あらすじ
両親を失い、財産も奪われ、『廃屋令嬢』と笑われながらも、誇りだけは失わず生きてきた令嬢・雛。彼女のもとに、冷酷で美貌の実業家・鷹が現れる。自らの復讐のため、家柄を利用させろと契約婚を申し出る鷹に、雛はある願いの成就を条件として、名ばかりの花嫁となることを受け入れた。
敵の多い鷹との生活でも、雛は両親から継いだ教養と感性で困難を切り抜ける。彼女の仕立てた服の噂が社交界に広まると、鷹の事業の助けにも繋がった。雛の賢明な生き方は、凍っていた鷹の心も少しずつ変えていって――。
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Posted by ブクログ
序章が長くてびっくり!(80ページある)
登場人物を粗方紹介し尽くしての本編。
両親を失って没落の一途を辿っていた雛が実業家の鷹と契約結婚。
ただ没落したとはいえ、雛は立派な貴族。
鷹も驚くほどの逸材だった。
本人の力で次々と難関を乗り越え、仲間を増やし、鷹を支えていく。
本人は決して前に出るタイプではないのだが(強気なキャラではない)常に冷静に周りを見る思慮深さ。
そして想像よりも芯の通った強い女性だった。
本家を手に入れるために奔走する鷹たちの騒動に巻き込まれても、その強さは失われなかった。
そんな雛に段々惹かれていく鷹も変わっていく。
最後の「ざまあ」展開は、当初の鷹では考え付かなかったのでは。
多分雛を切り捨てるか、相手方を完膚なきまでに叩き潰していたはず。
恩赦も結局は相手にしてみれば地獄かもしれないが……