あらすじ
師匠の鍛冶に誘われて、青森県新郷村にある発掘現場に向かった天才発掘師・無量たち。
東戸来遺跡と名付けられたその縄文遺跡の環状列石の下から、国宝級の赤い大型土偶が掘り出された。
だがそれを見た瞬間、現場作業員のいろはが「すぐに埋め戻して! じゃないとひとが大勢死ぬ!」と叫ぶ。なんと死んだ祖父が、イタコの口寄せで予言したというのだ。
さらにベテラン作業員の手倉森も、「きりすと土偶はやはり存在した、奥戸来文書は正しかった!」と異様な興奮を見せる。
一方、仙台のシンポジウムに出席していた忍は、偶然無量の父・藤枝教授と再会する。
無量とは犬猿の仲のはずなのに、藤枝は「その古文書の真偽を暴いてやる」と、忍と一緒に青森に行くと言い出して……!?
大人気発掘ミステリ、青森編!
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Posted by ブクログ
都合の良いことだけを信じたくなる歴史改変勢とのたたかい、久しぶりに通り一辺倒以上の面白さだった。
最近会津戦争もの(というか新選組)舞台を観たところだったので、斗南藩の話も個人的にタイムリーで、各地に歴史があるし歴史は繋がっているのを感じた。
Posted by ブクログ
無量が鬼の手で何かヤバいものを掘り当てて、それが盗み出されて、追いかけていたら脅されて、気づけば誰かが拘束されて……といういつものお約束の展開にはならなかった今回。
脅しと拘束はあったけど(そして、そのことに慣れきっている某キャラ)
今回の最初のキーアイテムを掘り当てたのは無量ではなかったし、全く盗み出される気配がないので、びっくりした。
状況の打破に関しても、相手から「何々を持って来い」と要求されるいつものスタイルではなく、相手の説をどう論破するかに焦点が当たっていて、証拠集めに奔走するという。
しかも、そのとき共闘するのが、まさかの無量のお父様。
無量視点で読むため、これまではお父様にはいい感情が全くなかったけれども、今回の話で無量と同様、見方が変わった気がする。
とにかく新鮮な展開の縄文回だった。
何だろう、例の土偶を読む的な騒ぎを少し彷彿とさせたような雰囲気。
いつもと雰囲気が違って楽しめた一方、無量の転属話に関しては進展がほぼなかったので、そこはちょっと不安点(不満点ではなく不安点)
解決するのはいつになるのだろう。
Posted by ブクログ
西原無量シリーズ、18作目。
青森が舞台と言えば、かの有名な偽書事件「東日流外三郡誌」。それを彷彿とさせるような謎の古文書・奥戸来文書が登場する。
今作は何といっても、無量と無量の父・藤枝教授が力を合わせて(?)偽書疑惑に挑んでいくのが見どころ。いや、本当に今作で藤枝教授に対する見方がガラッと変わったかも。彼なりの信念があっての行動であり、無量に対する態度なんだと思うと、今までの嫌な人物像が洗い流されていく感じ。無量も今回をきっかけに父親との向き合い方をちょっと考え直してくれると嬉しいな。まぁ、二人とも卑屈で面倒くさいところはさすが親子でよく似ていらっしゃるww
そして最後の忍と忍の父親との束の間の邂逅。正直、私はそういう心霊現象を信じない方なんだけど、あったらいいなと素直に思えたくらい素敵な場面だった。
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積読こと2ヵ月、旅行のお供にして、ようやく読んだ。
うん、面白い。というか、持って行った本が、これと中公新書の『椿井文書』。偽書の話、2冊。
椿井文書の方は、きちんとした学者さんが書いている、椿井政隆という人が作った偽書や偽の家系図などの資料をについての考察。ここに、『東日流外三郡誌(つがるそとさんぐんし)』が、有名な偽書として名前があがっている!半端な読み方をする人間なので、両方途中で、齧ってみたら、リンクしていて、これが、面白い。
『西村文書』のトンデモさと、偽書を作る人の緻密な方法と、ラノベ特有の展開の速さと、学者さんの書く主観を交えないようにする文章と。
ラノベも学術系も、どちらもイケるという方には、両方とも読むことをオススメします!
とんでもない偽書を、偽造と暴く為に、協力した藤枝と無量。その関係性に、少しは変化が、有ったような。イタコの口寄せで、亡き父親と話せた忍は、どんな決心を、したのか?話が大きく変化するような気がする。
Posted by ブクログ
キャラがぶれてきたような、捉え方変えたら新しい側面が見えてきた、と言うべきか。
毎回誰か攫われる、閉じ込められる笑
となると、ネタ切れになるのも当然なのだが忍の今回の脱出劇はだいぶと無理があったなぁ。
2024.8.12
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