってた。
自分が何かに埋もれて
誰からも見えなくなるような感覚が嫌で
普通って何?輝くって何?
ってずっと考えてたような気がする。
でも目立つ存在になるって
常に見られているってことで
それは監視されているのと似てる。
影子は真昼の
全ての主人公みたいな輝きを羨んでいて
私もどこかで憧れている部分だと思う。
だけど
世間一般的な主人公要素に囚われてたら
本当に大切なものを見失うんだろうなぁ。
自分なりの輝き方を見つければいいんだと思った。
❥❥❥
真昼は世間を賑わすアイドル。
だけど
実は虐待されていた過去があって
弟を亡くしたクリスマスの日に
助けを求めても誰も立ち止まってくれない中で
ある人が助けたくれた。
その人が影子のお父さんだったなんて
しかも高校の同級生だなんて
運命的過ぎるというか
滅多にこんなことないよね。
影子の
ケーキを買ってくるお父さんの帰りが遅い
次の日に起きたらケーキはぐちゃぐちゃ
おまけにプレゼントは揃ってない
っていうクリスマスの思い出の裏では
真昼のことがあった。
そこからの真昼の頑張りも
本当に凄いなと思ったし尊敬する。
見えている部分だけでは
分からない真実は沢山あると思うし
見えている部分だけで決めつけてしまうのは
その人を追い込むだけで良くないよなぁ。
ちゃんと事実を確かめていないのに
噂とか人づてだけで判断するのはよそうと思う。
Posted by ブクログ
主人公影子は過去に影子の父がクラスメイトであり、人気アイドルグループでもある真昼を助けていたと知ることが、影子自身真昼に何かしてあげたいと思う気持ちを加速させた
励ましたい人の生い立ちを知ることでさらにその人に寄り添えることがわかって良かった
児童虐待、SNSでの中傷という社会問題にも触れている
それらを経験した人の気持ちはもっと複雑なものであると思うが、加害者にはなりたくないという抑制力になればよいと思うには十分だと感じた。
学園青春恋愛小説としては王道のストーリー展開ですがとても楽しく読めました。
Posted by ブクログ
とてもスラスラと読めた。普通の人にとっては特別の人が羨ましく感じるけど、特別な人にとっては普通の人が羨ましくなる。普通の私も誰かから見たら憧れなのかもしれないと思うと、普通が当たり前じゃないということを改めて考えるきっかけになった。また、これからは相手を見た目や社会的な地位で判断し、壁作るのではなく、1人の人としてしっかりと向き合おうと思った。そして作品中では現代の社会問題であるネットの誹謗中傷について描かれているのがとてもリアルだった。SNSで気軽につぶやける時代だからこそ、一人一人がより注意深く、よく考えてSNSを使えるようにならなくてはいけないなと思った。