あらすじ
武家から信頼の篤い蘭方医・久世に疑義を唱えたことで、凸橋家から召し放たれてしまった感九郎。父から勘当もされ、失意のうちに大川のほとりで得意の編み物をしていたところ、異形の男、寿之丞たちと出会う。成り行きから彼らの仕事「仕組み」を手伝ううち、感九郎のある能力が開花。そして召し放ちのきっかけを作った人物に接近する。その正体とは!? 江戸に実在した「編み物ざむらい」と異能集団が活躍する、新感覚時代活劇!
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
すごく面白かった。
編み物をする人にしか分からない表現があるのがたまらないのはもちろんだけど、お話としても深いものがあり、謎解き要素もありで楽しかった。
横山さんは多才だなあ。
続編も楽しみ^_^
Posted by ブクログ
編み物とさむらいとは?と思ったら江戸時代にポルトガルやスペインから伝わり下級武士の内職のひとつとして編み物があったらしい。なるほど・・
編み針を武器に戦うのかしらとか想像していたけれどもそういうわけではなかったw
正義感のために勘当されてしまった下級武士の主人公感九郎が編み物が得意なことを活かして仲間と共に幕府筋の悪いやつらを懲らしめるという話なのだけど、それだけではなくサイキック的な話もありトリックを仕掛ける面白さもありで楽しく読めた。
茶壺の紐の秘密とか組紐とかへーそうなんだ的な雑学も得た。
Posted by ブクログ
不思議な作品である。
安土桃山、織田信長の頃、日本には既にメリヤス編みが存在していた。外国からの宣教者によってもたらされた。
このメリヤスという技法は、後々需要が伸び、仕事として商品として価値が生まれ流通もしていた。
格式はありながら貧乏な武家に生まれ、メリヤス編みを内食にしていた感九郎は、正義感を曲げられずに父親と対立し勘当される。
街で偶然会った二人に助けられ、大きな組織から悪を滅ぼす仕掛けをする三人のグループに助力することに。
この感九郎は相手の心の内側に入ることができる。
登場人物たちは不思議で魅力的。
第2巻が刊行されることを望む!
Posted by ブクログ
編み物をする侍の話。
浪人になってしまった感九郎。彼は内職で編み物をしていたが、そこに目を付けたある集団に手袋を編んでくれと頼まれる。そこから感九郎は事件に巻き込まれていく。
編み物をしているからこそ分かる部分もあって面白かった。
人の人生を編み物になぞらえているところも、編み手として嬉しい。
Posted by ブクログ
黒瀬感九郎は蘭方医の久世の不正を奉行所に訴え出たことで、凸橋家を召し放たれ、黒瀬家からも勘当されてしまいます。そんな感九郎がひょんなことから出会ったのが「御前」をはじめ不思議な手妻を使う寿之丞達。成り行きで彼らが行う「仕組み」を手伝うことになりますが ―― 。
編み物が得意な感九郎が、人の影の糸を解くとその人が抱える過去が見えるという不思議な力も芽生え、危機を脱するという展開です。少々分かり難いところもありますが、心の檻について考えさせられました。
まだまだ謎が多い登場人物達が楽しく活躍する様子を読みたいと思います。
Posted by ブクログ
タイトルに惹かれて読んでみました。とはいえ編み物要素はそこまで多いわけではなく。編み物の内職が自分にあっている主人公が編み物の主体の「糸」をテーマ・キーワードに、幼馴染たちや新しい仲間との出会いにより自分に向き合うという話。ちょっとだけファンタジー要素というか異世界の場面もあった。時代小説だけどそこまでガチガチじゃないので読み慣れてない人にもいいかも。まだまだ解明されてない謎もあるので次回作も楽しみ。
へなちょこだけど特技はある主人公。一部の登場人物は漢字表記とカタカナ表記がある。カバーをして読んでいたので気づかなかったが表紙の背後の2人がジュノとコキリだった。そして源太の最後の告白で気になって途中から読み返してしまいました。
Posted by ブクログ
思ってたんと違う(いい意味で)
タイトルだけの印象でなんとなく「ほっこり人情ものかな?」って思ったら急に仕掛けの裏工作が始まったり主人公が異能に目覚めたり。
キャラが魅力的で、もっとこの人たちの活躍を見たくなった。シリーズ化希望!
Posted by ブクログ
侍の内職として、傘貼りなどは知っていたが、メリヤス編みが当時あったのが驚きだった。
登場人物が外見的にも個性派揃いでアニメや実写化には持ってこいの題材かも。
話のテンポも良く、楽しめた
Posted by ブクログ
編み物が好きなので、とても楽しみにしていましたが、想像をはるかに超えていました。
なんと言って良いのか、とても漫画チックな感じの話で、テンポ良く流れて、感九郎が、世間の波にもがきながらも、自分の中の「正しい」を見つめていく様子が若者らしい葛藤ですね。
人は傷ついて、心の底に沈めているものがある、それは誰かが暴いて良いものではない。と、編み物の糸に例えている所が良かったなと思いました。
まだまだ、続編を感じさせるものがありました。